茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

米澤穂信「真実の10メートル手前」(8)

さよなら妖精」「王とサーカス」に続く太刀洗万智のシリーズ。時系列に並んでる短編集。帯には「フリージャーナリスト太刀洗万智の活動記録」って書かれてる。 

真実の10メートル手前

真実の10メートル手前

 

よねぽんはやっぱり短編が好きだ。

少し素っ気ないラストの余韻が後をひくから。

「真実の10メートル手前」一本の電話から彼女がどこにいるかを突き止める。

「正義漢」事故ではなく事件であることを見抜き、犯人を炙り出す。正しい「確信犯」

「恋塁心中」高校生二人の心中の背景にあったもう一つの事件。心中の原因ではなく、なぜ心中を図った二人が別々の場所で発見されることになったのかという点がメイン。心中の原因もひたすら胸糞わるいんだけれど、それについてはどうでもいいのだというスタンスが余計に後をひく。

「名を刻む死」人の死にかかわることになった中学生のやさしさ。

「ナイフを失われた思い出の中に」20歳の幼い母親が大きなスイカを一玉与えて幼児を暑い部屋に置いて出かけた間に起きた殺人事件。フーダニットであるけれども犯人が誰であるかは重要ではなくそこに介在する優しさがメイン。事件そのものもその背景も凄惨なのにそれについてはさらりと触れられる程度でだからこそ凄惨さにゾッとする。

「綱渡りの成功例」コーンフレークに牛乳をかけて食べて三日間の飢えをしのいだ、という事実から導かれる真実。黙っていたことが明らかにされることによって救われた夫婦の誠実さ。