茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

湊かなえ「山猫珈琲」上下(15)(16)

湊さん初のエッセー集読みました。 

山猫珈琲 上巻

山猫珈琲 上巻

 

 

山猫珈琲 下巻

山猫珈琲 下巻

 

タイトルから思い浮かぶのは学生時代に何回か行ったことのある学校近くの「山猫軒」というお店。懐かしい。竜安寺の近くという立地の割にはいつも空間が広かった気がする。でもそれよりもしょっちゅう行ってたのは東門出てすぐの「無限洞」だったっけ。ぶ厚いトーストをよく食べてた。あと女子大生っぽいことしたい時は「まざあぐうす」行ってお昼ごはんにケーキセットとか食べてた。でもだいたいは学食行ってたかな。わたしは産社の学食がテリトリだった。もしくは存地下。または以学館。ああ、懐かしいね。ぜんぜん本の感想じゃないんだけど、阪神大震災の時わたしは学生で、震災の影響をなにも受けず呑気に生きていて、でもその年の年末に神戸に初めて開催されたルミナリエを見に行って、うねるアスファルトの歩道にひどくショックを受けたのだった。でもそれだけだった。なにひとつ行動に移せないわたしはほんとうにつまらない人間だった。「絶唱」の中で境界線の内側と外側について言われてたけど、わたしはいつだって外側の人間で、いつか内側に立った時どんなことを思うんだろうと、まだ他人事のようにおもってる。

なんてことを、読みながらつらつらと思い出してた。やっぱり同世代の作家さんだからかな。作家になるまでの軌跡と山登りと自転車とトンガ。それらの中にわたしとの共通項はないんだけど、でも見てきた風景とか思ってきたこととかが似てるんだろうなって感じながら読んだエッセー集でした。