・観た映画
「ディスクロージャー・デイ」
古き良きアメリカのエイリアン映画を観た。という感想。日本のゴジラ映画みたいなものかな。ゴジラは日本にしか来ないし、エイリアンはアメリカにしか行かない。神が創造した地上で唯一の存在だということにすがって生きている人たちが、そうではないという事実に相対した時に喰らう世界の崩壊という衝撃が、信仰を持たない人間としては理解できずにおもわずわらってしまったんだけど、なるほど信仰を持つ世界ではこういう混乱が起こるのだなという知見は得た。この世界を誰が創造したのであろうがわたしにはどうでもいいし、人間よりも高度な文明を持つと思われる地球外生命体の存在がそこまで己の存在に恐慌を来すのかという驚き。
「我々は宇宙人」
話題のアニメーション映画を観ました。喰らう人は喰らうというのを聞いてましたがなるほど。なるほど。わたしは息子を思い出し、彼はちゃんとしあわせに日々を送れているんだろうか、どうかわたしの知らないところでしあわせに生きててほしい、とつよく願いました。わたしの物語ではないです。小学生のころを思い出すにはあまりにも時間が経ちすぎている。そして地元を離れ、ある意味人間関係をリセットしたわたしにはやっぱり自分の物語として語るものは少ない。もちろん覚えていないことのほうが多いだろうけど、そのことを指摘してくれる人に会うことがない。俺の青春を返せという彼に対し、なかったものを返せと言われても困ると言っていたのが印象的。奪われたとおもっていたものが、そうではなかったと分かった時の彼の衝撃たるや。あのどん底からどうやってまっとうな社会人になっていったのか、そこが非常に気になる。ここから入れる保険ってあるんですか???声の役者さんたちがどれもこれもすばらしくて、特にこども時代がすばらしくて、独特な絵柄に面食らっていたのをなんとか物語に引きずりこんでくれたのすごかった。卒業式の「旅立ちの日に」を喰らったのはその世代の親だからです。黄色の傘は使い捨て状態だったことをおもいだし、学期末に大量の傘を持って帰る彼にわらった。ゲームも携帯電話も約束を決めてそれを反故にされた時には没収してそれを彼が探しあてるというのも経験した。どうか折り合いをつけて、しあわせに生きてほしい。書いてもいない手紙にを拠り所にされて執着されてた小夏ちゃんがかわいそうすぎて暁太郎がこわすぎた。その執着を小夏ちゃんが知らないことが救い。彼女に被害がなくてほんとうによかった。
「DIGGER」
トム・クルーズ主演映画観ました。予告映像見た時に、いつトムクルーズが出てくるんだろうっておもてたんだけど、このずっと出てるダル腹のおじいちゃんがトムだなんてイチミリもおもわなくてw自分で自分にビックリしたwwwこんなトム・クルーズもあるんだな。近未来を描いたSF映画だった(という認識)
・読んだ本
一穂ミチ「たぶん、恋しい」(84)
「月を経る」の爆発する生理のはなしにめちゃくちゃ共感した!!!わたしもそれにいまものすごく悩んでいるので!!!!閉経期の爆発する生理って学校で習わないよね???今まで律儀に規則正しく来ていたものが無秩序に暴れまくるの、ほんとになんなん???って困惑するし、半世紀生きてきていまさら経血に悩まされるとか聞いてないんですけどって腹立たしいしかない。もちろん人それぞれに閉経の物語があるんだろうけどあまりにもそれが開示されてなさすぎてなにも参考にならなくてこの年でまたイチから未知のものに対峙して対処していかなくてはならんのかとうんざりしてる。とりあえずいつ終わるのかというのを明らかにしてほしい。それならそこまで頑張れるから。いつ終わりが来るのかわからないものに対してまじで怒りしかわかない。これが更年期の情緒不安定ってやつ???「わたしたちは平穏」のちっとも穏やかじゃないスリラー*1に身を凍らせ、「すげえ泣くじゃん」の姉(母)という衝撃の事実に衝撃を受けた。おもしろかった。
曽根圭介「藁にもすがる獣たち」(85)
映画の原作読みました。ぜんぜん(ではないけど)映画と設定が違ってておもしろかった!映画ならではの工夫が鮮明になって映画の評価が上がった。エリンギのヤバさは小説のほうがヤバかったけど、森七菜ちゃんのヤバさは映画のほうがヤバかった。主人公を鈴鹿央士くんを主人公にしたのもよかった気がするし(小説の冴えないオッサンは冴えなさすぎた)
伊吹亜門「名探偵(あるいは入舟家)の一族」(86)
夕木春央「楽園」(87)
殺人を記録しないと帰れないという特殊設定(?)ミステリ、途中までは設定はおもしろいんだけどなあ、そもそも文章との相性が悪い...ってずっとブツブツ言うてたんですけど、終盤近くになって、せや全員ころしたら一発解決やんってわたしも気づいて、それにしてはページ数が残り少ないな、残りはみんな建物ごと燃やしたりするんやろかとかおもてたら想像の斜め上の結末が待っていてめちゃくちゃ楽しかったですwwwそこにたどり着くまでの文章が非常に退屈であるというのがこの作家の苦手なところなのですが、読後感はよいのでよかったです!こういうのは映像化されるといいんじゃないかな、文章の拙さを映像で補完してほしい。
下村敦史「あいつも誰かに殺される」(88)
恩田陸「MAZE」「クレオパトラの夢」「ブラック・ベルベット」「傾斜のマリア」(89)(90)(91)(92)
恩田氏の新作読もうとおもったらまさかの知らないシリーズもの第4作目ということで慌てて一作目から読みました。なんと四半世紀かけて4作だそうで、いやあ、まとめて読めてよかったなー。と思いつつ、まだまだ続きそうなので記憶のあるうちに次回作をお願いしますようというきもち。一作目だけがふいんき違って見えて、最新作でもその影がぜんぜん見えないのが気になった。T共和国のイスタンブールとかいう伏字に意味はあるのかとか、姿を見せない女性天才科学者というのが真賀田四季っぽいなあとか、主人公の彼は今だと某チョッキー(@VIVANT)しか頭に浮かばなくて困るw
西式豊「処刑館殺人事件」(93)
クローズドサークルに閉じ込められたミステリ作家たちが立て籠って対抗するのがおもしろかったです。それでも断絶は起き、一人になった者が消されてしまう。ペンネームと本名、音声のみでのオンラインミーティング参加などが引き起こす齟齬がトリックとなるのも現代を写していておもしろかった。動機が山に眠る豊富な水資源だっていうのも薄ら寒い世相。ミステリ作家たちが各々語る言に作者の心裡が見えそうで興味深い。そろそろ今年のミステリランキングが出るのでたのしみっす。
宮内悠介「Z線上のピエタ」(94)
作家というのは、こういった作品を書いて、後世に残すためにあるのだなとおもった。ウクライナで義勇軍として戦死した彼はわたしと同世代。いわゆる氷河期世代。その母もまたわたしの母と同世代で、その母親がウクライナという異国に行くという物語に、たぶん、いや、絶対にわたしの母は同じ状況になってもウクライナには行かないなとおもったし、わたしの息子が同じ状況になったとして、わたしは絶対にウクライナには行かない。息子がウクライナで戦死した母親がウクライナに行くというのはわたしの中にはない選択だ。やはりどこか歪な親子関係を想像してしまう。わたしたちの家族がドライでクールであるなという自覚はあるとはいえ。とはいえ、こどもたちには親より先にはしぬなと望んではいます。ひとさまに迷惑を掛けず、親より先にしぬな。それだけでいいです。
結城真一郎「少年ABCの完璧な選択」(95)
大樹の動機だけが弱いなーーとおもった。万引きの罪を見逃してもらって被ってもらった恩、ほのかな恋愛感情というわかりやすい二人と違って、大樹にはそれがなかったよね?だからこそ読者として彼を信用できずにいたし、彼が一番裏切りそうだった。
辻村深月「ファイア・ドーム」(上)(下)(96)(97)
さすがのリーダビリティ一気読みしました。耽読。25年前の誘拐殺人事件と同時期に起きていた未可決事件、25年後に起きた児童行方不明事件と児童虐待事件。4つの事件が絡み合ってほどけていく様は圧巻。最後の最後まで緊張感があり、荒唐無稽と思われる陰謀論を信じ罪を犯した人だけが彼に寄り添っていたのではないかとも見える物語が最後に出てきて、まだ泣かせるのかと心を揺さぶってくるのはお見事でした。弟中心の家庭で顧みられなかった彼の寂しさが読後にも残る後味の悪い印象で、彼の両親は、彼の弟は、どんなふうに事件を背負っているのだろうと、あまり語られなかったその匙加減がもたらす余韻。閉じられたコミュニティでの逼塞感と濃密な空気感は、それを知らない人にとっては想像もつかないんだろうなと、わたしはわかる側の人間だ。
市川憂人「呪詛遊戯」(98)
特殊設定ミステリ楽しかったです。ちゃんと登場人物の背負う呪いと、移り行く過程をメモして読んでたんだけど、途中で図表が出てきてわらいましたwww人間が負う身体的障害は信仰の欠如によるものであるという世界は興味深くもあり信仰の恐ろしさも感じた。
*1:(彼は彼女をころしたってこと??)
