茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」(15)

瀬尾さんんんんん;;;;;;;;

books.bunshun.jp

めちゃめちゃ泣いた。出てくる人が(ほぼ)みんないい人で(意地悪な女子高生とかいたけど)優しくてなにこれこんな世界がほんとにあるの?ファンタジーじゃないの??ってべそべそ泣きながらもその優しい世界に存分にひたりました。だってそんな血のつながらない義理の父と娘が一つ屋根の下で一緒に暮らすとそんなんぜったいアレじゃない、いったいなんだってそんな善行を施す義理があるっていうのよ、相手は女子高生だよ?????(汚れきった大人

それなのに、結婚したら娘までできた、ラッキーだっていう人たちばかりだったのがほとにどこまでも優しかった。優子の性格というのもあったんだろうけど、変化を受け入れて、それを苦だと思わずにいつだって幸せだと思えることのできる強さだったのかな。梨花に対して淡泊だとおもってた森宮さんが実はそうではなかったのだと気づくくだりで号泣した。そんなわけないのに。父親ではなく母親を選んだという最初の選択がむごかったけど(年端もいかないこどもにそんな選択はむりだ)(そのことを誰かのせいにしてしまえば楽になれたこともあっただろうに、自分でした選択だからこそすべての責任も自分でとるしかないそのむごさ)それを乗り越えてきたのはほんとに強さだったのかな、鈍感力というやつだったんじゃないかな。学校で人間関係に躓いても、たいしたことじゃない、っておもえるのは感情が鈍磨してたんじゃないかな。だから森宮さんの気持ちにも気づかなかった。早瀬くんがほんとはピアノを弾きたいと思ってることにきづかなかった。梨花が病気だったことにもきづかなかった。父親からの手紙も読まず、会わないことを選んだ。無意識に我慢してきたであろうことを、我慢しないですむ日々の始まりだ。幸あれ。

 

(追記)

山本賞の講評で石田さんがこの作品について出てくる男性に性欲がまったくないというリアリティのなさを挙げてらっしゃったことに憤怒いたしましたが、確かにわたしもこれはファンタジーすぎるとおもったけど、でもそれを男性の講評者が言うてしまうことのきもちわるさが堪らんかったです。このあとに読んだのが「路上のX」だったから余計に。