茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

「モンテ・クリスト伯」最終回

おもっしょかったー!

2時間があっという間だった。追い詰められた入間家の惨事に圧倒された。トマト怖い。彼女が毒を飲んでガラス戸に額をぶつけて流血するシーンも怖すぎた。基本的に自分勝手な人たちだらけ(暖含む)なんだけど、公平もたいがい酷かった。清廉潔白に正義に生きてきたってどの口が。正気の沙汰じゃない。瑠美は本当にただの計算外だったのか。近親相姦の事実は彼女にダメージを与えなかった。母の愛。愛?そうかな。他人に囲まれて生きてると血のつながりに縋りたくなるのは理解できる。たぶんそういうことなんだろうなってわかる。旦那なんて所詮他人。瑠美の背景にあるマリア像。毒の入った瓶に残す指紋。生き残るろくでなしの息子にその顔を見せること。涙ひとつ見せずに彼を睨むクソガキのふてぶてしさの示す暗澹たる未来。信一朗と未蘭だけが唯一の希望。信一朗が彼のサインから記憶をたどって暖に行きついた瞬間に感動した。真海さんが守りたいと思ったもの。未蘭と彼が出会ったことも計算外だったのか。きっと巻き込むつもりはなかった。

結局最後までズボンを履かせてもらえなかった新井さんでしたがw最後までいいクズっぷりでした。裏切った方は裏切ったことを覚えていない。裏切られた人間だけがずっと恨みを抱えて生きている。苦労してきたからって裏切ったことがチャラになるはずもないのに。軽やかにクズを演じきった新井さんはさすがでした。ズボンを履かせてもらえなかったところも含めて。何もしていないのに。何もしていないから。だからこそ。

クズなのはたちょもそうなんだけど、全身に火傷を負った彼は果たしてほんとうに暖を助けたのか。暖はいったい誰に助けられたのか。

問題はすみれです。暖はなぜ彼女に全てを捨てて自分と結婚してほしいと言ったのか、それは本心だったのか、本当にそれを願ったのか。まだ彼女を愛してるのか、自分を忘れて自分を裏切ったかつて親友だと思っていた男と結婚した女を、ただ取り戻したかっただけなのか。すみれにイエスと言わせたのは、果たして誰への復讐なのか。イエスの答えを聞いた彼は確かに喜色に満ちていたけれど、でもすぐにその表情は絶望へと変わった。彼は、ほんとうに、すみれともういちど結婚したかったのだろうか。ほんとうに?あの絶望は、自分が愛した女がしょうもない女であったことへの絶望だったのだと思う。つまらない女だった。そんなもののために自分は周りの人間に裏切られ、失意の中で何年もの時間を無駄にし、そしてその復讐のために膨大なエネルギを消費したのかという絶望。彼が生きることを選んだのは、そんなもののために命を失うことはないと理解したからだと思う。さて、誰が彼を紅蓮の炎の中から助けたのか。ひどい火傷を負ったたちょに一票。これでチャラにしてやるからだから自分が生きていることは内緒にしておけと新井さんとふたり口裏を合わせているという説を採用したい。愛は勝つ。誰の愛が?

裏切った方はすぐに裏切ったことを忘れてしまう。確かに新井さんとたちょはクズだったけど、でも彼らの屈託にまるで気づかず、あの頃はみんな幸せだったのに、どうしてこんなことになってしまったんだろうって本気で言うてる暖もたいがいだったね。少しは利口になったのかな。自分に向けられた妬みや嫉みの感情を受け止めて、彼は何をおもったんだろう。「楽しかった」という言葉に胸をつかれる。

柚木麻子「デートクレンジング」(22)

また結婚したい女子の話なのかーとかおもったんですけど、まあ、そういう話なんですけど、でもところどころにグサグサと刺さることばがあって、けっこうしんどかったです。一番は終盤のアイドルと行くバスツアーのくだりだった。想像していた期待がことごとく裏切られていく様を見るのはしんどくて、思い当たることがありすぎて、既婚子持ちのわたしにはもう呪いなんてかかってないわって呑気に思ってたけど、それでもやっぱり何かしらの呪いには縛られてるんだよね。就活、婚活、妊活、終活、オタ活、いろんな活動に追われて焦りを感じることから解放されよう。そういうお話だったとおもうけど、今のわたしにとっては最終フェーズに入ってるオタ活がきっとそれ。わたしはウィーンにも如水会館にも行かない。行けないのはもちろんだけど、それよりももっとポジティブに「行かない」ことを選択してる。問題は直近のタカホだ。わたしとって今回のターンはもう終了したのだ。想いをのこすことなくとても満足のいく終わり方ができたと思ってる。そこに来て、また次のフェーズに進めと言われても、と二の足を踏んでしまう。茶の間として、未知の世界を知ることが出来るかもしれないというのはとても魅力的ではあるけれど。「ファン」であることを多分に拗らせたので疲れきってしまってると言ってもいい。*1バスツアーの途中で疲れ切ってしまった彼女のきもちが、痛切にこころに響いてしんどかった。わたしにはきっともう煌めく星たちは見えない。夜空に輝く月は見えない。タカホに行かないことを後悔するだろうか、という恐れを天秤にかけて、まだ、鬱陶しくみっともなく、迷ってる。行かない後悔よりも行った後悔とは言うけれど。その日のためにと往生際悪く伸ばしてる爪を、まだ切れないでいる。でもこれは呪いじゃないし、疎ましいものでもない。わたしが自らすすんで入った美しく素晴らしい世界だ。そこでのわたしは異端ではあるけれど。あれ、なんの話だっけ。

自分はずっと見ているだけの人間だと思っていた。でも、一人の女の子をずっと見つめ続けるということは、そのなにもかもを許すことを意味する。許すのには、体力も気力も知力も使う。(中略)彼女の弱さや痛みやずるさを目の当たりにしたり、たくさんのお金を使ったり、そして最終的にこの地までやってきた。日常で満足していたら決してなし得なかっただろう、めまぐるしい大冒険を経てきたのだ。

「許す」という言葉に違和感。許す、なんだろうか。わたしは許せなかったんだろうか。だから最終的なその「地」にたどり着けないんだろうか。その「地」はウィーンか如水会館かタカホか。それとももっと別の場所なのか。大冒険をしてきた自負はある。とても楽しかった。心躍るアドベンチャーだった。わたしのたどり着いた場所はウィーンでも如水会館でもタカホでもなかったけど、それでも満ち足りたきもちでしあわせだ。ほかのひとがたどり着く場所なんてどうでもいい。わたしはわたしのたどり着いた場所でただひとり勝鬨を上げて、そして背負ってきた荷物を下ろし、たくさんの思い出を武勲にするのだ。*2

*1:わたしは彼女にとって「ファン」ではなかった。という拗れに拗れた想い出はまた別の機会に。笑って晒すにはちょっと早すぎる。

*2:でもまだ迷ってる。

スカステつれづれ

・VIVA!BOW!#9

バウ40周年企画として6~8月に過去のバウ作品を大挙オンエアしてくださるそうでこれはもしかして「BLUFF」きちゃう・・・!?と期待しております。が、この回の麻乃佳代(敬称略)のコーナーで「BLUFF」がピックアップされてたのに今月オンエアがないってことはもしかしたら・・・としんぱいに。流れた映像も切り取り方が酷くて、カメラしっかり!って何度もおもったけど、でもいいの、そんなのは重要じゃないです、全編見たいんです!!!!!!今月で解約しようとおもってたのに8月のラインナップ確認するまでは夢見ちゃうじゃないですか、スカステさんったら商売上手ぅ!

・1983年花組バウホール公演「アンダーライン」

なつめさんカッコイイー!恥ずかしいまでにロマンチックな正塚先生でした。一番印象的だったのはジェフ役の翼悠貴さん。軽妙なお芝居が客席の笑いを誘っていてそれがとても巧みだった。「あなたのそばに友もなく、恋もないとき、わたしのことを考えて」ロマンチックだなー。フィナーレのダンスがこれまたカッコよくてしびれた。フリの揃わない花組さんではあるんだけどwなつめさんにピノさんにヤンさん。花組じゃん。御織先生のお名前もあった。わー。秋篠さんの白いドレスがとてもセクシーでドキドキした。昔のジェンヌさんは今見ると生身の人間らしさが溢れてて、その分とても心臓に悪いwたとえば娘役さんのお化粧も顔と首で色が違ったりする。ざらりとした質感の映像とあいまってとても心地よい倦怠感。

・1992年月組「夢・フラグランス」

なんというトンチキネオ・ジャパネスク!!ロマンチックレビューとは・・・タカラヅカとはほんとにいろんな世界を見せてくれて摩訶不思議ですよね・・・中盤に女装祭りが開催されてて天海祐希のグラマラスバディにビックリしてそれでもかなめさんにしても久世さんやみつえちゃんにしても今の姿を知ってるからかあんまり違和感がなかったんだけどロマンチックレビューとは。フィナーレ前に久世天海でラバカン歌っててきゃーかちゃるりーー!!ってテンション上がったたのしかった。

・うたごころ。#16

じゅりちゃんのウェディングドレス姿にひっくりかえる。どひゃー。

・ダンサーハント#12

そらきゅんがとし子センパイのお名前を出してくださって感無量です。わたしのすきなひとの存在はまだタカラヅカの世界で息づいてる。素晴らしき世界。わたしはまだその世界と直面できずにいるよ。いろんなことを放棄したまま、まだ迷ってる。

・Brilliant Dreams#127~personal~

一日で二回もじゅりちゃんを摂取してしまった・・・!ゆのゆのの闇が広がる様子がめっちゃおもしろかった。同期コンビかわいい。世代交代にすこし動揺する。うーちゃんのそつのなさに安心する。さすがの上級生。っていうかうーちゃんが上級生にカテゴライズされる世界にやっぱり動揺する。

 

ところで7月に「心中・恋の大和路」の再演(134分)と再再演(71分)のオンエアがあるんですけど、なんで再再演の分がダイジェストなんですか(怒)ほんとにあのダイジェスト映像しか残ってないの???????