・読んだ本
井上先斗「ノーウェア・ボーイズ」(37)
あの日のボーイズミーツガールが大人になった今もまだ僕をしばりつける。僕たちを助けてくれた彼女を今度は僕たちが助けるんだ。読んだことのない文章が新鮮で、ミステリアスな彼女が魅力的で、突然終わる青春のきっかけが暴力であったことに殴られた。ところどころ読み難い文章もあったんだけど、フレッシュな作風は好印象でした。しかしほんまに身重の妻を自分の実家に放置して午前様な新婚の夫というものは業腹ですな。猛省すべし。「先斗」と見ると「ぽんと」って読んでしまってごめんやで。
背筋「口に関するアンケート」(38)
映画化されると知って。めちゃくちゃちっちゃい本でびっくりしたw巻末のアンケートでオチがわかってから再読するのもたのしい。しかしこれが「口に関するアンケート」なのはちょっと無理があるのでは?????この小品をどうやって映画にするのかはたのしみですね、原作にない登場人物が増えてるようだし。
万城目学・門井慶喜「ぼくらの近代建築デラックス」(39)
当時は建物に興味がなくてスルーしていたものの、近年の京都通いで近代建築への興味も芽生えたということでワクワクで読みました。知らない建物や知ってる建物、こないだ行った横浜で見損ねたもの(横浜開港記念会館)や、今度行く東京でまた見たいもの(築地本願寺)など実に興味深かったです。京都散策での、万城目さんがデビュー時に経験したという京都の厳しさを吐露してるあたりがちょっとくるしかったです。京都の作品を御所グランドまで書かなかったん、そのせいなんかな...............
万城目学「ホルモー六景」(再)(40)
ホルモー完結編(!!!)がデビュー作から20年を経て出るということで、前作を読み返しました。完結編、たのしみですねええ。
長岡弘樹「教場Ω 刑事・風間公親」(41)
十崎とのファーストコンタクト。こんな昔からの因縁があったのか。映画で出てきた十崎妹の趣里ちゃんは白杖を持ってたけど、今作ではそんな気配はなかった。今後どうやって整合性を取らせるのか興味が出たので、映像の続編をゆるしてもいい。十崎の動機が執着する妹が風間を愛したからだというのは完全なる後出し設定だとおもうので、どう決着をつけるのかお手並み拝見、といじわるに見てしまうのごめんくさい。
東野圭吾「マスカレード・ライフ」(42)
マスカレード最新作。東野さんの文章ってこんなだっけ、とおもいながら読了。わたしにはもう東野さんがわからない。ホテルで行われる文学賞の選考会の模様が描かれるあたりはひじょうに興味深かったです。文学賞と相性のわるさばかりが印象的な東野さんですが()選考委員を務めていた実績があると知ってちょっとビックリ。偏見すまない。
村山由佳「DANGER」(43)
戦争体験を語ってくれる人の物語を描くには今は遅すぎる、というのを思い出した。先の戦争体験を持つ人たちが少なくなっている中で、その体験談を聞くというのは現在においてもはや難しい。それだけ日本が長く戦争をしてこなかったということなんだけど、昨今の今は戦前であるという雰囲気にもっとその体験談に真摯に耳を傾けなくてはいけないのではないのかと焦燥に駆られる。悲惨さを想像できないわたしたちは同じ轍を踏むことになるのではないかと恐ろしい。いや、まだ恐ろしさを感じられる人間がいることは微かな希望かもしれない。お国のために死にゆく、生きて虜囚(りょしゅう)の辱めを受けずといった概念をわらうことがない世の中でありますように。戦争を知らないということの幸福をかみしめながら、聞こえてくる次の戦争の足音に慄く。朴念仁な年下の彼は松倉海斗くんのイメージ。ツンデレな年上彼女は堀田真由ちゃんでどうでしょうか!!
中山七里「有罪、とAIは告げた」(44)
ドラマの原作読みました。あっちゃんが作った料理がなんなのか知りたかったんだけど、原作にはそんな場面はありませんでしたーー。ざんねん。被告の少年を取り調べた刑事として違和感を抱き、公判中にも捜査を継続し、事件の真相につなげるという重要な役どころでしたね。そもAI裁判官が、クールジャパン失敗の尻拭いの代償として中国からもたらされたものだという設定におおわらいしましたwwwなるほどあのSEは中国人だったのですね。彼らの思想が日本にもたらす危険性というものが主題であった。海外製のAIを不用意に国内で運用してはならんでしょう、殊にかの国であるならば。古色蒼然とした隷属殺人なる遺物に捉われる古き人間の存在もまたドラマでは省略されてたので、原作読んでよかったです。
朝野にわ「腐芯」(45)
ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。福山というからには舞台のH県は広島なんだろうなとおもいながら読みましたが、H県設定なのにほかの地名(福岡とか東京)がふつうに出てくるのちょっと距離感が行方不明になるのでちゃんと広島県って明記したほうがよかったのでは。空き家の中に土が遺留してたことからああ大麻の栽培をこっそりしてたなというのはすぐにわかる。義父の介護に心をころされる主婦のイメージが渡辺真紀子なのはきっと「九条の大罪」のせい。認知症家族の性処理までしなくてはいけないんですか?しかもそれを夫に不貞だと疑われるの地獄すぎた。てっきり息子の犯行を夫婦で庇ってるのかとおもったらそんなことはなくて、さいごに笑う彼女にむしろすがすがしいおもいを抱いたのですが。一千万円の遺産と、三千万円のうちの多くを息子に得るために彼女はいろんなことに耐えてきたけど、わたしなら耐えないので。
小松立人「そして物語のおわりに」(46)
嵐の孤島のクローズドサークルという本格ミステリ。自分に害が及ばない限り、探偵の語る推理(物語)を真実だと信じる(しかし事実とは限らないがそれはどうでもいい)というスタンスには瞠目しました。
・Netflixで見たもの
映画「傲慢と善良」
くやしいけどたいぴちゃんの役者仕事すきなんだよなーーー。原作既読。震災のあった東北地方の写真館でボランティアする設定が佐賀の柑橘農家に変わってるね?映像で見るとだいぶ印象が違ってみえた。いけすかない架の女友達ズがバッチリいけすかなくてよかったです。最近の若い子は自分が恋愛してるってこともわかんないのねーっていうセリフが印象的。四角い例の箱が出てきたときに期待したら指輪じゃなかった時の絶望がすごく伝わってきたの映像のつよみ。でも振られるたいぴちゃんかわいそうすぎたので、ハッピーエンドでよかった!髪はおろしてるほうがいいとおもうよ。
・観た映画
「君のクイズ」
原作既読。どうやって映像化するのたのしみにしてたんだけど、ちょっとおもてたんとちがったかな。とはいえ原作の記憶があいまいなのはいつも通りなので、その印象があってるのかも自信がないです。自分の原作感想掘ってみたら、映画ではまったく触れられてないことが書いてあったのでなおさらですwしかしあのCMソングは耳に残りますねwwwあのクリーニング屋さんが繁盛するといいです。スジャータのCMソングおもいだした。
・見たドラマ
「泉京香は黙らない」
高橋一生くんとあっちゃんの共演キターーーーーーーーーーーーー!!!!!!ってテンション上がりまくったのに同じ画面で並ぶことはありませんでした。泉クンの彼氏役ということで否が応にも高まる期待。今後も露伴作品に登場したいというあっちゃんの言葉を応援したい。とオンエア前から全力でテカテカしていたというのに、最後には泉クンを振る勘助氏であった。ひどい。それにしても泉クンが「黙らない」というのはシリーズ全般を通しても彼女のキャラクタにぴったりだなっておもうし、秀逸なタイトルであったなとおもう。オリジナルであるのもよかった。


「対決」
あっちゃん出演作見ました。原作既読。初回登場シーンを何度か使いまわされるだけの出番でした。お医者なあっちゃんはすきです。
「時光代理人」#1~2
あっちゃんが2話に出るというので見ました。たいきちゃんと本郷センパイの並びが新鮮でした。しかしさすがの本郷センパイも年を取りましたなあという感想です(さんじゅうごさい☆)
「有罪、とAIは告げた」
今回のあっちゃんは芳根京子ちゃんの彼氏役です、ニヤニヤ。エプロン姿という珍しいものを見られたのでよかったです。ところで彼の作ったあれはいったいなんの料理だったんです?麺だというのはわかったんだけど、パスタなのかおうどんなのかはてさてきしめんなのか判別がつかなかった。父親の虐待に抗した弟をかばう兄、という事件。刑事と裁判官が同じ管轄内で交際するというのは法的ななにかに抵触するような気がする。AIの筐体にリアリティがなさすぎて萎えたのは内緒です。
・「母さん、ラブソングです」
主演舞台の一報が飛び込んできた時には心臓がひゅっとなりました。おおお、いよいよ復帰か。なるほど二人舞台。作・演出がosm氏というのがさいこうに嫌だったけど、まあそれでも御の字、贅沢は言うてられん。翌日にosm氏のゆーちゅーぶにて対談動画が公開されて、恐る恐る視聴したわけですが、あの、なんていうか、osm氏ありがとうな!!!!!!って感謝のきもちが芽生えてしまいました。言葉を選んで言うと「なんだコイツら」っていうのが出てくるあたりの世間への恨み言とか、たぶんもっとすごく醜い言葉が彼の中で渦巻いてて、それを表に出しちゃいけないっていうのもわかってて、だからこそのあの歯切れの悪さだったんだとはわかる。っていうかたぶん仕事したくないんだとおもうし、人前に出たくないんだとおもうし、もう日本にいたくないんだとおもう。でも辞めてしまうのは、逃げてしまうのは悔しい。ただその一点に過ぎないんじゃないかな。家族とか事務所とかファンとかそういうのはもうほんとにめんどくさいものでしかないんだろうな。べつにいいけど。彼の中の不信はそっくりそのまま彼に向けてわたしの中にもある。めんどくさい、嫌になった、休みたくて休んでたわけじゃない、ただ役がない状態だったっていう言葉たちが物語る。お芝居はすきだから、という言葉にちょっと喜んでしまったのがくやしい。osm氏の横山やすしのイメージというのは解釈が一緒ですね。コロナの時重症なのはしらなかった。書いてたプロットをお酒で失敗して謹慎中という彼の現状に沿った役に直すというやり方で彼の中の眠れる魂を引きずり出そうとしたというのは、こいすけの復帰ドラマ「酒癖50」と同じ手法ですかね、あの時も気に入らなくて文句しか出てこなかったけど、あの時はこいすけの言葉を直接聞くことができなかったから、今回のように彼が話すのを目の当たりにすると納得させられて不愉快です。納得したくなかった。一人舞台に「してやろう」っていうosm氏の言葉も気に入らないけど、それくらいのきもちで今回の舞台が成立してるってことは理解した。おそらく彼はそれも気に入らないんだろう。つきあってくれる矢崎くんに大感謝だよ。あんなにいくつものを役をかけもちし、途切れることなく役をまとっていた人が、一年ぶりに役をまとうという初めての経験をわたしもたのしみにしてしまってる。課金先からメールきたので課金しようか迷ってるし、そもチケットを申し込むかも迷ってるんだけど。※追記1:課金しました、申し込みました。※追記2:チケット当選しました、入金しました、わたしは彼に会いにいきます。
・「メアリー・ステュアート」(兵庫県立芸術文化センター)
あっちゃん出演舞台観ました。お芝居を堪能した。完璧だった。洗練された舞台装置。どこを切り取っても絵になる光と影。特に王宮のあの夕方の西日のような日差しが差し込む執務室に佇む女王が美しすぎた。淡い色味の豊かなお衣装がとても素敵でほれぼれしたし、それと対照的な女王の断髪した黒いドレス一枚を身にまとう究極の美しさにも心をみだされた。みんなあの女を愛すのか、という女王の言葉にもうしわけなくなる。王冠と信仰。相容れないものに縛られる人たちのくるしみをわたしが持たないことに安堵する。今年に入ってからの映像作品でずっと満たされない思いをかかえてきてたあっちゃんのお芝居がすこしはみたされた気がする。ふたりの女王から愛される男。うまく世渡りできたつもりでもそうではなかった時、彼はふたりを裏切り、単身海を渡って逃げる。潔いクズっぷり。たくらみが露見しそうになった時に狼狽して呪詛を吐き「地獄へ堕ちろ」と罵る姿におおいにまんぞくしました。彼の地の歴史にとんと疎いのですべてを察することで解決したんだけど、問題なかったとおもいます。何度も結婚と離婚を繰り返し、そのことで数多の国を乱してきた傾城の女王と、生涯独身を貫き女王であることにストイックであろうと努めたヴァージン・クィーンというふたりの対照的な女王が姉妹であった。というのはフィクションですよね?血縁関係とか王位継承順位の関係とかがちょっとわかりにくく、観劇後にWikipedia先生に聞いたけどよくわかんなかったです。カタカナ苦手だし。断頭台に消える女王というのはベルばらのマリー・アントワネットで育ってきたのであのシチュエーションでは泣く仕様になってます。泣きました。わたくしにのこされたしごとはただりっぱにしぬことだけね(とは言ってない)って、うぅッ...はー、良いものを観られた。