茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

「国宝」(2回目)

二回目を観てきました。

前回観てからインタビューなどを見たり読んだりしてさらに深まる喜久雄への想い。原作のようすなどもほんのり知って、これは読まない方がいいやつと判断しました。徳ちゃんがずっと喜久雄のそばにいてくれたとかそんなん孤独な喜久雄に心を奪われたわたしの情緒を乱すだけでしかないやん。それはわたしの知らない世界の喜久雄ですね^^

とはいえ、映画の中でも徳ちゃんの存在がかすかに映し出されていると聞くと、それは絶対にこの目で確認しなければならない。しかし、最後の鷺娘場面の、楽屋から出ていくときに映る暖簾が徳ちゃんの贈ったものだということしかわかりませんでした!お花は春江の名前しか確認できず。ペルシア絨毯ってどこの場面に出てたんです?原作での徳ちゃんのセリフが映画ではいろんなキャラクタに振り分けられてると聞いて、映画ではペルシア絨毯買うたげると言うたのは春江だけど、もしかしたら徳ちゃんが買うてあげたん???大人になった徳ちゃんの姿を見られなかった映画勢としても、喜久雄がひとりではなかったのだと知ることができたのは、救いだったような気がします。ちょっとだけ。喜久雄は孤独であったけど、そのことを気に病んでいるようではなかったから。そばにいる人間に感情的になったのは俊介に対してだけだったのでは?あの屋上で、なにを見てるん?と聞かれた喜久雄は、何を見ていたのか。主人公である喜久雄もまたつかみどころのない人間であり、その得体の知れなさがまとう空気感が人間離れしていたのだとおもう。喜久雄には孤独であってほしいという願望。ごめん。

喜久雄と俊介の関西弁の掛け合いがすきだと言いましたが、あのおさらいする場面の前の、二日酔いの俊介が氷水に顔をつけて水しぶきを飛ばし、おいやめろや、とウザがる場面も至高でございました。大舞台の本番前にデコピンしあって緊張をほぐしたりするのもそうだし、舞台の上での姿とまったく違う素の少年の在り方が尊いですね(合掌)そのあとに竹野にくってかかる喜久雄が「くらすぞ」ゴルァと出てきたことも確認できました!長崎生まれで長崎育ちの彼から長崎弁が消えてしまっていることに気づかなかったんだけど(関西弁がすばらしく心地よくて)少しだけ残っていた長崎の要素が「くらす」だったことがたのしかったです。*1

歌舞伎の映像がほんとうに美しくて、衣装が白から赤に、赤から白に変化するのをアングルと音楽によって盛り上げてるのも映画ならではの高揚感。道成寺の赤いお衣装で喜久雄がセリ上がってくるのを俊介が迎える向こうに見えるピンスポット。いい絵だなあと何度見てもゾクゾクする。そのあとに二人でそろって扇を指すところもカッコいい。道成寺の踊りが一番すきかな。上方歌舞伎のお話なのに上方っぽくないって言われてるのを見かけてなにひとつピンとこないのもどかしい...あと俊介の出奔していた間の映像として赤い舞台に立つシーンがほんの少し流れたけどあれがストリップ劇場だったなんてわっかんないってば!それと、パンフレット読んでてようやく気付いたんだけど宮澤エマちゃんは喜久雄の継母だったのそんなんちゃんと言うといてえや!大阪の家に来た時に喜久雄がしきりに「生みの母の遺言ですけ」みたいに言うてたん、そういうことか...って今更腑に落ちました。宮澤エマちゃんはまだ存命ということなんかな。っていうか俊介の母親も後妻なん???その設定、映画で必要!?まあそういうこととかもまるっと含めた余白のデカさが尾を引く余韻をデカくしてるのだとおもいます。いまだに春江のきもちがわからん。

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もちろん吉沢亮という役者への興味も高まっていくばかりで、一週間ずっと吉沢亮のことを考えていたといっても過言ではなかった。ドラマ初出演作品が「サイン」だと知って、DVD持ってる...!!!*2と即再生出来たのがおもしろかったです。さすがわたし。アミューズドラマで懐かしい顔ぶれの中に確かに彼はいました。17歳ですって。あと一番反省したのはこないだ中川大志くんの参観日として観た映画「ブラックナイトパレード」の主演が彼であったことです。うそ、そんなことある???ちなみにわたしのログに残ってる彼の名前は「斉木楠雄のΨ難」と「PICU」だけでした。もちろん記憶にございません。またもや役者を透明人間にしてしまっていたなと甚く反省しました。

*1:かつて佐世保出身のアイドルを推していたことがありました。「ていねいにくらす(丁寧に殴る)」で盛り上がったものです。

*2:橋本淳ファンです。