道尾さんの最新作読んだー。
彼の動機がせつなかった。
ほんとうに彼はそのためだけにあれだけの事件を起こしたんだろうか。
彼にとって母親というのはそんなに大事な存在なんだろうか。
・・・大事なんだろうなぁ。
誕生日を母親と過ごすということにこだわった結果、いろんな人を傷つけたことを彼は気づいてるのかな。
それでも、自分というキャラクタを作り上げて、そのキャラ設定どおりに生きることで自分の心を守ってきたんだっていう彼の悲痛な叫びがかなしかったです。だってまだ14歳だもの。中学二年生だもの。ひとりで生きていく強さなんて、身につけなくて、いい。誰かに甘えて生きてていい。助けてほしいよ、ってその言葉を言った彼の勇気がどうか報われますようにと願わずにはいられなかったです。
心に刺さるエンディングに至るまでの物語が、その切なさに見合わないくらいにチープで愚鈍で凡庸としていてどこかコミカルでそのことに騙されていたのかもしれないとおもわせられるほどだった。そうか罠だったのか。