茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

万城目学「バベル九朔」(20)

まきめさんデビュー10周年ですって。 

バベル九朔

バベル九朔

 

ううううん、「とっぴんぱらりの風太郎」くらいから変わってきたと思われたまきめさんの作風がやっぱりわたしには受け入れがたく。

まきめさん、獲りに来てるなっていう印象なんだけどその新境地が果たしてこれまでのファンにちゃんと受け入れられてるのか。わたしは否、だ。この感じはあれに似てる、伊坂幸太郎のあの時と同じだ。

長くやってると書きたいものとか文体とかも変わっていくんだろうけど、その変化を柔軟に受け入れられないのがわたしという読者なんですよ・・・今回も1/3自伝小説でキテレツな設定なんだけど、それでもホルモーの時やプリンセストヨトミのようなエンタメ色が薄くてその薄さが物足りない。さびしい。

たとえば人は夢を見てるのではなくて無駄を見てるのだという表現であるとか、才能とは向かい続けることであるという文章に心は惹きつけられたのだけれども。

しがみつくでもなく、他に浮気するでもなく、当たり前のように淡々と何年も何十年も向かい続けることが立派な才能なんだ

ちょうど、わたしの恋はやっぱり長続きしなくて四年周期のオリンピック女なんだわって自嘲してた時だったので余計に沁みました。わたしにはその才能がない。ヅカオタに出戻って三年ほど。ほらね。やっぱり四年くらいがわたしにはちょうどいい。来年からは高校野球にも出戻る予定なのでこれまた昔の道を同じようにたどってる。もうアルプスに制服では座れないけどね。

ああ、そうだ、もりみーの「四畳半神話大系」を彷彿させたのだった。