茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

松岡圭祐「探偵の探偵Ⅲ」(46)

 

探偵の探偵3 (講談社文庫)

探偵の探偵3 (講談社文庫)

 

ドラマ最終回視聴後すぐに原作本で補完したんですけど、いつも通りドラマよりずっとハードで苛酷でした。あの悪徳探偵に詐欺られる人は救われることなく亡くなってしまうし、その悪徳探偵に対しては容赦なく徹底的に痛めつけるし、最後の死神との対決は筋弛緩剤なんていうぬるい方法じゃなくてコンクリ詰めだったし(それでも助かってた)(みんな不死身すぎる)死神に対して玲奈はナイフを振りかざすことを躊躇わなかった。

あと、琴葉と玲奈がドラマ以上の関係だった。ただの恋愛関係だった。二人でキッチンに並んで立って、ふと触れ合った指先に心がざわめき、そばにいるのに玲奈さんに対してなにもしてあげられない、罪を重ねる彼女はきっと逮捕されることも覚悟してるんだろう、ずっと一緒にいたいけどそれはきっと無理で、ああ、もう耐えられない、って抱き付くんですよ。いつも隙のない玲奈さんがわたしの前では警戒心を解いてるのが可愛くてしょうがない、ってそんな文章ばかりが並んでて、え、これ二人のラブストーリーだった・・・?破滅への道を突き進む彼女をもどかしく思って己の非力を嘆くそんなお話・・・?って何度も混乱しました。そんな中で迎える最後の死神との対決シーンでの、玲奈より姉を選んだという事実の重さ。玲奈にとってもだけど、愛してると思っていた玲奈さんは姉の代わりなだけだったという事実を思い知らされた琴葉の衝撃。

ドラマでは、お互いに背を向けて歩き出す二人だったけれど、小説の中では琴葉は玲奈にすがり、そして去りゆくクルマを追いかける。未練たっぷりに。

さらに、死神の背後に探偵業を仕込んだ師匠という存在「姥妙」が明らかにされ、玲奈の戦いは対死神から対姥妙になるんだろうなという展開を予想させた。

シリーズは次回が最終巻らしいんだけど、ドラマも続きが作られるのかな。SPとか。