茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2026年9月号

・観た映画

「チルド」
夏の終わりに遅ればせながらホラーを観た。ホラー苦手なのでよい納涼となりました。どういうホラーなのかわからないまま見てたら、途中で空から人間が降ってきて、ああ、なるほどこういうホラーか、と合点がゆき、あとはここで来るだろうってところでちゃんと来たのでむしろ心地よかったです、正視はできなかったけど、ホラー苦手なので。わたしも小売店で働いてるので、なんとなくコンビニには親近感。そこまで話のネタになるような客にも遭遇していないのは幸か不幸か。ただつつがなく穏やかに日々の業務をこなしたいとおもっているのはそうなので、それが死んだように生きてると言われるとそうなのかもしれないなあと納得しかけて、いや、わたしはこのルーティンをたのしんでいるぞと反発したくなった。接客業に実は向いてるのかもしれない。ところで令和ロマンのくるまさん(メガネ無しバージョン)って円井わんちゃんに似てないですか??

「白鳥とコウモリ」
原作既読。松村北斗と今田美桜で東野圭吾原作ミステリ映画とくれば期待しかないじゃないですか、東野原作の映像化で満足出来た記憶がそういえばそんなにないなあというのが感想です。松村北斗はこないだ見た「夜明けのすべて」が今時点でベストですね。彼のお芝居がずっと作画が合っていない感があってひとりずっと浮いてた。今田美桜ちゃんはかわいい。五代刑事は別に加賀恭一郎でもよかったのに(というアンチ加賀恭一郎脳)(アンチ加賀恭一郎とは)東野作品に出てくる刑事に固有のキャラクタは必要ないんですよ。ところで五代刑事が映画館で上映中にスマホのバイブ鳴らしてあまつさえ画面を確認してたの映画館マナー()的にアウトですがなとはなった。原作既読とはいえもちろんなにも覚えてはいないので、物語の展開には素直に驚き感動したんだけど、やっぱり期待値が高すぎたのが敗因だとおもいます。冤罪被害者の孫が殺人を犯したのは、冤罪による被害ではなくただのサイコパスであったというのもほんとうはもっと驚きをもって迎えられるべきどんでん返し的な真実だとおもうんだけど、限られた尺の中では取ってつけたような事実でしかなく、そのあたりのもったいなさというのはくみ取れた。

「バックルームズ」
アメリカのネット社会で話題となっていたものを若き監督がその才能を遺憾なく発揮し映画化したという評判をたよりに鑑賞しましたが、いかんせんその話題となったことを実感できずにいるのでどうにもこうにもハマり切れず、まあ理解はするけど映画としてはおもしろくないかなというのが感想です。設定も背景も何も知らない人間にもわからせるという力量はなかったかな。来し方込みでの作品であるならば、一見さんお断りというのも致し方ない。

「藁にもすがる獣たち」
事前情報なんもなしで観たら森七菜ちゃんがすごかったwwwっていうかキャストが豪華。ドラマ「税金で買った本」*1に出てる青木マッチョさんがふつうに怪力キャラで出てて、終盤の車からの格闘?シーンではゲラゲラ笑ったwww映画館で久しぶりに声出しちゃったよwww(観客二人だった)()成宮寛貴くん復帰後初映画出演作。ひさしぶりーー!!!

 

・読んだ本

東野圭吾「秘密」(再)(72)
評価が高いものを再読。小学六年生の娘と父親が一緒にお風呂に入るのはちょっとどうかしらとおもう母親です。娘の姿で初潮が来たとか旦那に言わないでほしい。高校生の門限が8時って早すぎなのでは??????とかなんかいろいろ文句をつけたくなったけど、最後にはふつうに泣かされました。そもそもの仕組みがよくわからないので、娘の体で生き直しを図る母親というものが何にどう影響を受けるのかぜんぜん理解できなくて、だから尚子ではなく藻奈美として生きることにしたっていう苦渋の選択に、なんでそうなるん?????ってハテナしか出てこない。いや、泣いたけどさ。直子の記憶がいずれ薄れていくものなのだとしたら、まあこの先の人生は長いしな、とおもうけど、ただふつうに娘のフリをして生きていくだけなのだとしたらぜんぜん意味わからんし理解できんし、別に一生誰とも結婚せずに生きて行けばよいのでは????性交渉がなくてもぜんぜん家族ですし、夫婦ですし、問題ないですし、なんなら犬でも飼えばよいのでは。藻奈美と結婚した文也(ドラマ版で田中圭ちゃんが演じてると知って見てみたい)は藻奈美の中身が直子であることをずっと知らないまま生きていくの?気づかないものなの?文也はそんなにポンコツなの??それは誰にとって幸せなことなの?専業主婦としてしか生きられなかった直子が生き直して脳医学()の研究者になったのに、それでも誰かと結婚しなくてはいけなかったという「思想」や、家事も勉強も部活動もこなす直子の生活が過酷すぎて平介の家父長制に染まった姿が前時代的。まあ、泣いたけどさ。

背筋「目が」(73)
読了後におもわず「目」の数をかぞえてしまった。ちゃんと20ポイントだった!というスッキリはありました。

東野圭吾「分身」(再)(74)
クローンのお話は今クールドラマ「一次元の挿し木」を彷彿とさせ、氏が後世に与えた影響というものを考える。祖を同一とする二人のクローンがなかなか出会えないの、携帯電話のない時代の小説だなあとおもう。今なら映像通話で一発解決☆ってことがままならないことのもどかしさ。

東野圭吾「誰かが彼女を殺した」(再)(75)
もちろん初読時の記憶はないので初見のように新鮮に読みました。たのしかった。巻末に解説があるという文庫版で読んだので、ちゃんと犯人がわかってよかったです(ひどい感想)

月村了衛「機龍警察 漆黒社会」(76)
シリーズ第一部完結篇という位置づけの機龍警察シリーズ7作目を読了。前作「白骨街道」が2021年だったので5年ぶりですね、ええ、このわたしが委細を覚えてるわけがなかろう(ドヤ)シリーズを再読せずに新作に挑みましたが、感触としては五分五分かな。知らないキャラクタがおる(ノアム・シェラー、きみは誰や)とはなった。あと城木理事官のお家騒動のことがぼんやりとしかわからなくて苦戦した。おかしな京都弁の女については前作の感想にあったのできっとそれがそうなんでしょう。キモノの名前とカタカナのキャラクタ名が覚えらず判別できず混乱した。老いを痛感。前2作が機龍兵が一切出てこない機龍警察であったところへ満を持しての機龍兵総力戦に血沸き肉躍る。しかし彼*2の殉職には慟哭した。敵陣営の馮の最期はわたしも痛快だった。別班という文字にも心が躍る。イスラエルが「それどころ」ではないリアリティ、それを言い訳に様々なことが見過ごされる時流。改憲をすすめるために警察の治安能力を不安視させる世論を作り上げるためのテロ計画が中止になったのはそれをする必要がなくなったから、テロを起こすまでもなく都合の悪いことは法を無視し閣議決定で既成事実化し、「敵」はすでに勝利しているのだ、という沖津部長の言葉に絶望する。社会は漆黒。先の見えない闇の中をわたしたちは生きている。「敵」は勝ったがわたしたちが負けたとは言っていない、という彼の言葉が希望。第二部にも期待。

三浦しをん「夜の恩寵」(77)
久しぶりのしをんさんの連作短編集。エイヒレ編に一番しをんさん味を感じた。

阿津川辰海「デッドマンズ・チェア」(78)
ひたすら文章(特に会話文。みんな「えっと」って言いすぎ)との相性が悪い...と眉間にしわ寄せながら読了。そのせいでミステリに淫しきれなかったのがざんねんすぎる。警察機構のチームリーダーが「敵」というのももっと評価すべきなのではと思いつつ、いや、そんなバカな、とおもたり。異能力者の警察機構というのはドラマ「DOPE」をおもいだす。

東野圭吾「白鳥とコウモリ」(再)(79)
映画の原作を再読しました。見事に主演二人で脳内再生されて違和感なかったのでキャスティングに納得度が増した。序盤の証言に「頭のおかしい人間に、きちんとした動機もなく、衝動的に殺されたのでは」と出てて唸る。

小砂川チト「ゾンビ回収婦」(80)
第175回芥川賞受賞作。AIに仕事を奪われた人間がVRのゾンビゲームの世界に嵌ってノイローゼになる話。と言えば身も蓋もないんだけどいかんせんゲームについて造詣がまったくないので。

寺地はるな「きよくしぶとくやかましく」(81)
おもしろかったー!ゲラゲラ笑いながら読了。寺地作品は三作目で、なかなか分かり合えないなあとおもてたのに今回はめちゃくちゃ気が合いました!いわゆる「さす九」なムラ社会でのどこか不穏さが漂う日常が、断固として抗うという頑なさではない柔軟さを持ち合わせていたのがとてもよかった。地元自治会の集まりに女性たちがおさんどんを押し付けられ、男性が酒宴をたのしむという旧態然とした日常を、わきまえない年長の女性たちが変えてゆく様はそうであってほしいとおもうし、そこに賛同する男性もそりゃいるだろうし、もちろん反対する従前のやり方を支持するひとたちもいるだろう。変化の過渡期のスリリングさがたいへんおもしろうございました。

真山仁「ウイルス」(82)
どう収拾するのかとおもたらめちゃくちゃ尻切れトンボでビックリした!なにも解決していない!!エボラ様の症状が出る感染症が蔓延する世界の物語は、かつてのコロナ禍の再来であり、あの時の教訓をいかに活かすかが見どころであったとはおもうんだけど、成すすべもなく重要人物たちが次々と退場していってしまったのはショックだった。せめてなぜ感染しない人がいるのかという謎は解明されてほしかった。二度あることは三度ある。きっとまた遠くない未来に世界は未知のウイルスに脅かされるんだろうなという予感。

米澤穂信「談話室米澤」(83)
よねぽんのエッセイ読みました。一番おもしろかったのは、北陸新幹線の愛称についてのくだりで、めっちゃ早いやつ、そうじゃないやつの2タイプの名づけを「さば」「しめさば」という足の早さでおもいついたというやつがずっとおもしろくてわらってます。

 

・「母さん、ラブソングです」(SkyシアターMBS)
何の心構えもせずに観劇して、まだちょっと心の整理がついてないんだけど、とりあえずぴろしありがとう!!!!!!!ちょ、おまえすげえな、めちゃくちゃ良かったよ、始まってからずっとぴろしすげえ、ぴろし良いわあって言ってた(心の中で)まじ感謝。まじありがとう。ラブ。ぴろしがどう思ってるのなんかわかんないけど、なんつーかこういわくつきの舞台にさ、つきあってくれてありがとうってわたしなんかはどうしても思ってしまう。もしかしたら誰も不幸な人なんていないのかもしれない。でも、もしかしたら、この舞台を成立させることによって誰かがしんどい想いをしてるのかもしれないかもしれない、ってことをどうしても考えてしまう。邪念しかない。虚心坦懐に観られなかった。なのでぴろしありがとう。この壮大な茶番(って言ってしまうけど)につきあってくれて、あまつさえめちゃくちゃいい芝居を見せてくれて、ほんまにありがとう。これだけのものを出してもらって、彼らは、彼と彼のファンたちは、ちゃんとお返しが出来るのかな、ちゃんとせえよ、ではわたしはどこの立ち位置にいる???と悶々とするばかりでまだなんとも言えない。両手放しで絶賛もできず、かといって全部だめだったって否定することもできず。言えるのは、ぴろし良かった、ありがとう。ってことなんだよ、やっぱり。亡くなった母親へのラブソングとかそんなのよく考えなくても泣くに決まってるし、泣いたし、なんかそういうので泣かせにくるのズルくない??ってosm氏におもうし、かといえば序盤にネットで炎上する落ち目のミュージシャンに、酒に酔ってるのは俺ではなく世の中のあいつらだって言わせるのとか頭抱えちゃったし、謹慎中なのにマスクしてサングラスしたらバレないよという落ち目のミュージシャンにおまえカジノでバレてたじゃないかってマネージャーの弟が言うのとかもさあ、ねえ!!って天を仰いだよね。歌はよかった。歌いこんでるのがよくわかるし、きっとたくさん練習したんだろうし。VTuberのストロングキャットがニャーニャー言うのとかふざけすぎてて誰かに怒られないかしんぱいした。

 

・買ったもの

    

ミーハーなのでasicsのGEL KAYANOを買いました、ミーハーなので。NBに飽きたので他のイカツいスニーカー探してたら、カッコイイなっておもうやつだいたいasicsとかMIZUNOで、関西発祥の国産ブランド頼もしい。梅田行った時にグランフロントの店舗でちゃんと試着して買いました!KAYANOがデザイナーさんである榧野さんの名前を冠したものだってさっき知りましたが、ベロ部分に漢字で表記されてるのカッコよすぎで国産ブランド誇らしい。またこれで建築祭の京都をいっぱい歩くぞー。

 

・見た夏ドラマ

「君の好きは無敵」
松本若菜と松村北斗ドラマの二番煎じじゃねえのって薄目で見てたんだけど、二匹目のどじょうはそう簡単にはすくえないよねというのが感想です。佐野くんのビジュアルすごいよかったけど、ちょっとエキセントリックすぎた。本郷奏多センパイとの共演はわたし的には映画「凛」以来でめちゃくちゃ滾りましたが!!本郷奏多センパイが佐野くんより8歳年上とか何かのバグ。

「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~Season2」
一課長がふざけすぎなのちょっと許容できないなとはおもいつつ、相葉ちゃんに毎回無理を押しつけられて、「僕の叔父は(ry)つまり、僕はいずれあなたの上司になります」というお約束セリフでわらってしまうのでいいお客です。

「大空港~GATE24~」
途中にあっちゃんゲスト回があったりなどしてたのしかったです。

「Tシャツが乾くまで」
なんだかんだで完走しました。

「告白-25年目の秘密-」
松村北斗のパブリックイメージが十二分に活かされてたのがすばらしかったです。そのことにみんなが納得してたのがすごい。まあ松村北斗だしなって。時々大泉洋のお芝居に見えるときがあるの、それはいいんですか、って問い詰めたくなるw今のちょっと大泉洋入ってたよねって言いたくなる場面が少なからずあった。あったよね?

「マイ・フィクション」
たまちあの主演ドラマたのしかった!

「一次元の挿し木」

*1:筋肉を武器ではなく自信にする愛すべき陰キャがめちゃくちゃすき。

*2:由紀谷警部補

2026年8月号

なんとなくエンタメ欲が減退しているのを感じてる。あと、元気がないかもしれない。

今月は映画館に一回も行かなかったなあという現状がそうです。

 

・読んだ本

真保裕一「警察へ行こう」(63)
強面の捜一刑事が広報課に異動になってマスコットキャラクタの着ぐるみに入るという設定で、業務中に遭遇した事件を解決し、出頭しましょうと促すときに「警察へ行きましょう」と言うのがタイトルになってるわけですが。異動の原因となった事柄も無事解決で大団円。でめたしでめたし。

芹沢央「あなたが正しくいられたとき」(64)
行き場のなかった短編たちをなんとかまとめたという一冊。どれも後を引く良きイヤミス(良きイヤミス)作品でした。

法月綸太郎「法月綸太郎の不覚」(65)
法月綸太郎シリーズについてまるで記憶がないけど、記録によると何作か読んでるはずです。警視庁内で暗黙の了解となってる警視の息子・法月綸太郎が捜一の非公式アドバイザーであることについてその運用が見直され、親子の会話を録音しなくてはならない云々のくだりでは大笑いしましたが、次の回ではその運用がすでに廃止されててまた大笑いしました。時代の趨勢に探偵の在り方もまた日進月歩、朝令暮改、刻々と変化していくものとして描かれてるのがおかしかったです。法月先生もどうぞ今後とも息災であられますように。

東野圭吾「永遠の記憶」(66)
内海薫はいつ結婚して息子を産んだの???というレベルのガリレオファンなんですが、この「最後の謎」が最後の謎すぎてめちゃくちゃやられました。20年越しの謎。まさかここでこのタイミングで解決すると思わないじゃないですか、東野さんはすべてをコントロールしていたのか。驚愕。やられた。思わず本を投げだした(本を投げてはだめです)直木賞受賞時にも、映画化された時にも、たしか、この部分が批判されたりなどしていた気がするのを、20年越しに伏線回収するとは。こんなことってある?見事な最後を見せてもらいました、ありがとうございました。ほんとうに、有栖川先生はちゃんと火村先生の最後を回収してくださいねと心から願っております。

万城目学「ホルモー燦燦」(67)
温めすぎてたホルモー完結編、とうとう読了してしまいました。先立って「ホルモー六景」を読み返した時に感じた、ホルモーが京都だけのものではない、という事実が思いのほか受け入れがたく、あれは長い歴史を積み上げてきた彼の地ならではの不思議ではないのかと、そんなことがあっても不思議ではないな、なぜならば京都だからという説得力だったんじゃないかと、わりと悶々としたのが今回も引き続きありました。東京タワーでホルモーも、社会人ホルモーも、あーー...、みたいな。わたしは京都の特別感を愛していたし、大学生の青春を愛してたんだなってわかりました。すまない。

下村敦史「ネタバレあり 双紋島の殺人」(68)
登場人物も宿泊する小屋の見取り図もちゃんとメモして万端の態勢で挑みました。どれが「過去の章」であるかはわかったし、一人目がそこに絡んでくるだろうこともわかったし、きっと名探偵は名探偵ではないだろうなともおもってたので五分五分ではないでしょうか!いや、嵐の孤島に人喰いサメが出てくるのが一番無茶すぎてわらいましたwww

吉田修一「タイム・アフター・タイム」(69)
一気読みしました、おもしろかったです。大人になって再会した高校生時代の二人。過去に何があったのか、少しずつ描写されていくのに引きずり込まれた。彼女は笠原桃奈ちゃんのイメージ。20年後のオッソーが若いころの彼とつながらなくて何度か混乱した。

東野圭吾「悪意」(再)(70)
氏のわたし的ベストを再読。死後に名誉を傷つけるという動機の底知れぬ悪意。恐ろしい。彼が古い大学ノートや原稿用紙に必死に手書きしたというその執念たるや。末期癌に侵されているからこそのやけっぱちっぷり。ありもしない盗作と不倫をでっちあげられて、被害者とその家族がほんとうにかわいそうすぎた。FAXを使ったトリックやシャンペン表記に時代を感じる。あと神経集中のために出刃包丁投げる剣道部顧問も完全にアウトですよね、ひどすぎる。これは加賀恭一郎シリーズの初期の作品なんだけど、加賀恭一郎というのは氏にとってキャラクタ考えるのめんどくさいから前に出したやつをここでもつこたろ、というスタンスであったとずっと記憶していて(間違っていたらおしえてほしい)それがいつの間にか立派なシリーズものの主人公になってて、さぞ氏も各作品にでてきた加賀恭一郎の辻褄を合わせるのに苦労されたことであろう。すっかり阿部寛の加賀恭一郎が定着してしまったけど、この「悪意」がドラマ化された時にはなんと関西のコロンボという設定で間寛平ちゃんが加賀恭一郎役だったの今もゆるしてない。*1あと作中で「人間を描く」というくだりがあるんだけど、ああ...そういえばミステリが「人間が描けていない」といって文学的に批判されていた時代であったな...と感慨深かったです。

東野圭吾「流星の絆」(再)(71)
ドラマ「田鎖ブラザーズ」放映時にドラマ「流星の絆」と設定が似てるなというレビューが散見されて気にはなってた(もちろんなにひとつ覚えていない)のを再読。なるほど、両親が殺害されて兄弟が遺されるという設定がそういうこと。だとすれば、信頼する身近な人が犯人なのではないかと予想されるのもむべなるかな。犯人のネタバレだけは覚えていたのに、なんでそうなるってふつうにビックリできたので、記憶をなくした過去作の再読はふつうにたのしかったです。自分のドラマ感想を見るとすごいにっきどさんにメロついてたのですごく映像が気になってる。機会があれば見てみたいです。なるほどクドカンか。

 

・Amazon Primeで見た映画

「六人の噓つきな大学生」
原作既読。佐野くん出演映画見ました。いい役でしたね!見たことのない佐野くんでたのしかったー。一番背が高いのもなんか改めて佐野くんて180cmアイドルなんだなって実感した。そういえば封筒を最初に見つけ、中の暴露封筒もさっさと開封した彼はやっぱり怪しかったよね。同意書のコピーを手元に置いていたのも彼の罪悪感の現れだとわかるし、彼女があれは同意だった、それなのに彼は自分を責めすぎている、彼は厳しすぎる、周りの人間にも、自分にも、という言葉に泣きました。だからこそ赦せないことがあって、なんもかんもぶっこわれりゃいいんじゃ(上林くん)ってなるのも納得した。

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
九龍城はロマン。公開時に見逃してたやつ見ましたー。ハイロー民がざわざわしてたのでこれはわたしも見なくてはいけないやつとおもてたやつ。なるほどハイローか。しかし刃物がわんさか出てきて痛かったので(痛かったので)やっぱり喧嘩はこぶしとこぶしでやらなあかんですよ...(喧嘩ではない)(いや喧嘩か??)オッサンたち元気で何よりですなとニッコリしてたのにもちろん健やかには終わらなくて、大人たちの遺恨を下の若いもんにまで背負わせるのはそらご無体なとおもうも、彼を助けようとする龍兄貴と殺意を向けたものの刃を下す判断をした虎兄貴とどうしても家族の恨みを晴らしたい気持ちが拭えずに暴走してしまう秋兄貴という三者三様の大人の有様と、その下に集う若者4人の青春模様に、なるほどなるほどなるほどと理解を示してしまうのであった。わかる。劇中に出てくる日本でお馴染みのポップスや日本語たちに、よその国に愛される日本でずっとありたいなとつよくおもうなどした。音楽の川井憲次氏のクレジットにこないだドラマ「犯罪者」でも見たなと感慨深いパトレイバーファンです。

「狼 ラストスタントマン」
石田卓也くん出演映画見ました。スタント界隈に疎すぎるのですごさがぜんぜんわからなくてもうしわけない...最後のあの回転して海にダイブするカースタントが超絶凄いことだっていうのは理解した。しかし石田卓也くんの悪徳NPO法人のくだりがこの映画に必要だったのかと謎だったんだけど、どうやらプロデューサーでもありスタントマンでもある高橋昌志さんが亡き愛犬に捧げた映画らしく(エンドクレジットに出てきたのが愛犬の名前とおもわれる)動物虐待絶許のメッセージが織り込まれてるようです。なるほど。そのための石田卓也くんだったんですね。彼も愛犬家なので。チラリと映った首の後ろのタトゥーに、おおお、と声が出ちゃった。あと、主人公の亡くなった父親役として写真に写ってたのはどうやら高橋昌志さんの亡くなった弟御らしく、彼の名前も献辞にありましたね。なるほど。

「ひつじ探偵団」
ひつじたちかわいかったーー!愚かで憶病なひつじ、冬生まれのひつじといったひつじについての知見がまったくないのでピンとこない描写が多かったのくやしい。あと、迷える子羊とか黒い羊とかなんか宗教的な知識もきっと必要なんだろうなというふんいきも感じた。わからぬ。あと、舞台がイギリスであったこともさっききづいた。洋画むずかしいー。

 

・テレビで見たもの

ドラマ「15歳の志願兵」(再)
NHKで再放送されたものを録画視聴しました。わたしは当時もリアルタイムで視聴していたので、そうすけと太賀が16年の時を経て大河ドラマで豊臣兄弟やることの感慨というものを大いに深く感じておりますよ(これはマウントです)19歳のそうすけの若いことよ、わっか!そうすけわっか!!しか言えなかった。きゅるんきゅるんのそうすけがこの先クズ男の似合う役者になるなんてイチミリも想像していなかったころ。まっすぐな17歳の太賀の視線に、わしが太賀を育てたと言いたくなるわたしのきもちもわかってもらえるとおもうの。放送当時と違って今では近くで聞こえる戦争の足音に、こんな風に死にゆく若者たちやそれを止めることのできない大人が同じ轍を踏むことがありませんようにと願うばかりです。戦争反対。

映画「日本のいちばん長い日(2015年)」
1967年版ではセリフの聞き取りが難しいながらも事態の把握が出来たことに驚くという体験をしたけれども、今回はセリフは聞き取れるのに事態がまったくわからないという現象に陥った。人物の相関がなかなか把握できずに困ったんだけど、これはなまじセリフが聞き取れたばっかりに、それ以外のことにも意識が向いた結果なのかなとおもた。集中力をどこに使ったかの差分。阿南さんの置かれた立場というのがわかり難かったけど、次男に最期を伝えようとする家族の姿には泣かされたし、結局それが間に合わずに自害した彼の枕元でずっと語り続ける神野さんに泣きました。戦争反対。笑顔のない松阪桃李くんは坊主が似合わないなあという感想。終盤に出てくる戸田恵梨香ちゃんに、夫婦!夫婦!!と叫びました。ハオ(好)。

ドラマ「憶えのない殺人」
何か原作があるのかとおもたらそうでもないそう。

映画「ルックバック(2024年)」
原作はTwitterに発表された時に読みました。特に感想はないです。実写化されるということでアニメ作品を見ましたが、世の中で評価されていることは理解するものの、わたしの物語ではないなあというのが感想です。クリエイターたちがこぞって自分たちの物語を語り始めるための装置なのはわかるけど、わたしにとってはそうでなかった。近くに存在する天才に打ちのめされるという経験をしていないので。

 

・「たけとりKAGUYA」(徳島あわぎんホール)
るみこさんの舞台を観ましたー!るみこーーー!俺だーーーーーーーーーーーーー!!!!!というのが感想です。口の悪いるうさんさいこうだった。宇宙人役といえば月組「BADDY(2018年)」を思い出すのですが(8年前ですって...!)じいやだった時より若返ってないですか???????????テカテカのお衣装に負けないジェンヌヂカラが炸裂してたし、歌も笑い()も満喫できてめちゃくちゃお得でした!!!!地上に降りたジェンヌたちの活躍の場がもっともっと広がることを期待します。埋もれさせるには惜しすぎるものがこの世にはありすぎる。子どもたちが舞台を観ることに馴れ親しむことで舞台の世界をより発展させようというコンセプトには共感したけど、まだまだ日本では難しいことだなあと思ったのも事実。もちろんそれは観客側だけの問題じゃないので、どうか気軽に舞台を観られるようになる世界が来ますようにと願います。タカラヅカのチケット簡単に買えますように。

*1:山内練役を吹越満がやった時と同じくらいゆるしてない。今なら山内練はラウールがいいかな☆

2026年7月号

・観た映画

「ラプソディ・ラプソディ」
高橋一生くん主演映画を遅ればせながら観ました。ビジュが若い!!!!これはなんだか懐かしくなる高橋一生くんだね。何歳設定なのかがなぞだけど、呉城久美さんの妻役は昭和63年生まれとあったので37歳?若っ、ておもたら呉城さんが39歳の人だった、ビックリ。若く見えすぎる。利重剛さんが映画を作る側の人だっていうのも知らなかった。高橋一生くんの叔父さん役で、なんかちょっと似てるんだよね。ビジュもそうだけど、お芝居もよく似てた気がする。血のつながりがあると言われたら信じてしまうかも。絶対に怒らない男 meets 触れるもの全て壊してしまう女、というフレーズが鑑賞後に響いてる。序盤にレストランでワイングラスの足が折れた時にはそんなことある?????ってゲラゲラ笑ったし、終盤の公園の遊具が取れちゃった時にも、笑ったんだけど泣いたんだよね。怒らない男は怒らないために自分を律しまくって周囲の人間の人生に参加しないように細心の注意を払っている男で、触れるもの全て壊してしまう女は自分が諸悪の根源であることを心の底から恨んでいて誰よりも自分が一番自分のことを嫌いでいる女だった。そんな二人の不思議なボーイミーツガール。破壊的なキャラクタの彼女にどうなることかと心がザワついたけど、結局彼にとっては彼女と出会えたことはこの上ないラッキーなことだったんだよね。出てくるキャラクタぜんぶよかったんだけど、やっぱり利重さんの器のデカすぎる叔父さんがさいこうにすばらしかった。横浜の風景もこないだ現地に行ったこともあって馴染みを感じた。お花が丁寧に扱われている場所が多くて驚いたっけ。

「口に関するアンケート」

「時をかける少女」
わたしのオールタイムベスト映画のひとつである時かけを初めて映画館で観ました!!!!!!!!!!!よ”か”っ”た”よ”ぉ”ぉ”(号泣)やっぱり夏に観る映画といえば時かけ。初めてテレビで見た時からずっと毎年7/13はナイスの日だなっておもってるし、もくもくの入道雲が浮かぶ青い空、蝉の声が響く人気のないグランド、三人で行く約束をした夏休みの花火大会、どこを切り取ってもすきな場面しかなくて、序盤のプリンがどうしたで嗚咽が漏れましたあかんです。千昭(CV:石田卓也)と出会ったのは2008年の7月(おおお18年前しろめ)まだわたしが石田卓也くんの顔も知らなかったころ。そう、石田卓也くんとの出会いは千昭でした。その後観る映画全部に石田卓也くんが出てるんじゃないかっていうくらいにスクリーンで見かけることになり、そこから気になる存在に。2009年の舞台「鴨川ホルモー」とドラマ「救命病棟24時第4シリーズ」と映画「ROOKIES」「火天の城」等充実した年でしたね(遠い目)そんな彼の今となっては唯一にして至高のアニメ映画出演作品。いい大人になってから見たはずなのに、彼らの青春が胸に刺さって今も抜けないでいるし、セリフのすべてがだいすきだし、いまでも「ガーネット」と「変わらないもの」を聞けば無条件で泣くし、あなたはずっと特別でたいせつなんだよ;;;;ってスクリーンを見上げながら何度も泣いた。これは元ネタ(って言うな)の元祖時かけを知らないからこその「すき」なんだなっていうのはわかるし、むしろ知らないでこの千昭に出会うことができてほんとによかったよって感謝しかない。いまさらだけど元祖を読んでみようかなって気になってきた。*1あと、石田卓也くんのお芝居を聞きながら、ああ、これは佐野くんに似てるなって思った何度かおもった。佐野くんに千昭のセリフを言ってもらいたいです。

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・読んだ本

島本理生「ノスタルジア」(55)
5年前にいなくなった恋人を想ってスランプに陥る女性作家と、宗教二世の殺人犯の息子がひょんなことから同居することとなり、何かが起こらなかった世界にスライドするかのような経験をしていくうちに、過去を乗り越えて二人で暮らすハッピーエンドで終わる物語でした。いなくなった恋人が亡くなっていた展開に心を掴まれて、その彼が小児愛者であることをほのめかす描写に、彼が死を選んだ理由がわかった気になった。

窪美澄「君の不在の夜を歩く」(56)
同級生5人組のうちのひとりが自死した。残された4人と、それを見守る魂(?)の一生。死を選んだひとの死後まで読ませるのが興味深かったです。人の輪の中心にいがちな才色兼備な彼女が精神的に不安定だというのがなかなか共存できないイメージで混乱した。宗教を否定してきたはずの二世がまた宗教に戻ってしまったことがショックだった。彼になにがあったのか。猫を捨てがち。作家と宗教二世というモチーフが先に読んだ島本理生とおなじだったことに意味をさがしてしまう。

櫛木理宇「鬼門の村」(57)
ラジオに投稿された怪談を整理するバイトをする青年が見事に怪異を回避し、因習村を破滅へと追い込むエンディングに快哉。ばらばらに見えたエピソードが実はつながっていたと分かるホラーというスタイルは某近畿地方とかおもいだすんだけど、*2さすが本職の作家さんが書くものは読みごたえがありますね、という感想です。おもしろかった。絶望の果てに最強の呪いが生み出される過程が恐ろしかった。呪いを飼いならすことで強くなる。恐ろしい。

桐野夏生「眠れぬおまえに遠くの夜を」(58)
韓国の芸能界のお話。桐野さんが東方神起推しと聞いて合点がゆく。5人組アイドルから2人が脱退するエピソードで、グループとしてすきだから分裂がゆるせないと憤る女性教師が印象的だったので。自分の「好き」を昇華させるための作品だったのかな。性加害絶許な文化に憧れる。芸能界にも学閥があるというのがかの国ならではなのかな。あと仄聞する実家の太さの影響力。彼をモデルにした脚本のせいで不利な状況になるのではと危惧したけど、中途半端な扱いで拍子抜け。きっといろんな事柄にモデルがあるんだろうけど東方神起以外はピンとこないし興味も持てなかった。

月村了衛「テロル」(59)
元総理銃撃事件が起こる終末の日本の物語。彼の絶望はわたしの絶望と同じだ。彼ほどの焦燥にはまだ駆られてない。狙撃犯はテロリストだったのか否か。SNSが舞台となって繰り広げられるばかばかしい狂騒。宗教二世問題や性加害芸能事務所問題、ヘイトスピーチをまき散らす新興政党とその支持者、闇バイトに関わるひとたち等月村さんの怒りと絶望が伝わってきて暗澹たる気持ちになる。本当の最悪になる前にこの世界から退場したいとおもってるけど、果たして今が最悪でないと言えるのだろうか、まだだいじょうぶ、と信じてるだけの茹で蛙なんじゃないか。

蝉谷めぐ実「見えるか保己一」(60)
山本周五郎賞受賞、直木賞候補作読みました。検校という言葉を知ったのは大河「べらぼう」の鳥山検校です。はて、女性の盲人はどのように生活をしていたのでしょう。見えないものが見えると言われた彼が、見えるわけないだろうと慟哭する終盤の場面で、これは美談ではない、偉人伝ではないとわかった。わたしは輝ちゃんのことを信じてたし、もしかしたら彼のことをずっと影で見守ってくれて、自身も出世したのは輝ちゃんなんじゃないかっておもったので、そうではなかったことにガッカリです。幼少時にただ目が見えないだけじゃないかと彼を対等に扱った輝ちゃんのことを信じてたのに。様々な画策も、彼よりも輝ちゃん自身にダメージが大きかったのもかわいそう。

米澤穂信「倫敦スコーンの謎」(61)
小市民シリーズに思い入れがなくてすまない。完結したシリーズの、その終わりの前の話。よねぽんの青春ミステリにずっと慣れない。

原田ひ香「#台所のあるところ」(62)
第175回直木賞候補作。謎風習の島がこわかったです。内藤と鈴木が吸収合併されて「ナイス」になるのはおもしろかったです。

 

・Prime Videoで見たもの

ドラマ「犯罪者」
高橋一生くん主演ドラマ見ました。見たことのないビジュアルだったの新鮮でビックリして、わりと最後までなじめなかったwや、まだ知らない顔を見せてくれるのありがたいですね。斎藤工くんとの信頼関係は映画「blank13」由来だなあとわかるけど、彼の水上恒司くんへの関心が実に興味深かったです。若い役者に対する彼の見方にとても興味がある。実におもしろい。彼が信頼するならわたしも信頼するかな、というくらいには彼のことを信じてるので。良きトリオだった。

 

・東野圭吾氏訃報に寄せて

あまりにも想像していなかった早すぎる訃報に言葉をなくしました。わたしが氏の作品を知ったのはたぶん10代のころで、そこからミステリの世界に耽溺し、刊行された作品はすべて読んでいるという自認。すきな作家は東野圭吾であるとずっと言ってたし、今もそうだし、これからもそう。わたしはずっと氏の味方だった。もちろんすべての作品と分かり合えてたわけじゃないけど、それでも新作が出るのをたのしみにしていたし、読まない選択肢はなかった。これからもずっと読み続けるのだとおもってた。とてもかなしくてさびしい。もう新作が読めないなんて。さびしいです。

*1:個人情報なので取扱注意なんですけど去年産まれたお孫ちゃん(男児)の名前が「ちあき(漢字は千昭ではない)」なのめちゃくちゃ言いふらしたいです!!!わたしがゴリ押ししたんじゃないんです、偶然なんです!!!!!!!

*2:六部というモチーフも某聖地巡礼にあったし。