待望の第二弾!
前作が2004年なので、11年ぶり・・・?わたしが読んだのは2008年なので7年ぶりになるんですけど、もちろん全然覚えてないよね^^「震えて眠れ」っていうあの名セリフくらいしか!前作の二つの事件にまつわる人間関係なんかも出てくるからそれを把握するのに少し戸惑うけれども、前作の記憶がなくても無問題でした。たぶん。
今回は倒叙ミステリで最初から犯人が提示されてて、その犯人側の事情というものがわかるだけに感情移入もしてしまって、巻島さんとの対決ではついつい犯人側に肩入れしまうというwなので、最後に絶体絶命の状態で弟を助けようと打った芝居に泣きました。巻島さんがそれを汲んでくれたことにも。恐らく彼にはもっと真っ当な人生を歩む可能性があったのに、少しの躓きでそれを失ってしまったことが最大の不幸だった。躓いたって軌道修正することはできただろうに、彼にはできなかった。それが彼の弱さ。そして優しさ。
「レスティンピース」rest in peace 安らかに眠れ。
それは引導を渡す合言葉のようで、犯行が成功した夜にかかってきた電話から聞こえたその言葉に背筋が凍りました。どうして。
彼の作り出す犯罪はエレガントで、警察を出し抜いて身代金を強奪する様は痛快でもありましたが、彼が兄弟を見捨てたことは悲しくて、それを従容とした兄の想いに泣きました。きっと彼は気が済んだ。
そして彼は。
巻島と彼の対決が次回作になるのでしょうか。
「お前はそれまで震えて眠れ」
というセリフのなんというカタルシス・・・!