茶の間でおま。

本とかテレビとか宝塚とか。

三崎亜紀「チェーン・ピープル」(28)

三崎さんの新刊読みましたー。 

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めっちゃおもしろかった。

月村さんの特撮ハードボイルドでウルトラマンのことを思い出したりした後だったから、余計に「正義の味方」が沁みました・・・確かに彼が戦うことによって町は破壊され、恐らく死傷者も出てたはずなんだよね。シン・ゴジラでは、一般人がいるところでは「敵」に攻撃することができなかったことを思い出す。

心ない者によって、像は全身を銀色でペイントされ、更にその上から赤いスプレーで模様を描かれ、本来の「彼」とは似ても似つかない姿にされてしまってる。(中略)彼が立ち向かうのは、我々の無関心であり、忘却であり、流されやすい心でもある。

ささることばたち。

そして最終編の「応援」がまた集団となった個の恐ろしさをまざまざと見せつけてきて鳥肌が立った。 ネットは恐ろしいって骨の髄まで知ってるつもりのいにしえの人種だけど、それでもどこかで自分には関係のないことだってガードが甘くなってることは否めない。どこで線引きをするのか、どこまで覚悟するのかっていうマイルールは決めておかなくちゃいけないなーっておもう。

支援する相手がどう思うかによって、自らの行為を変えるというのは、却って相手に失礼ではありませんか?どんなに周囲から理解されなくとも、意思を変えずに物事を達成できた者は、最後にはその信念が正しかったものとして理解されるものでしょう?

この話の通じなさが怖い。そして本人はいたってい「いいこと」をしてると思い込んでるのが怖い。正義感に基づく行動であれば、それが相手の望んでいないことであっても正当化されてしまうその「正義」という言葉の強さ。怖い。

そこまでファンタジーではなく(地図のお話はちょっとつよめだったけど)こういう日常のSF(日常の、ってつけるのブームなんでしょ?)(日常のハードボイルドがどうにもこうにも)(ハードボイルドに日常があってたまるか)(今ちょっと若竹さんちの葉村さんが思い浮かんだけど)にものすごく心ときめくので(今でもいちばん好きなのは二階扉です)ほんとによいものが読めたなー。