茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

湊かなえ「物語のおわり」(57)

北海道がほぼ舞台の連作短編集。

 

物語のおわり

物語のおわり

 

「山女日記」から湊さんは脱ミステリを図ったのでしょうか。一人の人に書かれた小説の原稿が、いろんな人たちの手に渡り、その人たちの抱えてる問題にヒントを与える存在となって、最後にはないと思われてた「物語のおわり」が存在することがわかり、主人公もまた抱えた問題の糸口を見つけるわけです。

夢は、無理やり諦めさせられたわけじゃない。そのことが希望でした。

スマホ世代どっぷりの中学生の悩みが、他人ごとではなく、各時代にそれぞれそれなりに悩みはあったんだろうけれど、自分たちの世代にはなかったものの存在に振り回されてる今の時代を生きる少年少女はしんどそうだなぁ、ってあらためておもいました。ネットがなければ、こんなに傷つくこともなかっただろうな、って知らずにいたかったことを知ってしまった経験は今なら誰にでもあるだろうし、でもそれのなかった昔が決して絶対的によかったとは思えないから、要は使い方次第なんだな、って道具に振り回されることが愚かなことだって早く気付いて、うまく利用できる人間になってほしい。

あと文中に唐突に「宝塚歌劇月組の公演」を観るために神戸に出てくる母親というのが出てきてお茶吹きましたwなんで月組なの!!!!!(わたしの贔屓組