茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

貫井徳郎「我が心の底の光」(12)

衝撃でした。

 

我が心の底の光

我が心の底の光

 

ラスト、最大のピンチに見舞われた彼が助けたのは。彼が一生をかけて恩を返したいと思ったのは。

それが衝撃でした。

その人物のためにはたとえ自分に唯一やさしくしてくれた人間であろうと簡単に見殺しにしてしまう。最後には自分の命までもその人物のために犠牲にしてしまう。彼がそこまで恩に着るというあたりの狂気が恐ろしかったです。

死の淵を見たことのある人間には、それを経験したことのない人間の言葉は届かないのでしょうか。

彼を助けたいと思う人間がいなかったというわけではないのに彼はそれらをすべて振り払い、ただ一つの目的のために粛々と計画をすすめていき、それを成就させたということは幸せなことだったのかなと思ってしまうけれど決してそんなことはなくて、少しでも耳を傾けることができればよかったのに。

タイトルからして表紙からしてうわぁ・・・ってなったんですけど、確かに彼の受けた虐待は凄絶で、しかしながら玄関の外からカギをかけて一週間以上も放置し子供を死なせてしまった母親の事件というのは知ってるし、決して絵空事ではないという事実にぞっとしました。でも彼は死ななかった、すくなくともその時は。