茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2014年雪組ドラマシティ公演「心中・恋の大和路」

この公演に思い入れがあるのは、1989年の月組公演に前の贔屓であるいつき吟夏さんが出てらしたからなんですけど、こないだ見たひとこちゃんのオシエテで、丁稚の役でおまんに好かれてる方ですねって紹介されててそこで流れた映像がわたしの見たことのないやつで、どういうことやとガタッとなったわけです。

そして大昔のVHSを出してきて見返してみたらば、てっきりNHKの完全版と思い込んでいたのが花の指定席の関テレ映像で、ああ・・・なるほどわたしの記憶の中にある心中はダイジェスト版やったんか・・・とがっくりうなだれました。

で、今回の完全版を楽しみにしておりました。

めんたんの三太役は真地くんで、お!となったんですけれども、ニコイチだった庄介がひとこちゃんだったことに少なからずショックを受け(真地くんに謝れ)まぁわたしの記憶の中にある三太は二幕のあの「お夜食にいかせてもらいます」っていうあのシーンだけやからな・・・って思いつつ見てたらば、真地くんの三太すんごいよくって、むしろ美味しいし、真地くん素晴らしいなって泣く始末で、めんたんの三太だってきっとそういう意義はあったのだと思えて救われました。真地くんありがとう。

さすがのスカステ、カメラもばっちり丁稚アングルで撮ってくれてるし、なんせ映像が綺麗でほんとに泣きました。四半世紀の時を超えて、三太が真地くんによって鮮やかによみがえってきて、そのまばゆいばかりの色彩にクラクラしました。

なるほど完全版を見てみると、おまん・三太・庄介の場面がカットされるのはむべなるかなと納得せざるを得ないんですけれども、ああこのセリフを話すめんたんが見たかったなと涙に暮れました。

何より特筆すべきは帆風さんの伊兵衛ですよね!!!!

びっっっっくりしました。

月組版の伊兵衛は当時専科の立ともみさんで、当時確か研20くらいのプロでして、そういう役を研7?くらいの帆風さんがやられてるのがほんとに胸熱で、なんやこの落ち着いたたたずまいに、貫録あるセリフ回しは・・・と震えました。帆風さんがこんなに芸達者な方だとはつゆ知らず、その知らなかったことが悔やまれてなりません。あまりにも早い退団も、いまさらながらに悔やまれます。まさに専科いらず。

真地くんも帆風さんもそうだし、真ん中の人たちがだいたい関西弁のネイティブスピーカーであることの安心感。宝塚ではやっぱり関西弁が標準語なのだと思わせられる。なのでれいこちゃんとか朝風さんとかの非ネイティブにはダメ出ししたくなる。

で、そのれいこちゃんが与平役だったことにびっくりしたんですけど、だって月組版では与平役の波音みちるさんが雪山でのソロを歌うんですよ・・・確か雪組版ではまっつさんが歌うんですよね・・・?って震えたんですけど、ちゃんとれいこちゃんも「この世にただひとつ」を歌ってて安心しました。わたしはどうやられいこちゃんに対して酷く下向きな思い込みをしていたようです、反省。

お話としては、忠兵衛がただのダメ男すぎてこんな男にお金を持たせたらあかん!!っていう感想しかないんですけど、その彼を愛する梅川と、どうしようもない友人を助けようとする八右衛門と、主人に道を踏みとどまってほしいと願う番頭と手代、彼を見捨てなかった周りの人間の想いに泣きました。

昔の思い出と共にとても楽しく視聴できました。時を超えて再び出会えた作品に感謝。