茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

道尾秀介「透明カメレオン」(17)

 

透明カメレオン

透明カメレオン

 

わたし読書中ずっと伊坂幸太郎作品だと思い込んでて、さすが一筋縄ではいかないなぁ、伊坂さんにしてはヘビーだなぁって思ったりしてたんですけど道尾さんでした。でも伊坂作品と思わせるような軽妙な会話のあれこれにハートをくすぐられたので、たぶんすごく伊坂さんっぽい。陽気なテイストの中に潜む陰の部分が言われてみれば道尾さんで、あとタイトルのカメレオンがとっても道尾さんっぽい(まるきり「向日葵の咲かない夏」のイメージ)

途中まで恵のキャラをどうしても好きになれなくて、みんなが彼女を助けてあげようとするのが気に入らなくて納得できなくてどうしてそんなお人好しなのよーって思ってて、キョウちゃんが彼女に恋をするのも納得いかなくて、酷い仕打ちをされても好きでいられるってどんだけドSなのよーってドン引きでした。それは最後まで変わらなかったけれど。絶望の日々を送ってた彼にとっては救世主だったんだろうか。いや、そんなことはないよね?コンプレックスを刺激され、日常にずかずかと入ってこられ、振り回されたことが、救いになってた?・・・そうなのかなぁ。