茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

宮部みゆき「悲嘆の門」上・下(30)(31)

連続猟奇殺人事件のミステリかと思いきや上巻の途中からファンタジーになってきていやもう違う意味でしてやられましたよ!!!

 

悲嘆の門(上)

悲嘆の門(上)

 

 

悲嘆の門(下)

悲嘆の門(下)

 

廃ビルの屋上にあるガーゴイル像の謎がいったいどんなオチを見せるのかと思いきや!

うん・・・これは壁本というてもいいと思うんだ・・・がっくりうなだれてなかなか読み進められなかったのわたしのせいじゃないはず・・・。

この世はすべて物語でできていてその物語の起源の世界がどうとかもう言葉を弄する世界観についていけませんでした。わたしは連続殺人の話が読みたかったんや!!(地団駄

最後の最後はそれなりに現実的なオチをつけてくれましたが()カタルシスはまるでありませんでした。言葉に淫せなかったのが敗因。つかれた。

主人公のバイト先が「クマー」とかwそれだけで大笑いしたんですけど、ネット関連の会社で「クマー」はないとおもうの「クマー」は。

確かに昨今のネットリテラシを欠いた人たちが大挙して押し寄せるネット社会(スマホの普及が原因だとおもう)(一昔前はネットにいるのはごく限られたひとたちだった)(いわゆるふつうの人たちはネットとは隔離された場所に生息していて、平和に別世界を生きてきたと思うんだけど、スマホによって誰もがネットに接続できるようになってしまって今まであったネットの世界の暗黙の了解的なお約束の存在を無視した人たちが一気に増えてしまってその結果ネットの世界は特別なものではなくなったけれども、昔からそこに住んでた人たちからすると急に人口が増えて今までのローカルルールが通用しなくなったことに戸惑いと、保守派には嫌悪感を抱かせてると思うのです)は大人たちが暗黙の了解の下でそれなりに節度を持ってやってきたことを踏みにじられてしまってもはや無法地帯なのが恐ろしいです。

勝手に人の写真を撮ってはいけないし、それをネットにあげてはいけないっていうのを正しく伝えられる自信がないのですが、それは当たり前のこととして持っていた概念であって、どうしてだめなのって言われるとうまく言葉にできないのがもどかしいです。たとえば何かの犯罪に巻き込まれた時に、マスコミが規制するような情報も、誰かが無頓着にネットに流した写真や情報によって誰もが知ることになることの恐ろしさ、なのですが。個人情報の扱いが厳しくなったけれども、それと反比例してネットの世界では野放図なのがほんとうに怖い。