茶の間でおま。

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早見和真「イノセント・デイズ」(6)

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イノセント・デイズ

イノセント・デイズ

 

このミス20位作品であります。

まさに「不運」と「悪意」の支配する人生だった。こんなにも人は不幸になってしまうのか。彼女のことを想う人は少なからずいたのに、それでもその想いは届かず、彼女は死を選んだ。死ぬことだけが安らぎ。また誰かに捨てられるくらいなら、死んだほうがまし。そんな彼女の絶望的なまでの孤独に耐えられなかったです。DV男にすがって生きることのどこが幸せなのか。どうして一人で生きる強さを持てなかったのか。誰もそれを彼女に教えなかったから。途中までは順調だったはずの人生だったのに。どうして。無実の罪で刑に処される彼女が得た安らぎは、最悪の読後感しかもたらさなかった。テレビやネットで流される「こう伝えたい」という思惑に逆らえるようになりたい。

生き難さマックスの中学時代は、男子もしんどそうだけど女子は女子であるゆえに猶更苛酷で、ほんのわずかな罠に一度でもかかってしまえばそこから抜け出すのは容易ではなく無間地獄のさらに奥深くまで落ちてしまうしかない様がほんとうに恐ろしくて。