茶の間でおま。

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伊坂幸太郎「ジャイロスコープ」(44)

デビュー15周年記念オリジナル短編集文庫本。 

ジャイロスコープ (新潮文庫)

ジャイロスコープ (新潮文庫)

 

「浜田青年ホントスカ」はアンソロジで読みましたが、それ以外は初読みでした。

巻末に15周年に際しての伊坂さんのインタビューが掲載されててそれが一番おもっしょかったですwいわゆる「第一期」についてもなるほどご存知のようでwww第二期はご本人も読者は求めていないとわかっていながら好き勝手やってられた時期ということでwええ、そうですか、そうですね、そうやってはっきり言っていただけるとスッキリしますよね。第一期が無邪気な小学六年間だとすれば第二期は中学生活、と言われててまさにまさに厨二!合点!!そんな気がしてた!!!でもわたし的には「ゴールデンスランバー」は最高傑作だとおもってるから、これが厨二のはじまりでしたって言われることには納得がいかないです。その後の「モダンタイムス」であれれと思い「あるキング」「SOSの猿」でわたしが望むものと伊坂さんの乖離に酷く嘆いてたのは確かです。それが「マリアビートル」ではみんなの大好きな伊坂さんが帰ってきた!!って快哉を叫んでて、なるほど伊坂さんの思う壺だったわけですね。

所収されてる短編も、「ギア」なんかはああ厨二時代ですねって感じでそっとしておくしかないって感じだし、「一人では無理がある」のオチ(の割には虐待された子供たちがいる薄暗い背景がぞわっとする)とか「後ろの声がうるさい」の強引なまとめがわたしの求める伊坂さんらしさではありました。

なんだかんだでわたしは伊坂さんの15年をずっと読んできて、第一期だの二期だのなんだのと変わっていく作風に気を揉んだりしたりもしてきましたが、伊坂さんが書きたいと思って書かれたものを上手に受け取っていきたいです。