茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

新藤冬樹「ホームズ四世」(17)

ホームズの孫もワトソンの孫もモリアーティの孫もみーんな日本にいましたー、ってお話でした。 

ホームズ四世

ホームズ四世

 

そんなわけあるかーーーーーーい!!!!

いやもうホームズの曾孫がホストっていうその設定だけでしたね^^なんせ檸檬があかんかった。なんやあいつ。わたしああいう、え、なんで、どうして、どういうことなの、ってキャンキャンわめく女子が苦手なんだよ・・・おまえはだまっとれ!!!!!!ってなんべん本に向かって言うたことか。結局ぜんぶ茶番だったけど!その挙句に「きみのことすきになったかも♡」「ぼくもだよ♡」とかふざけとんのかおらーーーってあやうく壁本にするところでした。あぶないあぶない。

ただのボーイミーツガールであった。疲れた。

湊かなえ「山猫珈琲」上下(15)(16)

湊さん初のエッセー集読みました。 

山猫珈琲 上巻

山猫珈琲 上巻

 

 

山猫珈琲 下巻

山猫珈琲 下巻

 

タイトルから思い浮かぶのは学生時代に何回か行ったことのある学校近くの「山猫軒」というお店。懐かしい。竜安寺の近くという立地の割にはいつも空間が広かった気がする。でもそれよりもしょっちゅう行ってたのは東門出てすぐの「無限洞」だったっけ。ぶ厚いトーストをよく食べてた。あと女子大生っぽいことしたい時は「まざあぐうす」行ってお昼ごはんにケーキセットとか食べてた。でもだいたいは学食行ってたかな。わたしは産社の学食がテリトリだった。もしくは存地下。または以学館。ああ、懐かしいね。ぜんぜん本の感想じゃないんだけど、阪神大震災の時わたしは学生で、震災の影響をなにも受けず呑気に生きていて、でもその年の年末に神戸に初めて開催されたルミナリエを見に行って、うねるアスファルトの歩道にひどくショックを受けたのだった。でもそれだけだった。なにひとつ行動に移せないわたしはほんとうにつまらない人間だった。「絶唱」の中で境界線の内側と外側について言われてたけど、わたしはいつだって外側の人間で、いつか内側に立った時どんなことを思うんだろうと、まだ他人事のようにおもってる。

なんてことを、読みながらつらつらと思い出してた。やっぱり同世代の作家さんだからかな。作家になるまでの軌跡と山登りと自転車とトンガ。それらの中にわたしとの共通項はないんだけど、でも見てきた風景とか思ってきたこととかが似てるんだろうなって感じながら読んだエッセー集でした。

竹本健司「涙香迷宮」(14)

ミステリランキング本を読もうキャンペーン。

このミス1位、早川2位、本ミス4位、文春3位。

圧巻でありました。 

涙香迷宮

涙香迷宮

 

いやもう何を言ってるのかさっぱりわからない。そもそも黒岩涙香という人物を知らないし、連珠も知らないし、棋譜だか碁譜だかがバーーって出てきても、・・・うわーってくらいしか思えないし、終盤のいろはにいたっては、もう斜め読みもいいところで、これは創作なの?それともほんとうに涙香の残したものなの???ってそんなことばっかり気になって、でも最後の謎解きからの回文(じゃないけど)が表出したときにはおおおおお、と背筋が伸びました。お見事。さっぱりわからんけど!「たいこめ」が酷い。ググったけど酷いwwwいろんな世界を知ることができたのはおもしろかったです。モンテクリスト伯を「巌窟王」、レミゼラブルを「噫無情」と訳したのは彼だというエピソードとか。

どうやらシリーズもののようで超人的頭脳を持つ智久くんが天才棋士でその彼女が女子高生であるとかいうキャラ説明がないままに事件が起きたりするあたりの不親切さとか、その以前あった事件からの流れだろうと推測される彼への警察の信用っぷりとか、あとはオマケのオマケのオマケでしかない殺人事件のアレコレであるとか、最後に中絶される水平思考パズルの正解とかもうどうでもいいよね!ってなるほどの圧倒的な世界でありました。