茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

京都旅vol.9 祇園祭宵山に行ってきました。

安いお宿を見つけてしまったので急遽宵山に行ってきました!

Day1:瑠璃光院、知恩院宵山

京都の夏は暑いので近寄ってはならないという教えを破るからには相当の覚悟をしていったのですが、暑いもんは暑かったです。いつもは京都の街を歩くことも楽しいんだけど、なんせ京都の夏です。なるべく歩かないをモットーに、地下鉄・市バス一日券を駆使してなるべく歩かないようにしました。しかし暑いもんは暑かった。

京都駅から地下鉄で丸太町のホテルに荷物を預けに。今回は宵山をたのしむ、が目的なので時間はたっぷりあったのがよかった。夜までの時間をどうするかと悩んだけど、夏の特別拝観をしていた瑠璃光院へ。近くのカフェでモーニングしてから地下鉄で国際会館駅まで行き(初めて終点まで行った)八瀬までは京都バス。本数が少ないので、出町から叡電に乗った方が便利だったなっておもったけど、なんせ時間はあるので焦ることはないです。山は涼しいかと期待したけど暑いもんは暑い。

なるほど映える~~~。

写経したものを納め、お庭を拝見し、存分に京都の夏山を満喫しました。帰りは叡電出町柳まで。いっこうにおなかがすかないので(おとろえゆく胃袋)おひるごはんを諦めて市バスを乗り継ぎ知恩院へ。いつもなら歩く距離もバスに乗っちゃえるのが一日券のよいところ。しかし暑いもんは暑い。

暑さのせいか人影もまばらな知恩院。デカい。

祖母の家が清水寺の裏にあったので、大晦日は歩いて知恩院の除夜の鐘を聞きに来た記録(小学校の時の作文がえらく褒められた)と記憶があるんだけど、こうやって正面から行くのは初めて。大鐘楼見てもなにも記憶が蘇らないのほんとにまじでなに???円山公園通って八坂さんでもらった火縄をぶんぶん振り回しながら帰った記憶はあるんだけど、目の前の風景とまるで一致しなくて、暑さもあいまって脳が沸騰するかとおもた。暑い。

そろそろ塩分を摂らなくてはと四条の魁力屋さんへ。

街は出店の準備なども整えられていて、わくわくムードが大いに盛り上がってました。

夕方の函谷鉾。いったん宿に戻ってチェックインし、夜に備えて休憩します。

日が暮れてから、さて、宵山に繰り出しますか。

大通りにドーーンとおわす大きな鉾の堂々たるたたずまいと、それを支える町衆たちの心意気にほれぼれとするんだけど、狭い路地に次々に現れるこじんまりとした山鉾たちにも上がるテンション。祇園祭は町ごとのお祭りなんだなっていうのが実感できる。

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巡行時(MBSの中継を見ました)には大雨でビニールを掛けられて全然見られなかった蟷螂山のカマキリさんも宵山のうちに見られてよかった。

しかし人通りの多さは予想以上でなるほどこれが祇園祭かと圧倒されるおもい。なんせ人の流れも一方通行に制限されていて、行きたい通りになかなかたどり着けないもどかしさ。前祭の鉾23基を全部見たかったのにコンプリート出来ず。無念。翌朝に持ち越す。

 

Day2:下御霊神社、革堂行願寺、鉾山散策、平等寺仏光寺、八坂神社、本能寺

進々堂寺町店でクラムチャウダーのモーニング。暑い時こそ熱いものを食べるんやという気概。近くの下御霊神社と革堂へお参り。

革堂で咲いてた蓮とネコちゃん。

朝から山鉾をめぐるツアーに参加。解説を聞いて回ると理解が深まってよいですね。もとは疫病退散を願ったお祭りだったものが、お金持ちの町衆によって次第に豪華になっていったというのがおもしろい。隣町と競い合う中で奇抜さを狙って、また教養のあるところを見せつけるために、旧約聖書や中国の故事からエピソードを採用して物語を作り、それをもとに山鉾を作り上げていったというwなるほどスポンサードの威光によるものですね、大変興味深い。各山鉾の提供が気になります。ちゃんと提灯に名前があったんだけど流し見をしてしまったので次があればじっくり見てみたい。

京都検定の勉強を始めたころは、山鉾全基なんて覚えられるわけなかろう(怒)って感じだったのに、一つ一つを見て回るとなんとか覚えられそうな気がするから(気がするだけ)やっぱりフィールドワークだいじ。後祭の山鉾が建てられる場所にある礎石なども教えてもらわないとわからないし、現在唯一の休山「布袋山」のご神体も見学できたのもすごくよかった。復活した休山が完全に元通りになるには50年ほどかかるそうで、何世代もかけて町衆たちが尽力した結果なのだと聞くと、近年復活した鷹山、大船鉾の存在が感慨深く、やっぱり後祭も体験したい。まだまだ知らないことがたくさんあるなあっておもうし、それを全部知ることも難しいなあっておもう。また機会があれば勉強会に参加したいです。

ツアー終了後におうどんを食べるぞ、と錦市場近くの富美屋本店へ。暑い時こそ熱いもんを食べるんやという気概(二回目

ここ数年、京都のおうどんが食べたいと思い続けてきてなかなか機会がなかったんだけど(食欲だったり場所だったりのせい)ようやくかなってうれしい。しっぽくうどんです、甘めのおだしが京都って感じ~~いい香り~~。塩分だいじなのでおだしもたくさん飲みました。

コンプリート出来ていなかった保昌山と綾傘鉾を回り、平等寺仏光寺へ参ってから、遅ればせながら八坂神社へ参ります。バスを乗り継いで祇園まで。歩いたほうが早いのはわかるけど、なんせこの暑さなもので、歩かなくてすむところはそうしたい。遅々として進まないバス。

山鉾巡行で清められた京の町を八坂神社の三基の御神輿が巡行し、さらに町を清めるのが前祭ですが、その御神輿がこちら。巡行後は四条寺町の御旅所にとどまり、後祭の山鉾巡行後に八坂神社へお戻りになるのです。これで京の町は疫病や災厄から守られるというわけですね。暑い中、雨の中、曜日に関係なく行われるのは神事であるから。町の人による町のためのお祭りなんだなとあらためて。

さて、ここから帰りの時間までが問題です。暑いです。行きたいところはたくさんあるけど、なんせ暑いです。不要不急の外出は避けるべきです。とりあえずバスで河原町三条まで行って本能寺へ。ここで通り雨かとおもうような豪雨に見舞われしばし雨宿り。信長公にはお世話になりました。雨がやんでから高瀬川の一之船入跡へ寄り道。全景が見えにくいのざんねん。二条通を北上して村上開新堂と一保堂でお買い物。雨がひどくなってきたので、残念ながらここで撤収です。宿で荷物をピックアップして帰路へ。お疲れさまでした。次回は9月を予定してますが、まだ暑いかなあ。今回なんとか生き延びたので、9月もだいじょうぶだと信じたい...しかし9月は歩きたいんだよなー。がんばれわたし、9月の京都の暑さはちょっと手加減してほしい。

ミーハーらしく買った村上開新堂のロシアケーキと一保堂のほうじ茶。粽は郭巨山さんでいただきました。それから占出山さんで安産のお守りを。今年の占出山さんは予備くじ13番の山一番だったそうで、くじ取り式では大いに盛り上がったそうです。なので今年は安産の年ですってよ。秋にはお孫ちゃんが産まれるのでご利益を得たいです^^

2025年6月号

・読んだ本

村田沙耶香「世界99」上・下(52)(53)
いやー、すごいものを読んだな。という満足感。ラロロリン人とピョコルンという生き物が存在する世界を生きる人間だった人の物語。ピョコルンのビジュアルがどうしても想像できないまま、人間の性欲を一手に引き受ける存在として需要がたかまっていくあたりで人間の身勝手さにげっそりしてしまった。動物虐待なのでは。そのうちにピョコルンは家事や育児も担うようになる。それでも人間と同じようには出来なくて、冷凍食品やレトルトを使った食事が毎日並ぶ日々につい人間も愚痴が出る。高価なピョコルンを買うためにローンも組んでるので、ピョコルンのために仕事をして帰ってきたっていうのに、こんな食事しか出てこないのかよ、いい加減にしてほしい、という言葉が、ああ、それは人間の「母親」というものに常に向けられていたセリフだなとわかるあたりで背筋が冷えた。激しい差別に遭ってきたきた人たちがやがて特権階級になっていくのもまた似たような事例が現実にあることに気づいてうすら寒くなる。汚い感情を持たないように記憶を調整して画一的な性格の人間を作り上げていシステムに飲み込まれていく主人公の、からっぽな人生の終着点としては納得するところもまた怖かった。いやあ、圧巻の物語でした。

長岡弘樹「交番相談員 百目鬼巴」(54)
交番のミステリというとどうしてもよねぽんの「満願」の「夜警」(換気扇だし)を思い出してしまう。

土屋うさぎ「謎の香りはパン屋から」(55)
2.5次元舞台のおたくが出てくる日常の謎ミステリとかなかなかにナウいですね。豊中市のパン屋でバイトする漫画家志望の大学生とかすごいニッチな設定に、ああ、きっとそういう著者なんだろうなとわかるあたりがざんねん。

阿部暁子「カフネ」(56)
2025年本屋大賞受賞作。みんなに愛されてた弟の急死から始まる新しい人生。不妊治療の果てに離婚を切り出される彼女のかなしさ。弟の死に漂う不穏な空気。徐々にわかる弟の人間関係。弟の元婚約者として出会った彼女との未来。おもしろかったです。家事代行会社社長の頼みごとを諾った彼女に対して社長さん(「ソロ活女子」の彩子さん(小林きな子)で脳内再生された)がのたまった「いやさか!」という言葉が頭に残ってしょうがないです。いやさかて。

町田そのこ「月とアマリリス」(57)
離れなければいけないとわかってるのに逃げることができない煮詰まった人間関係の中で罪を犯してしまうことのやるせなさ。無責任な外野は逃げればいいのにって無責任に言うけどそれが出来ないからこその犯罪なのだ。こないだ読んだ「八月の母」の団地で起きた女子高生暴行事件もつらかったことをおもいだした。

宮島未奈「それいけ!平安部」(58)
こどものころの思い出が「THE FIRT TAKE」の真似をしたというエピソードにジェネレーションギャップ不可避...平安部というよくわからない部活動に励む5人組の青春物語。よくわからないまま終わってしまってどこか消化不良。成瀬みたいなブレないカリスマ性を求めてしまうけど、成瀬は唯一無二なので成瀬みたいなキャラクタは存在しません。

 

・観た映画

ぶぶ漬けどうどす」
京都で観た映画。一番怖いのは主人公であったというホラーだった。ネイティブが一人もいないことが残念でならないし、やっぱり京都弁がうまくなくて引っかかる場面が多かったのがほんとうにざんねん。あんまり京都のいいところが出てなくて、期待してたロケ地もそんなに魅力的じゃなくて、期待してたぶんの肩透かし感がちょっとしんどかったです。

「国宝」
今月は映画「国宝」に心を奪われた一か月でした。二回観たし、ロケ地(京都)も行った。

 

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ「陽気な幽霊」
もしかしたらしばらくは彼の姿を見ることはないかもしれないなという覚悟のもと観劇しました。今回の騒動を苦々しく眺めてましたが、それは舞台を観ても変わらず。どこまでが最初の脚本通りであったのかは不明ですが、元妻の幽霊が見えると言う彼と現妻の「あなたは酷く酔っていた」「いや、僕は酔ってない、だいじょうぶだ」的なセリフのやりとりは、観客にそれを想起させるには十分で、自虐ネタだと思われて笑い声が起きてました。でもわたしはぜんっぜん笑えなくて。それでもカテコで鳴りやまない拍手とスタオベを見ると、ああ、彼にはこんなにも味方がいるんだなあって、ちょっと、泣けてきた。それはともかく、やっぱり舞台に立つ彼は映えるし、屈託なしに観られなかったお芝居もわたしのすきなお芝居だった。逆境の中、成し遂げた彼のことをどう受け止めていいのか、今は少し迷ってる。でもまあ大きな声で、わたしは彼のことがすきです、とは言えないなあ、と後ろ髪をひかれながら劇場を後にしました。また、会えるといいね。

 

・見たドラマ(春ドラマ)

「波うららかに、めおと日和」
本田響也くんが大ブレイクした作品として後世に伝えられていくであろうその起源に立ち会えたことがうれしい。濁り切った大人のこころにさわやかなときめきをもたらしてくれてほんとに毎週生き返る心地でした。ビジュアルもハマりきっててすばらしく、このキャスティングが大成功であったことは論を俟たず、関係者各位の誇らしげな顔が浮かんでくるも嫌みではなく、心からその成功をお祝いしたいです。ビバ。

「ジョフウ~女性に××××って必要ですか?~」
あっちゃん出演作品として視聴しました。役作りとしてずいぶん体重を落としたそうですが、ちょっと瘦せすぎではないですか???と肌色多めの画面を直視できませんでした;;あっちゃんの肌色もとめてないです;;出てくる役者さんたちがみんな知らない顔ばかりで新鮮でよかったし、山崎紘菜ちゃんすごくかわいかったー♡

「あなたを奪ったその日から」

「夫よ、死んでくれないか」

「しあわせは食べて寝て待て」

「恋は闇」

「ソロ活女子のススメ5」

「イグナイトー法の無法者ー」

「なんで私が神説教」

地震のあとで」

「キャスター」

「べらぼう」

映画「国宝」の京都ロケ地に行ってきました。

いてもたっていられず京都へロケ地めぐりに行ってきました!(バババの始まる前に)

・今宮神社

両脇にあぶり餅やさんが並ぶ参道。

映画「国宝」より

三代目花井半次郎の襲名時の人力車の場面。あぶり餅をどちらでいただくかでめちゃくちゃ悩んだけど、一人客にやさしく声をかけていだたいたお店に入りました(一人で食べ物屋さんに入るハードルが高い一人旅勢、やさしくされることに弱い)なお、あぶり餅の写真はないです。なんかカメラが熱くなってて起動できませんという状態になって焦った。そんなの初めてなんだけど!恐るべし京都の夏(まだ六月

映画「国宝」より

拝殿での素踊りの場面。襲名にあたっての舞の奉納かとおもてたんだけど、あれはどういう設定だったんだろ。

上七軒:光盛大明神

喜久雄が悪魔と契約を交わしたところです。前に上七軒に行った時にここを通っておりましたが、映画で見た時にはイチミリも気づきませんでした。無念。いつか上七軒のビアガーデン行きたい。

先斗町歌舞練場

映画「国宝」より

映画「国宝」より

 

ロケ地めぐりの合間にフィールドワークも。

・今宮神社、建勲神社大徳寺、龍源院、黄梅院、瑞峰院、大仙院、平野神社

今宮神社にて。6月末ということもあって茅の輪が設置されてました。お作法に則って茅の輪をくぐりました。アジサイの花手水。石に願いをかけて持ち上げた時に軽くなってると願いが叶うという「阿呆賢(あほかし)さん」に願いをかけて試してみたけれど軽くなっていた気がしなくてかなしい。

船岡山をのぼって織田信長が祀られている建勲神社へ。こちらでは鳥居の下で茅の輪が制作されてる途中でした。織田木瓜の紋がちりばめられている。風鈴と苔玉があしらわれてる手水。秀吉もそうだけど、京都に所縁のある武将が後世のひとたちに慕われて手厚く祀られてるのはこうグッとくるものがありますね。今もなお忘れられずにいる存在なんだなと。

お昼ごはんは冷麺で有名な中華のサカイ本店へ。

のんちゃんのサインをそえて。右側は江口のりこさんで左は近藤芳正さん。もちもちの太麺が美味でした。

いざ、大徳寺へ。秀吉が信長の法要を行った大徳寺。紫野の地は信長の存在を強く感じる地ですね。

山門、仏殿、法堂、方丈とすべて外観のみの拝観となりますが、仏殿の扉は開かれていて中の釈迦如来さまとの対面が叶い感謝。狩野元信筆という天井画。不自然な修復の跡が見られない当時のままであろう絵がうっすらと残っているのを見るのがすき。聚楽第の遺構という唐門を見逃しました。下調べなしで行くとほんとだめだなと反省。

龍源院へ。

日本最小の枯山水といわれる東滴壺。今回の大徳寺塔頭陣の拝観ではいろんな庭園を見たけど、この小さなお庭が一番すてきだった。光の差し方もきっと計算されてるし、時刻によって陽の角度によって変化する風景の極みを感じた。でもこれは昭和35年に作庭されたもので、歴史の積み重ねはないんだけど、その先にある現代のわびさびの行きつく先がこれであったのなら大成功なのでは??とおもわず笑い声が漏れた。

滹沱底(阿吽の石庭)

 

       方丈前石庭                 竜吟庭

 

黄梅院へ。

       直中庭                   破頭庭

瑞峯院へ。

キリシタン大名大友宗麟が建立。重森三玲作庭の閑眠庭は、縦4個、横3個の石組が十字架に見えることから「十字架の庭」ともいわれる。

大仙院へ。

白砂の南庭と石組が豪快な枯山水庭園。デカい石が濡れ縁の近くまでゴロゴロ配置されてて、これはわたしの知ってる枯山水とは趣が異なる。ちょっと欲張りすぎではないですかと密度の高さにわろてまう。

たくさんのお庭を一度に摂取しすぎて胸やけしてしまったかもしれない。よくないな。市バスに乗って上七軒に向かう途中で平野神社へ寄り道。

桜の季節ではないからか境内はとても静か。こちらも茅の輪の準備をされてました。樹齢400年という大きな樟!

上七軒から少し歩いてみたものの、先斗町までは無理だなと二回目のバス乗車。

ロケ地めぐりを終えてから六角にあるキッチンゴンにてピネライスを喫食。京都の洋食。たのしい。今回は弾丸日帰り京都旅ということで、エリアの移動もあったりしたのでバスに二回ほど乗りましたが、そこまで混雑に苦労はしなかったかな(座れたので)まだまだ京都はたのしいなあ。