茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2014年星組バウ公演「かもめ」

スカステオンエアされたものを録画視聴。

瀬央さん新公初主演おめでとおおおおおおおお!!!!!!!

こないだの恋するナポレオン(ではない)新人公演映像のマルモンがほんとに素晴らしくて絶賛瀬央さんブームなわけですが、そのタイミングで新公主演が来たことに運命を感じてます。ほんっとによかった。新公主演したからといって約束された未来なんてなにもないけれど、新公主演したという実績がご本人にとって大きな糧となり支えとなり誇りとなるのならば、すべからく主演を経験すべしとおもいます。なるべく多くの人にそのチャンスを。95期はそれぞれ最後の新公を迎えるわけで、そこでチャンスを得たということに感動してます。宝塚ってほんとに感動の毎日。

そしてスカステで同時期にオンエアされたのが「100%宝塚」の最終回、瀬央さん回でして、その中でこの「かもめ」について言及されていて、難しそうだなーって敬遠してたのですが視聴した次第。

チェーホフとか門外漢すぎてさっぱりわからず、ただ美しい言葉がたくさん出てくる中で人生に絶望する若者のその絶望の深さが衝撃だったのですが、やはりわたしの意識は全部瀬央さんに持って行かれてしまったのはいたしかたないことかと。

音波みのりちゃんに恋をして、こっちゃんへの恋に疲れた彼女はやけくそ気味に瀬央さんと結婚するわけだけれども、終始その存在を軽んじられた瀬央さんがかなしくて仕方なかったです。

己の貧しさをことさら主張する様子は確かに滑稽であるけれども、それでも彼は一生懸命に生きていて、自分のことを愛してないとわかってる女性をずっと愛し、家族を大事にし、つまらない男だと言われてもそれでも笑顔で居続けるしかなかった彼の心の痛みがとても突き刺さって痛かったです。

妻の家族に軽んじられる場面はたまらなかったです。愛する妻との間に生まれた赤ん坊のことが気になってしょうがなくて一刻も早く帰りたいのに、妻にその気はまるでなく、外は嵐で歩いて帰れるわけもなく、なのに誰も彼のことを顧みようとしない。妻は顔も見たくないと言い出す始末。この場にいるべき人間でないことは重々わかってるだろうけれど、でも自分も「家族」なのだと思ってる様が切なくて。天寿さんと握手しようと差し伸べた手を躊躇するあたりで泣き、でもその手をちゃんと握ってもらえたことに安堵した表情にさらに泣きました。「利口じゃないけど気のいい人で、貧乏だけどわたしをとても愛しています」と彼女が言ってくれたことが余計に白々しい。

はるこちゃんとの歌の場面も素晴らしく、瀬央さんだけが思ってる夫婦の在り様の一方通行に胸を痛めました。

こっちゃんが愛されるべき人なのはわかるし、そこに出てきた天寿さんの圧倒的な存在は確かに悲劇の説得力を持っていて、ロシアの文学というのは鬱屈して屈折しまくってるな!!っていうのが感想です。みんなめんどくさい。

鶴美さんのメガネはあかん。

城妃美伶ちゃんのヒロインはわたしの中の貧しい「ロシア文学らしい」イメージそのままで、誰も幸せになれないのがかなしい。

かもめとは。何を象徴しているのかが汲めないのがざんねん。 

 一番大切なのは名声とか栄光とかわたしが夢見ていたそんなことじゃなくて、ただ、耐えることなのよ。 

自分の十字架を背負い、その行く道を信じること。

わたしは信じています。だからもう辛くないし、自分の使命について考える時、生きていくのも怖くないわ。