茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

近藤史恵「インフルエンス」(50)

近藤さんが自信作だと言われる新作読みましたー。

幼いころの(性的なものが関わる)トラウマがその後の関係性を築くための呪いとなって、そこから逃れられないひとたちの物語は、「白夜行」に似てるなっていう感触でした。ただ、登場人物の心情がほぼすべて語られているので余白というものがすくなくて、あと長い時間の物語であるのにページ数がすくなくてものたりなかったなーとおもってしまったのがざんねんでしたが、たぶんぜんぶ「白夜行」のせい。

でも息がつまるような中学生時代はわたしにも身に覚えがあるし、もし昔に戻れるんだとしても、未成年のころにはぜったいに戻りたくないっておもってる。しんどい。わたしも小学生低学年までは大きな団地に住んでたので、あのころのあの大きな建物たちの群れが世界のすべてだった感覚というのはすごくよくわかる。人間関係もすべてあの中で完結していた。あのままあそこで成長したら、大人になってもその関係性を引きずってたんだろうか。人間関係が希薄だなーとは自覚してるけど、わたしには呪いになるような関係はないってことに安心すると同時にさびしいっておもう。だって彼女たちは呪われてたけどでもだからこそ存在することができたのだとおもうから。

出てくるエンタメフィクション作家さんの設定がどう見ても近藤さんそのものなんだけどwそれはどういうふうにとらえればいいのかなwww