茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

シアターガイド2015年9月号

とし子センパイが出てると聞いて。

 

外部の雑誌に載るとし子センパイをリアルタイムで体験するのは初めてのことです。どうせちょろっとしか載ってないだろうから店頭でチラ見すればいっかー、って不埒なこと考えてたんですけれども、新公主演時に霧矢さんから「もっとストイックにならなければ」って言われたことをずっと気にしてた宇月さんが、今年のグラフ6月号のあのコーナーでまさきさんから「ストイックさがある」って言ってもらえたことがすごくうれしかった、って書いてあったことに店頭で泣きそうになったので慌ててお買い上げしてきました。

とし子センパイはエンジンかかるのがほんとに遅くてってよく言われるけれども、今の姿からは想像もできなくて、それでもこんな風にエンジンのかからなかった頃に言われたことをずっと胸に抱えて、そして変わろうと努力されていたってことに泣けたし、そのことをちゃんと見ててくれたまさきさんに泣けた。「できる力があったからこそ、今できる以上を求める気持ちが弱く、甘かった」と振り返る言葉にも泣いた。現状に甘んじてできる範囲でのことしかしてこなかったというのはルキーニ役で躓いた時のインタビューで言われてるけれども、そのことを見抜いて注意してくれた霧矢さんがすごいし、その言葉によって今のとし子センパイがあるのだとしたらそれはほんとに素晴らしいことで、いろんな運命に感謝したくなる。

ずっとあさこさんに憧れてあさこさんになりたいと言い続けてきたとし子センパイだけれど、それはつまり宇月颯としての個性はゼロだということで、そのことに悩んでいたという言葉に同じようにハッとさせられ、自分が目指す男役はなんなのかと自問を繰り返す中で出会ったのが「Bandito」のヴィトーだと言ってられて、そんなに長い間悩んでこられたのかと愕然とした。そう言えばRISING STAR GUIDEの中でもまさきさんに、新公卒業後は(歌もダンスも芝居もできるその上に)何が必要なのか見つける心の旅に出ているところじゃないでしょうか、って言われてて、ああ、まさきさんはなんでもお見通しなんだなって泣きました。

ダンスリーダーとしての矜恃。自分の武器がダンスであることを知ってる人の強みとプライド。

文章がどれもこれもべた褒めでかつ宝塚についての素人っぽくないところがくすぐったいんですけれども、このコーナーって毎回こんな感じなんです・・・?ほんの1ページの文章から伝わってくる熱量がハンパなくて、きっとものすごくたくさんの映像を見られたんだと思うんですよ。たとえば直近の1789についても、とし子センパイの見どころとしてあの柱ドンを挙げて、「”望む世界を手に入れて彼女と幸せになる”という強い思いで踊った」というコメントとともに、あの場面を「劇的なデュエットダンス」と表現されたことに唸りました。どうだろう、ファン以外の人から見ても、あれはそう見えたんだろうか。

他に挙げられてるのが「アルジェの男」のラストの影ソロであったり、NWの「You Rise Me Up」であったり、なかなかにコアなところを抽出しているのがほんとにマニア向け。編集後記でも名前を挙げてくれて、宇月颯名場面映像の存在を明らかにしてくれて、その映像はどなたのセレクトですかと詰め寄りたくなりました。