茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

道尾秀介「満月の泥枕」(34)

老若男女御一行さまのスリリングな冒険活劇であった。

すでに道尾さんの定型になってるのかな。

 書影:満月の泥枕

汐子がとても大人に思えて時々彼女が8歳という設定であることを忘れた。嘘やろ。

大人にならざるをえなかったというのかこどもらしくいられなかったのか、それでもたった8歳の女の子がクズのおっさんと一緒に暮らさなくちゃいけないってわりと悲劇的だとおもうんだけど、おっさんを救う存在としてとってもきれいごとに描かれてるのが気になった。お祭りの日に浴衣を着られへんなんてそんなん絶対いややん。*1幼女が傷ついた中年おっさんの心を癒してくれるとか何ふざけたこと言ってんのそれなんのファンタジーって毒つきたくなるくらいにはアレだったけどわたし心がすさんでるのかな。なかなかエンジンかからなかったんだけど、池の中の死体をさらうための作戦が出てきたあたりからは一気読みでした。最後のインディジョーンズばりのアドベンチャーとか楽しかった。実母に経済的に援助してもらっておっさんと暮らすのが汐子にとってベストなのかな。

*1:ってこないだ地元のお祭りでふんたんに浴衣を着せながらおもった。

夏が終わりました。

なんという刹那なんだろうなと。

そのどこか焦燥にも似た想いにずっと追いかけられるような、今までの何年間ものが集約されるこの三年間はそれはそれは濃厚な毎日で、わたしなんかはもう想像するだけで感動できちゃうし、そういう風景が目の前にあるというだけですべてを感じられるけど、でも、実際に肌で感じる空気はしびれるほど刺激的でそしてやっぱり感動的だった。想像してたものとおなじものと、違ってたもの。

今まで連続してきたものが唐突に途切れてしまう瞬間を目の当たりにして、胸が熱くなると同時に背筋が冷えた。

この気怠さは夏の暑さのせいだとおもうことにして、さて。