茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

米澤穂信「いまさら翼といわれても」(29)

よねぽんの古典部シリーズ見逃してたー。

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ほらわたし最初からキャラ立ちすぎてる小説ってあんまり好きじゃないんだよね(ごめん)「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」が口癖の省エネ(中二病)男子高校生が日常の謎をいやいや解決するとか、黒髪清純派美少女がつぶらな瞳で「わたし、気になります」っていう必殺技を繰り出してきてそのたびにくだんの省エネ少年がクラクラするとかさーなんていうかさーもうさーーあざとい?っていうかさーー(ごめんて)っていう第一印象がどうしても払拭できなくてお互いに不幸だったんだけど、ごめん、やっぱりよねぽんはよねぽんやわ。どんだけキャラがあざとくてもおもしろかったわ!!!*1

その省エネ高校生がいかにしてそこに至ったかという物語は胸が痛かったです。バカ正直に生きてるだけなのに人にバカにされてると知った時の絶望。そりゃやらなくてもいいことならやらないし、やらなくちゃいけないことだってちゃっちゃとやろうっておもうよね。やらなくちゃいけないことをちゃんとやるのがすごいわ。えらいわ。なんだかんだ言うてもやっぱり優しいひとなんだよね。しょうがないよね。わたしはこいつ便利だからなんでも押し付けようって思われてるのが透けて見えた途端にシャットアウトしてぜったいにやらないから。自分からやるのとやらされるのってぜんぜんちがうから。いつもみたいにあいつにやらせておけばいっかー、って思われるのが癪なのすごいわかる。ぜんぜんやってもいいんだけど、やることはやぶさかではないんだけど、でもそう思われてるってことに耐えられない。わかる。お姉ちゃんは何者か。

あとはやっぱりいけすかねー女子だとおもってた(ごめんて)彼女が、背負うには重すぎるものを背負う覚悟を持っていた彼女が、唐突にその重みから解放されて翼を授けられたところで、ハイそうですかと素直に喜べるわけがなかろう!!!!っていう地団太。わたしなら踏みまくるその地団太を踏めない彼女の。うん。ごめん。

なんていうかよねぽんがさ、こんな青春のお話を書けるってことに軽く嫉妬するよね。

*1:いちばん好きなのセリフは雷に三度打たれた先生の話の時にふくちゃんが言うた「サンドダー」です。しばらくは思い出し笑いできる。あと、同じ編の中で、なぜ省エネの彼が自ら謎を解明しようとしたのか、気になったのか、それは知らないことによって誰かを傷つけてしまうことを避けようとしたからというその優しさに、完全に、してやられました。