茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

月組「夢現無双/クルンテープ」

だいすきな月組90期の最後のおふたりの退団公演ということで、千秋楽に行ってきました。

月組公演は去年の「カンパニー/BADDY」ぶりです。雨にも風にも負けなかった桜がまだ少し残っていて、時折風にあおられて桜が舞うのがとても美しい、青空の広がるお天気の良いとても佳き日でありました。ご卒業、おめでとうございます。

予習もいっさいせず、ノーオペラで見ました。わからない部分もたくさんあったし、知りたい部分もたくさんありましたが、それでもお芝居ではひびきちゃんのラストシーンの拍手と、くれあちゃんのせり上がりの拍手には胸がいっぱいになりました。ショーでは美弥さまを除く三人での銀橋渡りなどで見せ場もたくさんあって、手厚い退団者待遇に感謝感激。特に娘役のダンスシーン(素足で踊る場面だったかな。そういえばひびきちゃんは裸足で踊りたいってずっとおとめに書いてたなってことを思い出したり)で、さち花ちゃんが跪いて手を差し出し、そこにそっと手を載せるくれあちゃんという場面がさいこうに感動的で、去り行く月娘から残る月娘へと引き継がれる様がとても素敵で、ヤンさんの振付だということで心から感謝の気持ちを。なかなか娘役でああいう場面ってないんじゃないかな、ってくれあちゃんもまた月組を代表するアイコンであったのだと誇らしくなりました。これでもうるうなつの次は91期のゆりさち花なんですよね。その下には92期の華蘭ちゃん。その事実に愕然とする。上級生たちがいなくなってしまうのはほんとうにさびしい。 

そのかわりに台頭してくる下級生たちの活躍に目を見張りました。特にありちゃんとおだちん。すっかり立派な番手付きです。若さの中に頼もしさもあって、こうやって月組はつながっていくのだなって、さびしいけれども楽しみなこともあるのだと安心しました。それからるねれんこんコンビ。かつてのとしゆりを思い出す。一回だけの新公主演経験というのは呪縛にも救いにもなるものだなっておもうけど、それでもそれが楔になればいいなっておもうから、だから二人にはなおさらに頑張ってもらいたい。そしてひとり残ったゆりぴょんです。残ってくれたのがゆりぴょんでほんとうによかった。変わらない佇まいに泣きました。階段降りでるねれんこんを従えて真ん中を降りてきたのも、ああそうなんだなってとっても納得したし、きっとそういうことなんだとおもう。よかった。今も月組にゆりぴょんがいてくれてほんとうによかった。

ありちゃんとおだちんは、遠慮がちだったのが影をひそめてガツガツと前に出てくる感じが素晴らしく力強くてため息が出た。もう下級生のバブちゃんなんかじゃない。A-ENの時のあのありちゃんじゃない。くれあちゃんとの思い出を語るにA-ENは外せなくて(はるきゅんとか!)あの公演は今思えば宝物みたいにキラキラした想い出になってるなって。組長さんだったくれあちゃんと、最下だったはるきゅん。奇跡の座組だったね。おだちんの更なる飛躍を期待する。

サヨナラショーというものを初めて経験しました。大劇場でペンラを振るのも初めて。ペンラはVoice以来かな。組長デビューのるみこさんの言葉に会場から嗚咽が漏れたのを聞けたのはきっと稀有な経験。その後に流れたBADDYの音楽に体中の血液が沸騰するかとおもいました。まさかまた大劇場でこの音楽が聴けるなんて・・・!グラホもとってもだいすきな月組の作品。まさかチャールストンをまた大劇場で観ることができるなんて。なんて。なんて奇跡。美弥さまありがとう。そしてその風景の中にわたしのだいすきだった人の姿はなく、れいこちゃんがいるという不思議。わたしのだいすきな作品はだいすきだった人の想い出なはずなのに、この音楽とダンスにあの人は不可欠なはずなのに。でもそこに姿はなくて。いろんな感情に引きずられてとても心が忙しかったです。ジェットコースターみたいだった。これは美弥さまからの最後のプレゼント。美弥さまと一緒に月組を観てきたわたしたちへのプレゼント。今はいないたくさんのかつての月組子たちとの想い出を、一緒に振り返ることができてとてもしあわせでした。ありがとうございました。美弥さまを除く三人の退団者が銀橋渡りで歌ったのはAFOで、くれあちゃんは当時大劇場公演を全日程休演されたのでわたしはAFOのくれあちゃんの姿を見ることはかなわなかったのだ。だからこそまさか大劇場でAFOを歌うくれあちゃんが見られるなんて。きっとそういう意味も込めての選曲だったんだろうなって、ひびきちゃんと音ちゃんには勝手に感謝のきもちを送っておきますwまさかの同期同時退団に、いったいどういうことなんですかって早く誰か文句言ってくださいよ!!!!!

それからあの時にはかなわなかった千秋楽の月組大ジャンプもちゃんとできてほんっとうによかったです。思い残すことはありません。あの時に昇華できなかった想いがようやく成仏できたような気がします。あの時見ることができなかったもの、聞くことが出来なかったもの、立つことのできなかった場所。それらを得ることができて、ほんとうにありがたかったです。