茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

2014年宙組ドラマシティ公演「翼ある人びと」

まあ様のお披露目を祝ってオンエアされたものを録画視聴。

確かわたしがヅカ再デビューした梅芸の風共を見に行った時に、次の公演ってことでポスターがいっぱい貼ってあったのを覚えてます。

演出の上田久美子先生の二作目にあたる作品で、一作目がかの「月雲の皇子」だそうでこちらも名作の呼び声高く、今作品もすごく評判がよくて、さてどれどれ、と視聴したのですが。

まあ様かっこいい!!

愛想もなくて、世の中に対して拗ねてて、音楽に対する情熱と才能を持て余して生きてる彼の不器用さがとても切なくて、まあ様が機嫌を損ねたり、怒りに身を任せたり、恋を知ったりする瞬間の表情のどれもこれも素敵でした。なるほど、セリフではなく演出で場面を物語る、と評されてたのに納得がいきました。たとえば演奏旅行に出たクララの着たあの真っ赤なドレスに度胆を抜かれたこととか、病に倒れた夫の治療費を捻出するための演奏会で紅いドレスを着ることが彼女の追い詰められた精神状態を表しているようでその狂気の沙汰に震えました。それまでのクララが地味な色味のドレスしか着ていなかっただけに。(肩は出していたけれども)(髪形もずっと地味だった)

クララの、良き妻良き母であらんとしていたことが自らを縛りつけていたのだという事実に打ちのめされました。芸術家はやはり何かを犠牲にしないとその芸術性を高めることはできないのか。あれもこれも全部と欲張ると、やはり何かを失ってしまうのか。翼とは自由の象徴。彼には翼がある。でも、彼女にはなかった。いや、失ってしまったのだ。

怜美うららさんが素晴らしかったです。まあ様よりずっと下級生であるのに、年上の女感をバリバリと出し、溢れる母性とにじみ出る慈愛に満ちた大人の女性がピッタリと合ってて、あれこれ言われがちな彼女ですが、こんな風に似合う役もあるのだと、その人に合った作品や役を作るのが作家の仕事ではないのかと、なるほど上田久美子先生の評判はここから来るのですねと納得しました。確かに歌はアレでしたけど、それを補って余りあるクララでした。お若いのに落ち着いたお芝居に感動しました。

あっきーにはいい意味で裏切られてびっくりしました。あっきーってこんな人だったんだ!軽薄なキャラが上滑りすることなく嫌みなく見せることができるのってすごいことだと思います。

愛ちゃんは、頑張ってた。彼女の頑張りに胸打たれる派なんですが、その頑張ってることが伝わってくるのがざんねんだなって思います。難しいことを、そうでないように見せられることができたらいいですね。

キタさんはさすがの一言です。こういう役者さんが絶対各組に一人は必要だとおもいます。

ベートーヴェンは衝撃でしたが、凛きらさんのハマリっぷりに、やっぱりウエクミ先生恐ろしい・・・ってなったのでわたしは早く「月雲の皇子」を見なくてはなりませんね。

まあ様の前髪は正義。楽譜を取り合ってうっかり恋に落ちちゃう瞬間のときめきとか、一幕終わりの雪が舞う中で二人が明かりに照らされる中に響くまあ様の「あなたを愛しているからだ」という悲痛な叫びに鳥肌が立ちました。