茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

月組バウホール「FALSTAFF」

バウ公演行ってきましたー。

Banditoぶり??とおもったけどA-ENぶりでした。バウホール狭くて見やすくてとってもよかった。10列から15列くらいって舞台に立ってる人のちょうど目線じゃない・・・?いっぱい目線が合ったような気になれてほんとにしあわせでしたwww(その気になったもの勝ちである

コメディという謳い文句に偽りなくてまさに「笑ってはいけないロミオとジュリエット」であった。だいたいありちゃんがたいへんそうだったんだけど、ちょっと堪えきれてなくて素で笑ってる時があった。客席は思う存分笑うことができてよかったです。

麗しのティボルトさまはやはり麗しくて、長政さまから始まったとし子センパイのびじんっぷりがまだ継続していてスチール見たときからハートを射抜かれてましたがそれが動いて踊ってセリフを発して歌っているのを見るともうだめでしたいろいろ。

ティボマキュとして界隈をにぎわせていた二人は、想像以上でした^^冒頭のロンドンの酒場でのふたりがこの上なく楽しそうだったんだけど、いったいどうしたのだと。ティボマキュだとどうしてもれんこんちゃんが懐いてるようにしか見えなくて、あらあらまぁまぁって感じでしたが、あの二人一回りは年の差あるよね、ぜったい。やっぱり研13のティボルトさまはおとなすぎた。いろんな意味で。ロミオとジュリエットとあとマキューシオの弾ける若さが眩しすぎて、ティボルトさまはいぶし銀だったよね・・・融通の利かない大人。がちがちの固定観念に縛られたふこうな人。愛した人が憎い敵であっても揺るがなかった若いふたりとは全然違ったその頑なさが絶望的だった。マリーゴールドだね。分からず屋のおとながかなしい。柔軟な若人が、自分の愛した人の家族も愛そうと言うのを鼻で笑い、意固地なまでに受け入れようとしなかった。そんなティボルトのロミオに対する「小僧!」と吐き捨てるセリフがさいこうだった。黙れ小僧。戯言を言うな。くだらない。とし子センパイのティボルトは、生きることに必死すぎてしあわせのカケラもなくて、ただ生き急いだだけの人生がかなしかった。

そして抜いてしまった剣は引っ込みがつかず、マキューシオのからだをその剣で貫いてしまったことに狼狽えてるのが無様だった。覚悟がないなら剣は抜くべきではなかったし、軽々しく振り回すべきではなかった。

それでも亡骸に接した叔父と叔母がその死を心の底から嘆き悲しんでいるのがとても感動的だった。わたしたちの知ってるロミジュリの世界のティボルトは、どこか狂気に侵されていて、そのことを持て余し気味な感じがなおさらに孤独を深めていたように感じられていたのだけれど、この世界のティボルトはちゃんと家族として愛されていたと思えたからよかった。しあわせそうには見えなかった彼にも、想ってくれる家族はちゃんといたのだというそのことが救いだった。ジュリエットに懸想するとか、叔母といかがわしい関係にあるとかいう余分な設定がなかったせいかも。ただおのれでおのれをがんじがらめに縛り付けてる様が窮屈そうで息苦しそうだった。もう少し肩の力を抜くことができればよかったのに。

というティボルトと正反対のところにいたのがマキューシオでしたね。れんこんちゃんの軽妙洒脱なマキュはほんっっとうにすばらしかった!彼もまた生まれた時から背負わされた業に苦しんでいただろうに、クソッタレな世界なんて滅びればいいって思いながらも人生を謳歌していたのに。いつだってティボルトを挑発し、やれるもんならやってみろよできもしないくせにこの腰抜けのオッサンがってきっとおもってた。そして本当に刃を突きつけられたときも、彼はそれを認めようとせずにクソッタレの世界よりも自分が先に死んでしまうことを認めなかった。

その彼の死がすべての引き金となって、彼のおもうクソッタレな世界はようやく終焉を迎えたのだ。悲劇。主役のふたりは死ぬことなく生きて結ばれたけれど、それでも亡くなったふたりはもどってこない。悲劇は悲劇だ。

そのふたりが、あたまに天使の輪っかをつけて全開の笑顔でフィナーレに出てきたときには客席で頭を抱えました。どうしてもハッピーエンドということにしたいこの世界の強引な辻褄合わせがゆるせなかった。犬猿の仲だったふたりが天国で仲良くじゃれ合いながら暮らしてるとおもえば、しあわせなきもちになれる・・・わけあるかい!!!!!

それはそれ、これはこれである。いや、いいけど。れんこんちゃんに懐かれて困惑気味のティボルトとかさいこうでしかなかったし。肩に腕を置かれてイラっとしつつも振りほどけないティボルトの大人具合とか、ドヤ顔して俺たちマブダチ~ってにこにこのマキュの幼気なさとか、はしゃいで両手つないでぐるぐる回ってうわああああああ!!ってなってるティボルトとあはははははは~なマキュの無邪気さとかな・・・可愛いの権化であった。

あと特筆すべきは二幕冒頭のダンスだろうけど、カラーの違う月組ダンサーふたりのぶつかり合いは壮観でありました。重心低いとし子センパイがカッコよくて誇らしい。舞台の上のこの人をみるたびに誇らしいきもちでいっぱいになれることに感謝する。自慢の贔屓です。ドヤ。ドヤドヤ。

憎しみの産湯を歌い上げるソロも感無量でありました。コメディの物語において一人重厚な場面を担っておられましたが、笑顔を封印されたことによって冒頭の「客の男」とフィナーレでの天使ちゃんのはじける笑顔がさらに印象深くて、わたしあんまりギャップって言われることに否定的なんだけどでもまさにその落差に心がふるえてしまうのは事実だった。緩急つけた絶妙な配球にぐうの音も出ないっす。手のひらで転がされるの本望っす。だいすきっす。

・みくちゃんの退団公演みられてよかった。

・マギーさんさいこうだった。おもしろかった。たのしかった。さいこうだった。元ネタであるフォルスタッフを全然知らないのでシェイクスピアの世界における嫌われ者の脇役というのがわからなくて、こんなにもいい人なのに!!って納得いかなかった。いい人だった。

・ギリギリのおかっぱ頭がかわいかった。ご一行様の中で一番荷物を持たされてそのトランクには黄色い花を咲かせてたのかわいかった。

・ぐっさんのタイツアンドかぼちゃパンツもベリーキュートだった。ギリギリとの凸凹コンビ。口下手なギリギリに対して減らず口のぐっさんという対比。

・ロンドンの酒場の場面でのいつメンたちの絡みがかわいい。1789のお衣装にジャックちゃんふたたび・・・!ってなったけどあの取ってつけたお帽子が気になってしょうがなかった。私物じゃないよね()みんなが蜘蛛の子を散らすように逃げていく中で最後まで舞台に残ってるるうとし可愛い・・・貪欲な上級生たちかわいい・・・うわぁぁぁって叫びながらまろび逃げるのかわいかった・・・声が高いのあかんやつや・・・

・カテコ挨拶の時にるうなつとしで手をつないでキャッキャしてたのもかわいいが過ぎた。上級生たちのかわいさにさんざん転がされました。