茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2023年2月号

・読んだ本

小川哲「地図と拳」(10)
第168回直木賞受賞作品。見事な鈍器っぷりに読書意欲をかきたてられました。つわものどもは夢のあとというラストシーンではその草深き廃墟にたたずむ二人を想って感慨深かったです。鈍器を制覇したという心地よさ。新しい戦前と言われるいま、負けるとわかっている戦争をしなければならないことをわかっている人間が存在することに絶望する。そういう人間がいても何も未来は変えられない。ただ、戦後の復興を見据えて暗躍する。絶望だ。戦後のために「新しい戦前」の今、出来ること。そんなことを考えてしまう絶望。

島本理生「憐憫」(11)

一穂ミチ「光のとこにいてね」(12)
タイトルにもなってるセリフがとてもよかった。なるほど百合なのかそうなのかそういわれたらそうかもしれないなというくらいにわたしのセンサーが反応しなかった。幼いころの関係性(未知の世界に触れて自分の極狭世界が一気に広がる感じ)にドキドキしたけど、大人になってからはいささか陳腐で尻つぼみ感。

方丈貴恵「名探偵に甘美なる死を」(13)
えーん、めちゃくちゃ難解だったよぅ><><そしてシリーズの前作(既読)を覚えてないのつらい><><わたしのばか><><><

青山美智子「月の立つ林で」(14)
ポッドキャストがツールとして出てくるのでいよいよ時代についていけてないなと実感。散歩の時とかに長めのラジオ的なようつべ動画を流してるんだけど、もしかしてわたしにこそポッドキャストが合うのでは??

中山七里「特殊清掃人」(15)
そもそもわたし掃除が大嫌いなので。グロ描写に動じないのほんと感性が鈍化したんだなって思い知らされてさびしい。永遠に追い炊きされる湯船で亡くなった人が溶けた人間シチューとか、うぷ、書いてたらちょっと吐き気がしてきたわ(読んでる時はそうでもなかったのに

東川篤哉「仕掛島」(16)
ユーモアミステリのユーモアの部分がわたしに合わない~~~~ってめちゃくちゃ悶えたんだけど、たまに、たまーに、たまーーーにユーモア部分で笑ってしまって、なんかすごく負けたきもちになってしまった。台風に見舞われる孤島のクローズドサークル。瀬戸内ジョークというか岡山ジョークがおかしくて、そこでちらほら笑わされたのわたしも瀬戸内の人間じゃけえ...

新井素子「南海ちゃんの新しいお仕事」(17)
御大お元気そうで何よりっす、転倒にはくれぐれもお気をつけて、どうぞご自愛くださいませ。

柚月裕子教誨」(18)
巻末の参考文献にある「秋田児童連続殺人事件」の文字。彼女に人殺しをさせたのは地元の人間たちだっていう言葉。

 

・観た映画

「イニシェリン島の精霊」
映画を観たなーという満足感。こういうのは家ではきっとぜんぜん集中できないとおもうんじゃ。淋しい時には家の中にロバを入れたくなるきもちはよくわかったし、話しかけてくんな話しかけてきたら自分の指切り落とすからなって脅す彼が、ロバが亡くなったことをこの世の重要事項だと理解してるあたりがちゃんと親友じゃんねってしんみりした。お昼からパブに入り浸る生活はたのしそうだけど、狭いコミュニティでしがらみしかない人間関係の中でどっぷりつかって飲む酒はまずそう。とおもうのでわたしもあそこでは生きていけないかな。いや、どっぷりつかれるかな...

「スクロール」
中川大志くん主演映画観ました。今をときめく若手俳優たちの夢の競演が贅沢。わたしはしんでもいいとはおもってるけど積極的にしにたいとはおもわないので、これはノットフォーミーな作品だなっていうのが感想なんだけど、こういう今を生きるわかものたち()を理解したいとはおもってるし、彼らが生きやすい世の中になったらいいなあってぼんやり願ってる。中川大志くんの顔がすきなので、顔がすきだなーとおもいながらスクリーンを見つめてたんだけど、イケメンの役者さんのジレンマというのはあるんだろうなって想像した。ただ顔がいいだけの人間は顔がいいという印象を決してプラスに残さない。気がする。そのひとをすきになるのはもちろん顔が一番だけど(顔が一番)それは決してイケメンか否かってことが第一条件ではなく、好みの顔かどうかってところだし、好みではないイケメンというのがこの世に多数存在する上、役者という特殊技能を持つ人種においてそのイケメンであるというのは決してプラスにならないんじゃないかな。心に残らない、心が動かないイケメンっていうのは存在する。なんてことをつらつらと考えた。また女を壊したのかって言われる中川大志くん(の役)がメンヘラ製造機すぎて苦笑いした。女を壊さないで。

「バビロン」
ブラピ主演映画観ました。サイレント映画の大スターが、時代が変わっていくことに頑張ってついていこうと努力するんだけどでもできなくて、そのことに絶望する姿がせつなかった。ブラピは悪くない(わたしはファンなので)人はみんないつかは死ぬけど、作品をいくつも残したあなたの姿は永遠にフィルムの中で生きると言われてもなんの慰めにもならなかったことを彼女と同じようにわたしも残念に思う。まったくもって遺憾。マニー・トレス役のディエゴ・カルバがチャーミングでときめいた。映画の世界で活躍してスーツを着こなし髪をオールバックになでつけた姿が最高にイカしてた。生き生きしてた。なのに映画の世界から去った彼が昔を懐かしんでLAに戻ってきた時、そのイケてなさにびっくりした。あんなに輝いてた彼はどこに。彼だけがマフィアに見逃してもらえたのはちょっとありえなくない??っておもったし、LAに戻ってきたら家族もろともころされてしまう!逃げて!!ってすっごいしんぱいしたのに全然平気だったのマフィアの人たち穏健派だったのかな。「ラ・ラ・ランド」よりはわかる。っていうのが感想です。あと、スカトロはまあいいけど、ゲロ痰吸血のシーンがわりと無理で何度かえずいた。

 

・買ったもの

旅に出るとき用にnew balanceのスニーカー買いました。東京旅も京都旅もブーツだったので、靴の消耗が激しく、あとやっぱり足への負担が大きかったので歩きやすいやつがほしいなーと思って。最初買った値段で選んだ某ナイキのやつは何度も試し履きしたつもりなのに指が痛くなって手放した。やっぱり物を買う時に値段で選んではいけない。学んだ。さー、旅に出ていっぱい歩くぞーー。

悩んでグレーにしたけどかわいい~~。