茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

京都旅vol.10

今回は南禅寺界隈と石清水八幡宮・伏見へ行ってきました。

いっぱい歩くので涼しいといいなーと期待していたのに、めちゃくちゃ暑くて日本に冬はほんとうに来るんか、としんぱいになる。雨は回避できたので汗だくになりながらたくさん歩きました!

 

Day1:南禅寺、天授庵、金地院、無鄰菴、琵琶湖疎水記念館、永観堂、熊野若王子神社、大豊神社、岡崎神社、平安神宮
今回は南禅寺の宿坊にお世話になって、南禅寺界隈を今年国宝に指定された琵琶湖疎水関連とともに一網打尽にする予定。地下鉄を乗り継いで蹴上で下車、ねじりまんぽを通って南禅会館へ。

 

 

荷物を預けてから、まずは南禅寺の本丸へ。宿坊宿泊者は三門・方丈庭園の入場が無料になります。ハッピー。南禅院も含まれるようなんだけど、現在修復中につき非公開となっていたのがざんねん。南禅寺三門は日本三大門(ほかのふたつは東福寺三門と山梨・久遠寺三門)のひとつで、威風堂々としたたたずまい。

京都検定的には石川五右衛門が楼上から「絶景かな、絶景かな」と言ったことで有名。鎌倉時代から室町時代にかけて確立された京都五山(京都のお寺ベスト5)のさらに上の別格として位置していた強大な寺院であったことがうかがえる立派さ。方丈へ向かう途中で右側に突如あらわれる水路閣にビックリする。こんなところにおったんか、水路閣!!映えるロケーションとして有名な水路閣じゃないですか!!

ほんまに境内にあって、えええええ、って声が出たw違和感がすごい。いや、すごい。写真を撮る人たちでいっぱいだったので、見学だけにとどめる。水路の上を見に行くと、第五隧道の入り口が。こちらは重要文化財

もしかしたらこの先こういった建築物も近寄れなくなってしまうかもしれないなと思いながら、こうやって間近に国宝というものに触れられることの幸せをしみじみとかみしめる。

塔頭の天授庵と金地院へ。金地院の小堀遠州作「鶴亀の庭」の鶴と亀が想像していたよりもデカくてわらったwww亀はともかく鶴は厳しいだろ。

 

向き合う鶴(左)と亀(右)

係員さんによる案内付の特別拝観に参加し、狩野探幽・忠信兄弟の襖絵や長谷川等伯の猿候の襖絵を間近で鑑賞し、八窓席の茶席も見学できた。参加者一名だったのでマンツーマンで解説いただき贅沢の極み。

インクラインの線路をながめつつ山県有朋の別荘地である無鄰菴へ。有朋公の好みで苔ではおもしろくないからと芝のお庭なのが興味深い。東山を借景に、琵琶湖疎水から引いた水の流れがダイナミック。琵琶湖疎水記念館で疎水を学ぶ。今年の京都検定二級のお題が「京都の博物館・美術館」なので。トンネルの出入り口にある扁額たちは覚えられる気がしないw維新後さびれた京都を再興しようと琵琶湖疎水を思いつき、日本人だけで土木工事を成し遂げた成果が今も現役であることに驚く。重要文化財に指定されてから国宝指定という通常ルートではなく、重要文化財指定を経ずの国宝指定という飛び級にもわいた年でした。今年は琵琶湖疎水の年ですね。

こちらは扇ダム放水路出口の扁額。水の勢いがすこしこわい。南禅寺界隈は大小さまざまな疎水の流れがそこかしこにあって、つねに水音が聞こえてくるのがわりとこわかったというのが感想です。

永観堂へ。今回はここが一番混雑してました。写真を撮ることに執念をもった人たちが多くて、写真を撮ろうという気が失せてしまうパターン。みかえり阿弥陀さまをお参りし、永観堂七不思議をチェックしました。

熊野若王子神社から大豊神社へ哲学の道を歩く。狛鼠、狛巳(本殿)、狛猿(日吉社)、狛鳶(愛宕社)をすべてお参り。法然院まで行きたかったんだけど時間切れです。南禅寺へ戻りがてら、岡崎神社と平安神宮へ寄り道。

 

岡崎界隈の美術館たちもちゃんとチェックしなくちゃなーと横目で建物を見ながら帰宿。夜ごはんは順正にて湯豆腐をいただきました。湯豆腐は南禅寺が発祥らしく、やっと京都で湯豆腐を食べられたなあと満足。

 

Day2:琵琶湖疎水、石清水八幡宮月桂冠大倉記念館、寺田屋御香宮神社、藤森神社
早めに起床して、琵琶湖疎水界隈を散歩。誰もいない水路閣を独り占めし、水路閣を流れる水をさかのぼって歩いて行くと発電所の施設があり、大きなパイプが二本通っている風景がものすごくこわかったです。

なんだろう、このこわさというのは。早朝ということもあってひとけがなく、曇り空で湿気もひどく、すごく陰鬱な雰囲気でした。こわくて足早に通り過ぎてしまった。

 

田邉朔郎像と本願寺水道水源地。

旧御所水道ポンプ室を遠目から。11月の建築祭では水源地もポンプ室も公開されるのですごく楽しみです。行く予定はまだ未定。行きたいです。前日に行った平安神宮近くの京都市武道センター(旧武徳殿)も興味があります。行きたいです。

朝ごはんは瓢亭別館です!

 

 

とても贅沢だなあと、食事と空間をたのしみました。

満腹を抱えて京都駅まで行き、荷物をコインロッカーに押し込んで、近鉄と京阪を乗り継いで石清水八幡宮へ。ケーブルカーに乗るつもりなので、京阪の京都一日券(1000円)を利用しました。お得でべんり。参道登山にも心惹かれたんだけど、この暑さではちょっと無理です、早々にケーブルカーを選択。頂上駅からも少し歩く、それだけで汗だくですよ、この湿度は殺人的。国宝の建物たちを満喫し、少しだけ参道を歩いて石清水の由来となった石清水社の石清水井へ。

ケーブルで下山してから一の鳥居を参詣し、門前菓子の走井餅を喫食。琵琶湖の民にとっては、走井餅といえば東海道名物の逢坂山の看板になじみがあるので、それがなぜ八幡へ????と疑問しかなかった。そも走井は逢坂山に湧く名水ですよね。どうやら分家したものの本家が廃業になったようですがなんとなく釈然としません。地名とお菓子の名前が一致しないのっていいんですか(喧嘩腰やめて

京阪に乗って中書島で下車、長建寺を参拝してから月桂冠大倉記念館へ。今年の京都検定二級のお題が「京都の博物館・美術館」なので(二回目)神戸・灘とここ京都・伏見で作られる日本酒が全国のシェアほぼ半数を占めるというのは知らなかったです。そういえば我が家で料理酒に使っているのも月桂冠山田錦(黒いパッケージのやつ)だったわと、ショーケースに並べられてる商品群を見てきづく。いつもお世話になってます。試飲コーナーでは、記念館でしか飲めないものばかり選び、お土産に買って帰ろうとおもたら要冷蔵だったので諦めました。くやしい。関西限定商品を購入し、この後重さに苦しむことになるのであった。重い。暑い。重い。

寺田屋へ。幕末の歴史が苦手すぎて、京都検定の勉強をするときにも寺田屋池田屋がごっちゃになり、坂本龍馬が暗殺されたのはどこだっけ、って毎回わからなくなる日本史音痴なんですけど、これで寺田屋を覚えたのでもうだいじょうぶ!ファンのひとたちの熱量に圧倒される展示だったんですけど、これが刀傷、これが鉄砲の跡、これがおりょうさんの入ってたお風呂ですとか案内されてて、ほほう、と興味深く見たのに、なんですって、寺田屋鳥羽伏見の戦いで焼失し、今わたしがいるこの建物はそのあとに再建されたものですって...?は?????ではこの刀傷や鉄砲の跡やお風呂はいったいなんなの????????世界観を構築するための装飾だったってこと?????\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/いやもうビックリっすわ、あ、そうなんですか、へー、なるほど、これは龍馬ファンのためのテーマパークだってことですか、へーーー。テーマパークのつもりがなかったのでめちゃくちゃビックリしたんだけど、それならそうともうちょっと先に言うておいてよ、ってこれみんな知ってることなんですか、わたしだけ知らなかったんですか。商魂逞しい。してやられました。いや、むしろすがすがしいです。ちゃんと寺田屋のこと覚えたので!

 

こちらは料亭魚三楼の格子に残る、鳥羽伏見の戦いの際の弾痕跡。これは本物ですよね...?って本物をこよなく愛すものとしてはこんなふうに疑わなくちゃいけないの業腹なんですが。伏見は、名水とお酒と鳥羽伏見の戦いの痕が残る町。

御香宮神社へ。伏見城の遺構とされる表門。重要文化財

これもほんとに本物ですよね?と疑ってしまうのまじで伏見の呪い。そもそも伏見桃山からして遊園地キャッスルランドの建築時に建てられたテーマパークの建物なので、呪いのつよさがパないっす。わたしは何を信じたら。境内にあった伏見城跡残石とかも、ほんとに~~~?と半笑いで見てしまうのも呪いのせい。湧き出る御香水をペットボトルに汲ませてもらいました。とても冷たくておいしかったです。

京阪に乗って墨染駅で下車し、藤森神社へ。菖蒲の節句発祥の社。アジサイと馬の神社として京都検定に出ます。わたしは刀剣界隈に明るくないんだけど、宝物殿(無料)では鶴丸ゆかりの品々が多く展示されていて、なるほど聖地なのだなとにっこり。刀剣はもちろん()「写し」なので、本物至上主義のわたしは心うごかされないのですが、ファンの人たちの熱量というものを浴びて元気が出ました。おたくは元気でなんぼですからね。幸あれ。こちらの境内でも湧き水をいただきました。名水の町、伏見。呪いがとけますように。

旧陸軍第16師団司令部の庁舎が校舎として使われている聖母女学院まで歩くも、構内には入れず遠目に見学しました。これも11月の建築祭では特別見学できるんだけど、日程が合わなさそうなのざんねん。建築祭の予定組むの、難しいな...!

京阪藤森駅への道中に疎水に気づく。

こんなところまで来てるんか、琵琶湖疎水。えらい遠いところまで来はりましたなあ。と、琵琶湖疎水の終点近くを見られて満足です。

京阪とJRを乗り継いで京都駅まで戻って今回の旅は終了です。それにしても暑かった。陽の光は弱くなってて秋を感じるんだけど、いかんせん湿度がおかしい。ベタベタとまとわりつく空気がひじょうに不快で汗が止まらなかったです。

次回は建築祭になんとか日帰りでも参加できたらいいなとおもってます。行きたい場所を選ぶのがたのしくも難しい。今年はやっぱり琵琶湖疎水関連の建築を見たいなあと思いつつ、しばらく悩もうとおもいます。