・読んだ本
江戸川乱歩「悪霊」
未完の原典を履修しました。なるほど、ここからのアレとはさすがの芦辺拓先生...!とさらに畏敬の念が深まる。原典だいじ。犯人が誰かということが分かっても、トリックに納得がいかないとだめだし、あの記号のようなイラストの正解もほんとのところが知りたくなる。江戸川乱歩たら罪作り。
辻村深月「傲慢と善良」(36)
読んだような気がするんだけど記録にも記憶にもないので再読カウントせず。でもたぶん読んだ。映画化すると聞いて。読んでからキャストを見たらがーやと奈緒ちゃんだったので、おおおー、と新鮮に驚いた。特にたいぴちゃんはぜんぜん想像してない角度から来た感じで、解釈違いです!!!と怒るような感じでもなく。婚活してないのでめちゃくちゃフィクションだとおもって楽しく読んだんだけど、刺さる人にはぶっ刺さるっていうのもわかるけどたぶんちゃんとわかってないんだろうなあ。
貴志祐介「兎は薄氷に駆ける」(37)
父親の雪冤のために自らが被疑者として法廷に立ち、冤罪を作り出すというまさに薄氷の上を駆けるようなハラハラとした展開がスリリングでおもしろかったです。きっとすべてが計画されたことで、彼の思惑通りにコトは進んでいくんだろうなって信じてはいるものの、ほんとうに?ちゃんとうまくいく??この弁護士は信じていいの???と何度も疑わされたので、最後はちゃんと(ちゃんと)うまくいってよかったです。しかし後味の悪さよ。
佐藤正午「冬に子供が生まれる」(38)
ものすごく混乱しながら読んだけどこの混乱が彼らの感じてる混乱なんだろうなと分かってくる。語り手がだれなのかわからないまま、混乱したまま読み進めたのも混乱が深まる原因だったと思う。計算された混乱。UFOや入れ替わりなんていうSFに落ち着くのかとおもいきやそうではない、ということになった(のだとおもう)湊先生が書いた小説という体がわかって最初から読み返して少しスッキリした。
東野圭吾「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」(39)
ひえー、シリーズものの前作を読んでいなかった!不覚!!しかし前作未読でもまったく問題なかったです。覚醒とは言い過ぎでは?とはおもった。
雨穴「変な絵」(40)
5枚の絵をつなげるやつはちょっと無理がありすぎるのでは????????とおもたけど、ユキちゃんという人物ですべてがつながっていく物語の展開はおもしろかったです。ママって呼ばせる64歳のおばあちゃん怖いので自戒を込めて。
万城目学「みをつくし戦隊メトレンジャー」(41)
まきめさんの文フリ出品作品、大阪でしか買えないということで完全に入手を諦めてたのですが(諦めることには慣れてるの^^)(ほら城崎温泉でしか販売してないやつとかもあったじゃない)ここのところ関西方面へ出かけることの多かったわたくし、ようやく買えることに気づいた次第。遅い。いいなー、文フリ。まきめさんに会えるなら次回は買いに行きたい。ってこれぜったい次回作あるよね??ブルージャイアント出てきてそれで敵か味方か!?ってところで終わりとかそんな殺生なことしないよね??っていうか出てくるフルーツあんみつはどこのやつですか、丸福珈琲でパンケーキ食べますね!!!
・Huluで見たやつ
ドラマ「早朝始発の殺風景」
原作既読。大人がほぼ出てこない若者だけの物語。とてもすてきでとてもすき。とてもよかった。文字で読む分にはそこまで気にならなかった(気にならないとは言ってない)殺風景という苗字が、音で聞くとどうしてもやっぱり違和感で、素っ頓狂な苗字をつけたがるミステリ界の風潮には反対ですねえ。
ドラマ「鬼平犯科帳 本所 桜屋敷」
松本幸四郎の鬼平を地上波に先駆けて配信で見ましたー。先だってゴジコンを映画館で見た時に劇場版鬼平の予告映像を見て、吉右衛門さんそっくりなその口跡に泣きそうになったのでした。吉右衛門さんの想いではだいじに胸に、また新しい鬼平が見られるのはとても楽しみです。あとはなんと言うても染五郎の若平ですよ。親子共演に胸熱。老練な鬼平と違って若さが先走る本所の銕という触るもの皆傷つける尖ったナイフような繊細さと無頼さ。刹那のきらめきにヒリヒリとした熱を感じた。ただひとつショックだったのは、あたりまえなんだけれどもエンディングがジプシーキングスではなかったこと。やっぱり違うものなんだなと思い知らされてツラかった。時代劇と言えば底抜けに明るというイメージがあるんだけど、鬼平は決して勧善懲悪のお作法だけに乗っ取った時代劇ではなく、こういう楽曲ひとつとっても異質な作品だったなって改めてすきを噛みしめる。
映画「外事警察」
朝鮮半島に持ち込まれた核爆弾に日本製の部品が使われていたことは必ず隠さなくてはいけない。
・観た映画
「鬼平犯科帳 血闘」
鬼平の始まりを知らなかったので、恐らく原作の始まりであるところを映像化してもらえたのありがたい。無頼漢であったという長谷川さまについてその実際を知らなかったので、本所の銕でそれを目の当たりにしてなるほどこれは鬼であるなと納得した。その若き頃のツケを払う羽目になった長谷川さまおいたわしや。妹と慈しんだ存在が傷つけられたことに憤り、かつての想い人を傷つけた敵の息子と対峙するという皮肉。自業自得という文字が脳裏に浮かぶ。悪を知って外道に落ちるか、悪を知って外道を憎むか。同じ穴の貉であったふたりの未来は確実に別たれた。さて、おまさです兄と慕い、ほのかに恋心を寄せていた人間のために、狗になることを選んだおまさの恋心がせつなくて。長谷川さまは女心がイチミリもわからない朴念仁ですが、それでも傷つけられた姿を忠吾に見せまいとした細やかなお心遣いに心を打たれたし、かつての銕三郎ではないのだとわたしたちに教えてくれる。さらにその上をゆくのが久栄ですね、長谷川さまのすべてを受け入れる度量の広さに瞠目しました。その馴れ初めも知りたいところです。他のキャストではうさぎの忠吾がなんといっても絶品で、浅利陽介くんはまさに解釈が公式と一致してて快哉を叫びました。うさぎにもまだ面目があったのか。うふふ。盗賊改めの同心のみなさまも実目麗しく凛としてすてきだった。そこで異彩を放つのが柄本時生ですね、次回は時生のターン。たのしみ。それにしても鬼平はしゃも鍋や芋酒などいつも食べ物がおいしそうで、今日も帰ってからごぼうを煮ました。
「碁盤斬り」
中川大志くんの評判がよいやつ観ました。今月は時代劇祭りですね。「孤狼の血」の白石監督が時代劇に挑戦☆ということでなるほど時代劇のお作法に則らない場面などが新鮮でした。おそらくこだわられたのであろう照明の暗さの濃淡が印象的。どこにグロがくるかなと待ち構えていたので少々疲れましたが、終盤の殺陣のシーンで傷口がわりと、ええ、いたそうでしたね...しかしまだだいじょうぶだったのでだいじょうぶ。元ネタが落語の「柳田格之進」ということで鑑賞後に音声を聞いてみた。五十両をどこになくしたのかっていうのと番頭さんの首を差し出すっていうところが笑いどころであろう元ネタを、登場人物を増やし、エピソードを増やして物語に膨らませたのはすごいなとおもったので、原典を知るのはだいじ。映画は、碁も落語も知らねえやっていうわたしでも楽しく鑑賞できました。
・見たドラマ
「岸辺露伴は動かない」#9密漁海岸
今回の高橋一生くんもイケめてたねえ。露伴先生な高橋一生くんがすきになってきたので分かり合える日も近いんじゃないかなと期待。
っていうか結婚おめでとうーーー!!!いやはやもうビツクリだよ、超弩級の。高橋一生くんはもう結婚しないような気がしてたから(イメージ)それがまさかのジョジョ婚。飯豊まりえちゃんの若さにもビックリだけどそれはまあ今のところは飲み込んでおくわ。結婚後の露伴先生&泉クンに会えるの、とっっても楽しみにしてる!!