・読んだ本
背筋「近畿地方のある場所について」(88)
おもしろかったこわかったー!これはネットの初出をリアルタイムで追いかけたかったなあと悔しい。
塩田武士「踊りつかれて」(89)
第173回直木三十五賞の候補作。ネットの「正しさ」によって自殺に追い込まれたお笑い芸人がなぜ不倫をしたのかそこが描かれてなくて、この作品においてそれは重要ではないのだと受け取ったんだけど、どうしても不倫がバレて現在干されてるすきな役者のことを思い浮かべてしまって(通常ならお仕事掛け持ちで髪型変えられなかったであろうひとが今まで見たことのないような金髪パーマ姿で人生を謳歌してそうな姿を見て安心してしまった。元気かな)今のわたしにとってはそこが一番知りたいところなんだよ、なんで不倫なんかしたんだよ、バレたらこうなるのわかってたよね?バレないとおもってた??バレてもいいとおもってた???もしそういう覚悟の上でのことならかまわない。そういうひとは死を選ばないと信じられるから。ネットでわんわん響いてる「正しさ」の声にうんざりするし、そこに加担してはならないと自戒するべきだし、石を投げられるひとを見て教訓にすべきだし、誰かが死なないとほんとにわかんないの?そんなつもりじゃなかった、自分は悪くないってほんとにそうおもってんの???って軽蔑してるし、彼がまだ生きてることをさいわいにおもえ、って呪ってる。この野蛮な令和の時代が後世にとって恥ずかしい歴史となってますように。昭和の古き興行の色がつよい時代の芸能事情のえげつなさや、一家乗っ取りの怖いオバハンの事件も絡んできて、簡単には終わらない物語はたいへん読みごたえがありました。「難破船」を歌う明菜ちゃんのイメージ。
辻堂ゆめ「本日未明」(90)
ベタ記事すきで毎日熟読してるんだけど、よくある日々の新聞記事の向こう側にあるかもしれない物語を突きつけられてハッとした。おもしろかったのは、自分の過去を知られないままに、結婚制度に価値を見出せない事実婚を望む人間を利用する犯罪者の動機。なるほど。今の時代の事件だ。
下村敦史「暴走正義」(91)
またネットで誤った正義感で暴走する人の話かーー(げっそり)とおもたらそれだけではなくて、それを利用する人たちというのがさらに次の時代に入ってるんだなとおもた。ネット炎上を逆手にとった戦略というものがメインになっていけば、ネット炎上を素直に信じてはいけないとわかることになるのか。最終編の「未成年は死刑にならないので罪を犯した」と「死刑になりたくないために「死刑になりたくて人をころした」という背反する動機からくる死刑制度への賛否が問われるあたりが異色だった。
窪美澄「給水塔から見た虹は」(92)
移民問題にまつわる様々な事柄たち。かつて紛争地域から逃れて日本にたどり着いた移民の孫にとっては、日本には戦争も紛争もない、日本で生まれて幸せだろうと言われても彼は戦争も紛争も知らないので、日本に生まれた幸せなどイチミリも感じられないのだ。帰れと言われてももはや帰る場所などないのに。この国は彼らを受け入れてもう長いはずなのに、いまだに受け入れる側が整っていないことがざんねんだし、それはわたしの生きる世界ではまだ他人事であるせいもあるんだけど、それでも差別は論外であると表明したい。しかしいいように利用されてるように見える母親が娘を蔑ろにするのを見るのはツラいし、それに理解を示す家族にも同情はするけど、わたしを一番に想ってほしいと願う彼女の気持ちが一番切ない。日本は鎖国するか、日本であることを諦めなければならないのかもしれない。
芹沢央「おまえレベルの話はしてない」(93)
わたしの知らない芹沢さんだ、という感想。誕生日を祝えない奨励会会員という人種。将棋を諦めたら、東大に進学し、在学中に司法試験に合格し、23歳で弁護士デビューできるという人種。わたしレベルの人間には理解できない話なんだろうなというのは将棋の世界を描いた小説や映画(「3月のライオン」)などでわかったつもりになってる。映画「盤上の向日葵」(原作読了できなかった)も楽しみですネ。
西澤保彦「双死相殺」(94)
腕抜探偵シリーズ。西澤さんにしてはとても(倫理観が)ふつうだ!!一話目でおいしいもの食べておいしいもの飲むのすごくタックシリーズ思い出す(回顧厨
綾辻行人「十角館の殺人」(再)(95)
ついったでミステリランキングを見かけて再読しました。映像化した時にも再読したんだけど、やっぱりあの一文でキターーーーーーーーーーーーー!!ってテンション上がるし、館シリーズ読むのに中村青司のことは思い出しておかないといけないなとまじめに再読しました。
殊能将之「ハサミ男」(96)
ランキング本読むぞ。ネタバレなしで読んでほんとうによかったです。初読み作家さんの1999年デビュー作。当時は覆面作家で、2013年に49歳で逝去。実質10年にも満たないくらいの作家活動だったのかな、まったく存じ上げずにお恥ずかしい。しかもこれが映画化されてると知ってびっくり。十角館の殺人の映像化もそうだけど、これだって絶対に無理でしょう。早めに映像を確認したいです。全編に漂う違和感に翻弄されながら最後まで騙されてたのしめました。医師が主人格というのはどういうことなのか、ハサミ男が妄想人格とは、それとは別の第三人格とは。ちょっとまだ人格について納得がいかないです。納得したい。知的遊戯に満ちた文章たちもすべては理解できていないだろうけど、件の「無言の帰宅」騒動などを思うと、読みながら聞き慣れない言葉を調べたいし、やはりこういった文章に触れ続けたいなとおもう。このはちまきの御不審か。
アガサ・クリスティー「オリエント急行殺人事件」(97)
ランキング本読むぞ。まさかの初読み。たぶん。古典を読むにも体力がひつよう。特に海外のものはカタカナというハードルもあるし。イギリス人はこう(いう人間だから嫌いだ)とかアメリカ人はこう(いう人間だから嫌いだ)とかめちゃくちゃな偏見を丸出しなの隔世の感に堪えないし、様々な人種と職種の人間がひとつのつながりをつくっていたというのが「アメリカという国だから」という「トリック」が通用する世界があったのだと今に知る衝撃はさすがの古典といわれるゆえん。
森博嗣「すべてがFになる」(再)(98)
ランキング本読むぞ。懐かしー!まだわたしの灰色の脳細胞が今よりも活発だったころにはするすると読めて初めての理系ミステリという世界に驚愕し興奮したはずなんだけど、ただ灰色の脳細胞の衰えを感じましたね...よぼよぼ...二十歳になってない萌絵は飲酒していいんですか????っていうか萌絵のことわたしちゃんと好きでいられたのかなって。初期型の萌絵はこんなにうるさかったのかな。ぜんぜん真賀田四季サーガを把握できてない気がするんだけど、これって完結したんだっけ。お手上げ\(^o^)/
アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」(再)(99)
ランキング本読むぞ。これぞまさにすべてのミステリの礎となるもっとも原始のミステリ。孤島での連続殺人事件、自白をしたためた手紙の入った瓶(「十角館の殺人」!!)、童謡の見立て殺人、消えていくインディアン人形、なんと芳醇なミステリであることよ...!続けて読むとクリスティーの世界にも慣れてきたので快哉を叫ぶしかない。ブラボー。
・観た映画
「国宝」(3回目)
時間をおいて3回目を鑑賞。やっぱりどうしても喜久雄に肩入れしてしまって、代役のお初を演じる大事な舞台の途中で退席する二人の場面が一番くるしい。ほんまによう頑張ったな、と終演後にねぎらわれた喜久雄のあの真っ黒な両目。あの時に、喜久雄は多くのものを失った。それと代わりに手に入れたものはあまりにも脆かった。意地だけでやっていたドサ周り、なにを見てたんやろなという彼の言葉、俺が絶対に歌舞伎の世界に戻してやるからなと逃げてたやつに言われてブチ切れる彼を支持したい。万菊さんにゆるされて、それでも彼は戻ってきた。万菊さんは決して喜久雄を認めなかったのに、いまわの際になってなぜ彼を赦したのか。喜久雄はそれでよかったのか。俊介はきっとなにも考えてない。ごめんね、やっぱりわたし俊介と春江のことはゆるせないみたい。彰子の件で丹波屋から去ることを決めた喜久雄がお仏壇にあいさつした時のあの寺島しのぶの表情は、初見時には、ああ、とは言うても喜久雄は丹波屋のためにせいいっぱいやってくれたし、こんなことになってざんねんやけど、まあ最後にお茶でも飲んでいきって言うのかと思いきや、ひとことも声を掛けずに孫に猫なで声をかけていたのがさいこうにグロかったですよね、っていうか、あの時仏間の襖を開けて出て行った彼女は「げんちゃん」って声をかけたじゃないですか、あれ、なんだったんです?てっきり出ていく喜久雄になんかはなむけでも渡すんかとおもたらそうでもなく、ほんまにシバくでしかし(おちついて)それを黙って見てる春江も解せぬ。おまえ喜久雄のいちばんの贔屓になるて言うてたやん。なんなん、息子のためにそれを反故にしたん?喜久雄のために身を引いたんやと納得しようとしてたんが全部わややで。自分かて背中にもんもん背負ってるのに梨園の妻としてふつうにあんじょうやってるのも解せんし、なんなん、寺島しのぶはそんな嫁でええん?俊坊が出て行って帰ってこんかったんその女のせいちゃうん?ほんでその俊坊、自分の産んだ子とちゃうんやろ??ほんまにどうなってるん。なにひとつ納得できひんわ(おちついて)今回は最初の二人道明寺の楽屋から徳ちゃんの名前を確認できたので、最後の鷺娘時の楽屋のれんに泣かされました。やっぱりペルシア絨毯買うてくれたんは徳ちゃんなんやろな。おまえが買うてやるって言うてたくせに春江ゆるさn(おちついて)徳ちゃんほんまにありがとう。あと、人間国宝になった時のインタビューでこれまで順風満帆でってインタビュアーに言われるところ、どこが順風満帆やねんんんんって毎回オラオラ言うてしまう。おまえに三代目のなにがわかんねん、襲名してからこっちずっと干されて、どこで何やってたから知らんのん、どうやって半々コンビが復活したとか知らんのん、お???よくもまあそんなんでインタビューに臨むとか舐めすぎやろ、やのに喜久雄はなんも言わんのんよ。順風満帆なんかじゃなかったですよ、とか全然言わんの。みなさまのおかげですとかわたしからしたら、ハッて鼻で嗤てまうようなことをぬけぬけと言うから、そのみなさまの中におまえは入ってないからな、おまえとおまえとおまえとおまえや!!!!って人差し指つきつけたくなるのをめっちゃ我慢してる、わたしが。ほんで喜久雄はなんや見てみたい景色があるんですよ、よう言葉では言われへんけどとか煙に巻くんですよ。まあな、おまえに言うたるような言葉なんてないわな、もったいなさすぎて!!!(おちついて)わたしのオラオラを浄化してくれる鷺娘になみだする、あの白から赤に衣装が変わるところがやっぱりさいこうに素敵。カメラアングルと音楽の勝利。映画ならではの演出。くるぞくるぞってわかって身構えてても泣かされる、何度見ても泣いてしまう。わたしもおだやかな人間であろうと反省する。
「ワン・バトル・アフター・アナザー」
アカデミー賞候補と話題の作品観ました。たまには洋画を。レオナルド・ディカプリオといえばそりゃ「タイタニック」でしょ。麗しのレオ様というイメージしかない。レオ様ひさしぶりーーって再会したら、めちゃくちゃオッサンになっててわらいましたwwwいや同世代だし、そりゃわたしも年を取るはずだわよって笑うしかねーです。わたしはブラピ派なので()ピっくん()のことはなんでもゆるせるんだけど、レオ様がピっくんみたいなビジュアルで時々あれピッくんだっけ、いや、レオ様だったわって何回か認識を確認しなけらばならなくて、いや、ほんとにいい同窓会でした。他人ごとだとおもってた移民問題がそうでもないと思うような時代になったなと、それでもまだ境界の外側に立って傍観者であることに若干安堵しながら、もはや他人ごとではないなとは実感してる。
「おーい、応為」
大河「べらぼう」でもちょうど葛飾北斎が登場したタイミングで鑑賞しました。くっきーから永瀬正敏という北斎の振り幅に身震いしたんだけど、ちゃんと永瀬北斎も狂人で違和感はなかったです。応為の存在は映画「HOKUSAI」で知ったと思うんだけど、彼女の絵は今回初めて見た。めちゃくちゃ素敵やん!作中出てきた「吉原格子先之図」の光と影の明暗がレンブラントを想起させるなあとおもたら「江戸のレンブラント」と称されてると聞いてせやんな!(ドヤ顔)あとイッヌがめちゃくちゃかわいかった~~~♡♡♡

「愚か者の身分」
よき三世代だったー!綾野剛・北村匠海と肩を並べて遜色のない林裕太くんすてきだった。映画「オアシス」でも印象的だった彼が、今回も同じように若さと幼さのあわいにいる少年性のつよい役で、まだ何色にも染まっていない無限の可能性を感じたし、見慣れないお芝居が新鮮でよかったです。目を抉り取られてもひとは生きていけるものなのだと知った。グロは苦手なので何度も吐き気に襲われた。「孤狼の血LEVEL2」のあの上林くんの場面もついぞ直視できなかったので。佐藤がマモルまで濡れ衣を着せなかったのやさしい...っておもったし、タクヤに鍵を預けたの甘すぎない?っておもったし、GPSで居場所がわかっていたのに翌朝まで待ってくれてたのはちょっとどうなのとおもったし(その分の追われる側の絶望は大きかったわけだけど)何度も木南晴夏ちゃんが裏切るんじゃないかってハラハラしたし、最後には三宮まで警察が追いかけてきたのやっぱり絶望じゃんっておもったけど*1、原作出版社が公式で続編あるよんって公開した部分で綾野剛と木南晴夏ちゃんは入籍して三年がたってるということなので、逮捕されたのかされなかったのか、起訴されたのかされなかったのか、服役して出てきてからの話なのかわかんないけど、とりあえず絶望ではない未来が提示されてちょっと拍子抜け。林裕太くんはちゃんと生き延びれたのかな。彼にその逞しさはあったのかな。
「爆弾」
タゴサクの実写化予告映像の段階からすばらしくて、その分類家さんの印象が薄まってしまったの尺の問題もあるだろうけど絶対原作のほうがおもしろいから、あとわたしの原作の感想では正名僕蔵さんの鶴久課長のことしか出てこないのでwww映画化で原作の良さがちゃんとまとめられてますねという感想にはならないのしょうがないです。
・見たドラマ
「昭和元禄落語心中」
再放送を見ました。7年も前の作品なのか。岡田将生29歳のころ。映画「国宝」と比べられてるのを見かけたけど、なるほどむべなるかな。吉沢亮の老け役がイマイチであったので、これは岡田将生に軍配を上げたい。とはいえ、全肯定はできなくて、それでも29歳というのを知るとまた違って見える。年老いた岡田将生も、またいい。彼の未来が楽しみだ。っていうか今年ミュージカル化されてたというのを今(今)知ってびっくりしてる。やだちょっと見たかったよ、みりおさまのみよ吉に古川雄大の八代目。
「いつか、無重力の宙で」
4人の空気感が心地よくて最終回までたのしく見ましたー。宇宙飛行士に病気とくればNHKドラマ「ふたつのスピカ」を思い出す。高校生役の役者さんから大人役の役者さんへのお芝居のつながりがほんとにすばらしくて、ビジュアルだけではなくてセリフ回しとかめちゃくちゃそっくりやんって毎回おもってました。周はボーイッシュなビジュアルだったのがすごい女の子「らしい」ように変わっていて、でもきっと星占いとかすきだった高校生の彼女のそういう部分は変わってないんだろうなっていうのもよかった。大阪が舞台だったので片山友希ちゃんと伊藤万理華ちゃん二人の関西弁が気色よかったです。飛鳥が標準語設定なのどうしてなのか見逃した(ひかりは関東からの転校生っていう設定だったはず)の悔やまれる。木竜麻生ちゃん、奥平大兼くん、朝ドラ「ばけばけ」でも同時期に登場して全わたしの話題をかっさらった北野秀気くん。
・買ったもの
無職だというのにわきあがる物欲!!(先月から二回目

初フェイラー。小ぶりなポーチがほしくてずっと探してたんだけどなかなか心ときめくものに出会えなくてさまよっていたところ、このテディのやつにめぐり会えました~~♡オールドテディガール ワッペンポーチのピンクです。かわいい~~~♡カバンの中でも見つけやすいのでピンクにもまんぞくです♡中は常備薬と口紅と薬用リップとかゆみ止めと無印のペーパータオル。ちょうどよくてほんとにまんぞく♡

TOKYO MER南海ミッションのチャリティーTシャツ届きました。紺色がかわいいです♡背中の文字がデカくて、外を歩くと遠目からもわかるひとにはわかるのでちょっと気まずいけどドヤって歩きますね。