茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

2024年1月号

・観た映画

「PERFECT DAYS」
今年の映画初め。これはプロの犯行によるルーティン動画だ、というのが第一印象で、ゆーちゅーぶで見るようなわざとらしさが少なくていつまでも見てられる映像だった。ところどころに引っかかるような違和感があって、姪や妹とのハグであったり、出かけるたびに家に施錠しないことであったり、素手でごみを拾ったり作業服を週一でしか洗わないことだったりなんだけど、鑑賞後感はすがすがしくて概ね満足です。

「コンクリートユートピア
お正月にイビョンホンの映画を観るのは去年と同じだなあと呑気にしてたらそうだった災害の話だったんだと、己の呑気さにうちのめされました。やー...間違ったなーってめちゃくちゃ後悔しながら観たので申し訳ない。イビョンホンのビジュ不発っぷりに時々餅ゴリさんに見えたり遠憲さんに見えたりなんだろうあの髪型かな。設定がファンタジーなのでなんとか最後まで観られたんだけど、それでもやっぱり被災後の人々の様子としては絵空事だと思うこともできず、純粋にエンタメとして楽しめなかったのがざんねんです。

 

・DVDで見た映画

プリンシパル
タイトルのわりにバレエ要素がほぼない上にそのバレエの場面がわらっちゃうほどひどくてわらった。ノットフォーミーなのは百も承知なのでわたしがわるいですごめんなさい。わたしの知らない少女漫画原作のキラキラ恋愛映画がこの世にはいっぱい存在するんだなあという新鮮な驚きを得た。

 

・読んだ本

月村了衛「半暮刻」(1)
倫理観の欠如した人間こわい。そんな彼のことを人間らしいと評するということはつまり人間はこわい生き物だということですよねそうですね。オリンピックとか万博とか利権に群がる人たちだけが得をするイベントが税金の無駄遣いでしかないってみんなわかってるのになくならないの、得をする人が多いからだろうなーってしんだ目をするしかなくてつらい。からい。

東野圭吾「あなたが誰かを殺した」(2)
早川5位、このミス3位、本ミス3位、文春2位。東野さんの101作目作品は加賀恭一郎シリーズ。わたしは加賀恭一郎をみとめない派だけど脳裏に阿部寛がちらつくことは否めない。加賀さんのイメージはもっと若くて爽やかなんだけどそんな加賀さんはもう存在しない。非実在加賀恭一郎を脳内で飼ってる。ところで叔母と姪の年齢設定が気になってしょうがなかったです。新婚の姪がいる妖艶な未亡人の叔母が想像しづらかった。

綿矢りさ「パッキパキ北京」(3)
おもっしょかった!めちゃくちゃ元気出た!どこでも楽しく前向きに生きようとする彼女のバイタリティが羨ましい。わたしもコロナを畏れずに暮らしてまだ一回も罹患してないので無敵。さいきんは風邪もろくにひいてない。彼女の年上の夫がコロナに罹った時に冷えピタの代わりにフェイスマスクを貼り、加湿器の代わりにスチーマーを抱えさせて「美容に熱心なおじいちゃん」の姿になった時には声出してわらったwギャルのつよさがまぶしい。ギャルの精神まじでっょぃ。

青崎有吾「地雷グリコ」(4)
これが今年の優勝です!!!よくわからんままいうけど「賭ケグルイ」のもうちょっと健全(健全)なかんじ??というイメージ。頭のいい人たちがわけわからんレベルで戦うのを見るのめちゃくちゃわくわくした。垣間見える鉱田ちゃんへのクソデカ感情が大変美味でよいミステリでした。

辻堂ゆめ「山ぎは少し明かりて」(5)
どういうオチなのか最後までわからなくて、女三代の物語だったのかとようやく腑に落ちて、いや、失踪した父親の真相が明らかになるかと思いきやそうではなかったことに肩透かしを食らったことは否めなかったです。あとわたしにはふるさととか土地に対する思い入れがまったくないので、ああ、こういう人もいるんだなとは理解するけど共感は出来ないし自分にもふるさとがほしいとはイチミリもおもわないしお金と土地をやるからここから出ていけと言われても特に不満はないかな。でも旦那はぜったいに出て行かないと息まいてたので、やっぱりそれは人によるのだと実感した。わたしに先祖代々の土地というものが存在しないからかな。執着がない。

白井智之「エレファントヘッド」(6)
早川7位、このミス4位、本ミス1位、文春4位。最初は精神科患者の妄想とかそういう叙述ミステリなのかとおもいきや早々に少女の体が爆発して偉いことになっていったの度肝を抜かれた。設定はわかったし犯人も胸糞トリックもわかったんだけど読了後にぜんぜんスッキリしないのモヤモヤする~~倫理観が欠如してるあたりは西澤保彦っぽいなとおもったんだけど問題はそこではなくてSFミステリは苦手なんだよね、パラレルワールドとかもう論外。アクロバッティカルな展開はおもしろかったし、殺人の真相も衝撃だったし(衝撃ではあったけどそれを上回る鬼畜さに衝撃が消滅した)楽しかったんだけどさあ。

宮内悠介「ラウリ・クースクを探して」(7)
第170回直木賞候補作。読みやすかった。

万城目学「八月の御所グラウンド」(再)(8)
第170回直木賞受賞おめでとーーーーーーー!!!まきめさーーーーーーんんんん!!というわけで直木賞受賞の帯の重版されたやつ買いました。わたしの中ではシゲアキ先生との一騎打ちでドキドキしてたんだけど無事に(無事に?)まきめさんが受賞とあいなってすごいホッとしました。二人とも待ち会の様子とかがSNSで明らかにされていやがおうにも盛り上がったし、もりみーのブログとか読んだらもう泣くしかないやん。まきめさんの受賞の動画見ても泣くし、っていうかあの会場にもりみー(たち)おったん草生えたけどその後で号泣したわ。いやもうほんまにファンとしてすっごくうれしいです!という気持ちのまま再読したのでずっと涙ぐみながらの読書体験となりました。早く京都に旅に行きたい。わたしも出町のセカンドハウスできのこスパゲティー食べるんや。

 

 

・京都世界遺産上賀茂神社、天下一品

初詣に上賀茂神社へ行きました。これにて京都の世界遺産を踏破しましたーー!満願成就。ひいたおみくじも大吉だったので幸先がいい。葵家さんのやきもちも買った。しかし大鳥居のあたりは新しく整備されたようで綺麗だったんだけど綺麗すぎて。

天下一品の本店に行きたかったんだけどお昼時はやっぱり長蛇の列で、そう簡単にはいかんなと早々にあきらめて三号店(銀閣寺店)へ。久しぶりにこってり食べられたので満足です。