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茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

島本理生「夏の裁断」(50)

島本さんこれまた自己紹介のような本を書きましたね・・・という感想。 

夏の裁断

夏の裁断

 

第153回芥川賞候補作。

幼いころの性的虐待と守ってくれなかった母親、そのトラウマからろくな恋愛ができなくて、でもだらしのない肉体関係をあちこちで結んでそして傷つくというわたしの中の島本さんのテンプレ。たぶん彼女の抱えてる問題をこうやって時々文字にして昇華させないとだめなんだろうなとおもう。これはきっと心の叫び。嘘じゃないから痛いほどに突き刺さる。ヒリヒリする。そしてわたしはどこまでも健康な精神と健康な肉体を持っているなとおもう。

ついったで今作品についてキモは後半の教授のセリフだと言われてました。

「誰にも自分を明け渡さないこと」言われなければキモだとわからないままだったのは、わたしがちゃんと自分自身を守れているからかな。昔は自分が自分のことを一番大嫌いだったけれど、今はそうでもないから乗り越えなくちゃいけないものをきっとちゃんと乗り越えられたのだと思う。

小説を書くことで届けたい人に言葉が届けばいいとおもってると作中主人公に言わせてることと、作中作家である主人公に自炊行為をさせてるあたりが印象的でした。わたしも本を裁断することには躊躇するから。たぶん。