茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

皆川博子「アルモニカ・ディアボリカ」(12)

ミステリランキング本を読もうキャンペーン。

このミス17位、文春13位、早川4位。

 

「開かせていただき光栄です」の続編で、およそ三年前に前作を読んだのですが基本設定以外は(いつもの通り)覚えてなくて、肝心な事件そのものを覚えてないのは厳しかったです・・・。

事件を起こしたことによって出奔した三人のその後と、彼らのうちの一人のナイジェルの数奇な人生が明らかにされて、警察機構のまだなかった時代のイギリスにおける権力を持たない人たちの苛酷な人生がほんとうに苛酷でツラかったです。

人を人とも思わない権力階級の人たちみんな滅びろ。

なんせカタカナに弱いので、登場人物を把握するのに時間がかかってしょうがなかったです。老化を実感するのってこんな時。

だから、この人物が実はこの人だった!みたいなビックリを全然ビックリできなかったのが悔しすぎる。誰やねん、みたいな。

この人とこの人が兄弟で、夫婦で、恋人で、っていうのを把握するのもしんどかった。物語の筋以外のところで頭使って疲れるのやめたいです。

ナイジェルのタイテーニアっぷりとかはほんのり出てきて、彼に翻弄される人たちのお話だったんだけど、前作での感想でもほのめかされるだけだったナイジェルとエドの関係と、あとアボットとの関係とか背徳的でそういうところに興味を持ってしまうゲスい人間なことを反省したくなったけれどもこれ戦争に行ってしまった二人のその後ととかの続編が出るんでしょうか。いや、クラレンスが出て行ったの割と唐突でびっくりしました。