茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

島本理生「匿名者のためのスピカ」(43)

島本理生が初めて挑む極限の恋愛サスペンス!

と煽られて読みましたがどこまでも島本さんは島本さんでした。 

匿名者のためのスピカ

匿名者のためのスピカ

 

なぜ、自分を監禁した男についていったのか、っていう謎が弱くて、なにかもお見通しのような七澤くんがいつ「謎はすべてとけた!」って言い出すのかとおもってたんだけどそんな場面はもちろんなくて、提示された謎が解決されるカタルシスというのも弱かったです。いや、ミステリとして読むのが間違ってるのかな。

自分が弱ってる時に、自分のことを一番におもってくれてだいじにしてくれる人が現れちゃったことが不幸だったんですよね。

あの時彼に出会ってなければ。

一人で乗り越えられたかもしれない。

ヒリヒリするような感情がやっぱり切ないんだけれども「極限の恋愛サスペンス」色によって一気に陳腐になってしまってるのがざんねんでした。

いびつな親子の関係というのはどこにでもあるものなのかと暗澹たるきもちに。

文中出てきた、アトピーの娘の腕を睡眠中にヒモで縛るエピソードは、アレルギーっ子を持つ親としては他人ごとではなく、化学的なものとかを一切拒否してしまう心理とか食べ物を極端に制限してしまうこととか、ああ、身に覚えがあるのでほんとかなしかったです。ただでさえしんどい子育てに、子供がアレルギーっていう負荷が加わるとものすごく過酷なことになりますよね。

スピッツの「スピカ」わたしも知らなくてショックだった・・・「楓」は知ってるのに。わたしの青春の風景の中にスピッツは確かにいたのに。

スピカといえば「ふたつのスピカ」しか思い出せない。