茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2023年10月号

・読んだ本

池井戸潤ハヤブサ消防団」(72)
いやなんでほんまにこのままドラマにせんかったんという素晴らしい原作でした。概ねテレビのキャストが脳内で自動でしゃべってくれるのでたすかったんだけど、省吾!省吾おまえ若者だしぜんぜん信者でも内通者でもなんでもなかったやないかーー!!っていうかふつうに若い消防団員が勘助以外にもいて、そらせやんな、っていうかおっさんだらけの消防団☆とか誰かの性癖すぎてちょっと引くわー。ドラマたのしかったけど、ドラマのために改変された部分がいろいろ気に食わなくて、連ドラの尺にするにはそういうのも必要かもしれぬがうぬぬぬと原作ファンはこんなきもちだったんじゃろうかのうと遠い目をしてます。

辻村深月「この夏の星を見る」(73)
コロナ禍どまんなかの青春小説。これ以上なにも奪われたくないという中高生たちの言葉に胸がくるしくなる。わたしみたいな大人にとっては人生のほんの一瞬でも、10代の彼らにとっては人生のほとんどを奪われたような感覚だとおもう。今もなお、こうして若いひとたちの繊細な感情を、としよりのわたしにも、ああ、そうだった、こんなだった、とほろ苦く思い出させてくれる辻村さんの文章が、瀬尾さんとはまた違った味わいで翌日の朝腫れあがった瞼をみて苦笑いするのであった。

乾緑郎「戯場國の怪人」(74)

近藤史恵「ホテル・カイザリン」(75)
シリーズものではない短編集。アンソロジで読んだものもあった。漂う不穏な空気と、読了後に背筋が伸びる感じ。すきです。

瀬尾まいこ「私たちの世代は」(76)
これもまたコロナ禍どまんなかの小説で、「そしてバトン-」に出てくるビッグラブを注いでくれる母親を彷彿させるキャラクタに泣かされました。いいラブストーリーでもあったな。どうしても主人公が永野芽郁ちゃんで脳内再生されてしまうのは映画のせい。こどもがすきな人間ってほんとうにいるんだなって信じさせてくれる。わたしはそうではないほうの人間なので。

千早茜「マリエ」(77)
こどもがいなければ離婚は女性を解放しかしないよなー。という感想。わたしも今は老後なので、のんびりと、時間を自分のためにたくさん使えてるので。恋はしたいけど、現実世界での恋はめんどうなので、やっぱり二次元の世界で恋がしたいです(画面の向こう側の人間はたとえリアルであってもわたしにとっては二次元の存在なので。

伊吹亜門「焔と雪-京都探偵物語-」(78)
おもしろそうな設定なのに最後までノリきれなくてめちゃくちゃざんねんだった...たぶんキャラクタのネーミングセンスとBL風味を狙ってるあざとさを感じてしまったのが敗因と思われる。ビジュアルありきだなという感想。

児玉雨子「##NAME##」(79)
彼女の母親は何を想って小学生の娘に水着の撮影を許可したのか、そこが一番怖くて最後まで恐ろしかったです。こうなる未来に対する警鐘は母親には聞こえてなかったのか、想像できなかったのか。こどもだけではなく、写真を撮ることとかあまつさえそれをネットにあげるとかの意味が変わってきてるのはわかるけど、わたしは前世紀の人間なのでやっぱり画像データに写り込みたくないし、気軽にネットに晒したくないというきもちは根底にあって、顔出しゆーちゅーばーとかまだちょっと違和感がきえなくて怖いなって感情が拭いきれない。

湊かなえ「母性」(再)(80)
映画を見たので原作を再読。映画では、小姑が一人少なくて、二人目の妊娠・流産が省略され、そこからの詐欺に合うエピソードも省略されてた。どんよりとした気持ちになってしまうけど、戸田恵梨香ちゃんの異質な感じはすごく再現度が高かったなあという映画の追い感想。

貴志祐介「梅雨物語」(81)
湿度高めのホラーミステリおもしろかった。昆虫に造詣がないので花魁の名前でピンとこなかったの悔しいし(「ぼくとう奇譚」)幽霊の正体はキノコの胞子が紗幕となって光の加減で映し出されるなにか、という説が興味深かった(「くさびら」)。

 

・見たドラマ

「ギフテッド」
増田さんの天草に慣れたころに終わってしまって、シーズン2はWOWOWで☆とかいわれてもその手には乗らないんだから...ッとこぶしを握り締めてるところ。若い後輩と並ぶとさすがに貫禄というか、ああ、(だいぶ)先輩なんだなあああああって感慨深くて増田さんはわたしの永遠の自担ですと成人式の頃の黒髪はかま姿を思い出しては涙ぐんでます(情緒不安定

「何曜日に生まれたの」
いや~~よいラブストーリーでしたね!溝端淳平くんにうっかりときめいしてしまう最終回だったようっかりうっかり。飯豊まりえちゃんは泉クンの時がさいこうにすきなのはそうなんだけど、つかめないキャラクタをつかみどころなくやってたのがすごい。野島伸司らしさは正直よくわかんなかったけど、高校時代の複雑な人間関係がそのまま大人になっても続いてるっていうのがわたしの世界線と違いすぎて、それだけでじゅうぶんフィクション。

「姪のメイ」
あっちゃん出演ドラマ楽しかったです。

 

・見た映画

「母性」
DVDで視聴。原作既読だけどぜんぜん記憶にない。戸田恵梨香が怖いだけだったんだけど、ずっと娘で有り続けたいという感情はわたしにはないので、わたしは娘であるというより母親なんだろうなっておもう。わたしもわたしの娘もともだちがいないので、しょうがなく一緒に出掛けたりするんだけど、おたがいともだちがいないくらいなのでクールでドライな関係だとおもってるし、そういえばわたしの母親もクールでドライだし、わたしと母の関係もクールでドライなのでこれは血筋なのかもしれない。思い出すわたしの祖母もわりとクールでドライだった気がする。しかしわたしの息子はそうではないので、いやー、家族っておもしろいですね。原作読みかえそうかな。

閉鎖病棟
DVDで視聴。もうみんな言うてるけどわたしも言いたいなんでユキちゃんおらんようになってみんな誰も探さへんの????病院の管理体制どうなってんの?責任問題では???????あの事件があって、そのあと、ユキちゃんがどんなふうに生きてきたのか、そこがなんにも描かれてなくてビックリした。放置がすぎる。ユキちゃんのことなんだとおもってんの。精神病院のことぜんぜんしらんけど、ユキちゃんみたいな子が入院するようなところなの?ユキちゃんが保護されるべきはあの病院ではなくもっとしかるべき施設であって、罰せられるべき人間がちゃんと罰を受けなければならんのでは????ユキちゃんの境遇が酷すぎてそれが感想のすべてです。

「マイブロークン・マリコ
DVDにて視聴。永野芽郁ちゃんと奈緒がリアルでも親友なの知らんかった!今まで見たことのない永野芽郁ちゃん新鮮でかっちょよかったよ。暴力に常に晒されて生きてきた人はそれから逃れることは出来ないのかな。なにもない日なんてない。という彼女の言葉がつらかった。

「サイダーのように言葉が湧き上がる」
NHKEテレで地上波初オンエアされたものを録画視聴しました。ノットフォーミーだなあという感想なんだけど、エンドクレジットで主人公の声が市川染五郎と知って全力でガタッとなりました、もうちょっと早く言ってよ!田舎のイオンモールは馴染みがあるんだけど、歩いておうちには帰れないよ、それが田舎のイオンモールだよ...という感想です。

「死刑にいたる病」
DVDにて視聴。原作既読。がんちゃんさんのキャスティングにうなる。原作読んでるので補足できる部分が多くあってたすかった。白石和彌監督作品だってしらなくてグロ場面にぶん殴られた。つかれた。

「Thread of blue」
アップリンク京都の公開初日に飛び込みで観ました。そこはかとない違和感がちりばめられた家族の物語かとおもいきや、自殺志望者の記憶を改ざんして寄せ集めの疑似家族をつくって人間を再生産するというSFな展開にビックリし、荒唐無稽なのに薄暗い画面とマッドサイエンティスト野村宏伸の佇まいがどこか現実味を帯びていて、ニセモノの記憶でもしあわせに生きていけるならそれもありかもしれないとか思わせるのがすごい。いや、旅先でおもしろいものが見られたなー。大満足です。

「ドミノ」
映画は前情報なしで観るとどれも楽しい。コンパクトでだれることなく最後までみせてくれたし、なんせラスボスな娘ちゃんがすごくてつよくてカッコイイ。スゴツヨ。養父母のファンキーなセリフもイカしてて口笛ふいちゃったのにラストシーン怖くて泣いちゃった。

「六人の唄う女」
竹野内豊山田孝之のダブル主演映画観ました。主演の豪華さと映画の尖り具合のアンバランスさに目眩がしました。すごいな。っていうかシンちゃんはノープランで森に戻りすぎでしょ、どうやって彼を連れてくるつもりだったの、ほんとにわたしがいないとなんにもできないんだから。出てくる六人の女たちの唄ううたとは。フクロウとは。エンドクレジットに彼女たちの正体が記されてたんだけどぜんぜんおぼえてなくてもどかしい。ねえ、卵を産んだのはなんだったの?産んだすぐの卵をつぶされて慟哭する場面でうっかり泣いてしまったんだけど、わたしたちはいつもなんの感情も持たずに産みたて卵と謳われてる卵を割って焼いて食べてるんだってことを突きつけられて、いやこの涙はなに????と我に返らされてまさに思う壺でした。最初は植物なのかなとかおもたら産卵するしって混乱してたら、六人のうちの一人がシダ植物で、あーーーーー...って納得したわ。虫苦手なのでけっこうしんどかったです。

「愛にイナズマ」
中野親子初共演映画観ました。いや、同じ画面に親子が入ることはなくてざんねんでしたが、それ以上に、太賀が最期に自死をえらんでしまう場面が衝撃的で、どうしてもチョロの最期を思い出してしまって、ああ、これはきっと作ってる人たちが想定したことなんだろうなっておもったし、それはどうなの、わたしはわりとドン引きですけれどもという感想。中野親子の初共演がこれであることに納得がいかないので次回に期待。めちゃくちゃ期待。ちなみに同級生設定の太賀と窪田正孝くんの年齢差は五歳。中の人の年齢調べたらそうすけより窪田正孝くんのほうが年上なのバグでしかないしなんならそうすけより若葉くんのほうが年上なのわらっちゃった。そうすけの長男感わかるし若葉くんの真ん中っ子わかるし松岡茉優ちゃんの末っ子感めちゃくちゃわかる。そうすけの長男すごくよかったな。若葉くんもよかった。あの三兄弟だいすきです。そこに至るまでの業界パートが胸糞すぎたんだけど、それをふっとばしてくれる復讐劇が始まるのかと思いきやそうでもなかったことに肩透かし。折坂監督の衝撃の新作発表に衝撃を受ける世間を見たかった。コロナ禍のドタバタ狂騒が揶揄されてるのも小気味よく、あとカルトって言葉にドキッとしたり。

 

・買ったもの

anyFAMでニット二枚。ボトルネックリブニットのモカとパフスリーブガーターニットのサンドベージュ。ベージュの女になるんだ。