茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

「白夜行」

ずっとあたためていた映画を見ましたー。*1

わたしの中のベストオブ東野圭吾。ほんとにこれが直木賞とれなかったのは東野さんじゃないけどやさぐれたわ。まさに無冠の帝王だった。わたしが加賀シリーズをよしとしてないせいもあるけど。*2加賀恭一郎は東野さんの中ではいわば刑事のアイコンであって特別なキャラクタではなかったはず。ただ刑事の設定を考えるのがめんどくさいから出てくる刑事は全部加賀恭一郎でいいやって感じだったとおもうんだけど。間違ってたらごめん。

ドラマも見たけどこいすけと田中圭ちゃんが出てるというわりにはあんまり記憶に残ってなくて、がっかりした印象しかない。これは雪穂と亮司というふたりが言葉を交わすことなくずっと寄り添って生きていく人生を描いた昏い世界に身を浸らせてこみ上げてくる感情のままに揺さぶられる物語なのです。なので雪穂と亮司には言葉なんていらない。あの時どう思っていたとか、今なにを想っているとか、そういう説明は一切必要ない。ただ彼らのヒリヒリとした日常が、どこか皮一枚でこの世とつながっている彼らの毎日が綱渡りで過ぎていく様を、同じように息をつめて見つめるのが醍醐味だった。映像ではその分表情が見えてしまって、だからこそその感情を一切排した物語の妙というものが歪められてしまってもどかしく思うのだろうと勝手に心配してたけど、でも感情をあまり出さない二人のお芝居は活字で見た世界ととても近いところにあって、とても緊張感にあふれていた。皮一枚でつながっていた世界から、最後に亮司は墜落してしまうけれど、それでも雪穂は生きていくのだ。その過酷さと強さに目眩がする。

青酸カリを飲んだ彼女の死にざまが凄まじくて息を呑んだ。凌辱されて死んだように生きてる妹がやってきた大嫌いな義姉の裸体にしがみつくシーンもとてもよかった。排除すべき存在を亮司にレイプさせすぎだって思うけど、でもそれは心を壊すにはそれが一番有効な方法だと経験によって知ってるから。亮司は性的不能なのにそれが可能なんだっけ???また原作読みたい。

堀北真希ちゃんはどうしてもあの最後のシーンでは若すぎた。今なら菜々緒さまとかで見たいかも。

*1:レコ様に放置していただk・・・

*2:だいたい東野さんは映像にひっぱられすぎ。ましゃも阿部ちゃんもすきだけどさあ!