茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

有川浩「倒れるときは前のめり」(13)

最近の有川さんの饒舌さがあまり好ましくなくて少し斜めから、しかも駆け足で読んだのですが、言いたいことがたくさんある人だからこその饒舌なんだろうなと少し納得しました。 

倒れるときは前のめり

倒れるときは前のめり

 

同世代だし新井素子愛読者だし、わかるわかるわかるううううってバシャバシャ写メ撮る文章があちこちにあって(最近は本に付箋張らずに画像に残す)(べんり)でも違うところもたくさんあって、御大についても、わたしはもう胸やけしてしまって昔と同じ気持ちでは新しい文章を読めないなぁっておもってるから。でもしをんさんとか万城目さんとか湊さんとかシゲアキとか、出てくる作家がわたしの好きなひとたちばかりだったのは盛り上がった。それから、読書がエンタメだというスタンスが同じだった。この世に存在する様々なジャンルの様々なエンタメを網羅するなんてことは不可能だから、自分で取捨選択したものを可能な限り取り込んでいきたい。本を読むということもそのことのひとつ。「ためになるから本を読むわけではない。遊びとして本を読んでいるのに糧を得られることがあるから読書は素晴らしい」のである。まさに。楽しいのに得しちゃう。「私の世代、読書は素晴らしい遊びだった」まさに。活字でこれだけ淫することができるのは省エネだしみんなももっとすればいい。楽しいから。その楽しいエンタメのジャンルが、今危機に瀕していて、そのことをなんとかしようと有川さんは饒舌にならざるを得ないのだ。本を買えと。映像化に文句をつけるなと。どれも、活字の分野を守るための手段であって、事態は逼迫しているのだと。