茶の間でおま。

本とかテレビとかすきなものたち。

「歌妖曲〜中川大志之丞変化〜」

中川大志くんの初舞台観ましたー。初めての景色を一緒に見られることができるのってとてもうれしい。もちろん「家政婦のミタ」の時から彼のことは知ってるし、古風な正統派イケメンだなーっていう認識でしかなかったのを一変させたのが大河「鎌倉殿の13人」の畠山重忠殿でした。ガツンときた。強烈だった。あの実目麗しさを自覚されてる美丈夫っぷりもさることながら、見事に誇りを守られた凛々しく雄々しく美しいその最期は数々の名場面を生んだ今回の大河の中でも群を抜いてわたしの心に深く刻まれたのでありました。驚くべきことに彼はまだ24歳。数多の大御所俳優たちと互角に渡り合い、なおかつべらぼうに名を上げた。その瞬間に立ち会うことができてしあわせだなあとしみじみそのしあわせを噛みしめていたところにベスアのあのゆずとのコラボ出演ですよ。歌うなんて聞いてないっすよ!!畠山殿とは全く違った年相応の初々しさが眩しすぎた。か、かわいい~~~~~~~~~~~ハッ、そういえば彼は今、舞台をやってるんじゃなかったっけ、そういえば初舞台だって聞いたような気がする...あら、今度大阪に来るんだ、あら、チケット買えちゃう?あらあらうふふふふふふ♡というわけで新歌舞伎座に行ってまいったわけです。このチケット買いたいとおもったときにサクッと買えちゃうのってほんっとにだいじだとおもうんですよ。当日まで完売にならないのって関係者各位におかれましては気を揉む事態だとはおもうんだけど、でもその「余白」というか「余裕」というか、なにかの気まぐれが入り込む「余地」を常に持ち続けてほしいなってせつにせつに願う。もちろん昨今の厳しいエンタメ業界においてそんな悠長なことを言うてる「余裕」はそれこそないんだろうなっていうのもわかるんだけど。わかるんだけど。でもあるところにはあるのに表面上は完売ということにしたい界隈の風習を外野にいる身としては憎んでいるので、あるところにあるじゃだめなんだよ...って...(にぎりこぶし)

中川大志くんから客席に伝わるエネルギが大きすぎて、受け止める側としてもかなり消耗しました。幕開け大階段に登場する桜木輝彦にテンション上がる!これFNSで見たやつ!!大階段にスターが立ったら拍手したくなる症状が出そうになった。全身大改造して桜木輝彦に生まれ変わったんだとおもってたら、まさか定に戻るだなんて、っていうか定と桜木輝彦を自由自在に行ったり来たりとか、え、桜木輝彦のシステムどうなってんの??整形とかそういうのじゃないの?着脱可能な矯正ギプスみたいな感じ?顔は?顔はどうやってんの??ねえ、桜木輝彦システムのこともっと詳しくおしえてくれよぉ!!モルヒネを必要とするくらいに桜木輝彦やるのは苦痛を伴うことだっていうのはわかるし、たぶん短時間勝負なんだろうなっていうのもわかるんだけど(ウルトラマンカラータイマーシステム?)、顔はどのような仕組みで桜木輝彦になるんですか、気になって夜しか眠れません。桜木輝彦罪深い。

鳴尾家の人々に復讐するっていうきもちはわかるし、むしろ理解しかないから、定がかわいそうな人間だって見てる方もおもってるし、なのに途中で父親にお前は見た目のせいじゃなくて心が醜いからみんなに嫌われてるんだよバーーカみたいに罵られて、そんなわけあるかいだっておまいらがよってたかって存在しない者として無視してきたからじゃないかーーーってプンスコしたのに、いや、ちょっと待って、そういえば定はわりとカジュアルにためらいなく人を殺してるね??と思いいたった。最初の闇医者に始まり、利生のことはほんとに殺すつもりはなかったと信じたいんだけど、ヤクザから姉から嫁から果ては義兄弟まで。定ちゃんひとのこころがなさすぎでは。そうだ、利生が定のことは無視してたんじゃなくて、注目されることの多い派手な芸能一家だから定を守るために隠してたんだみたいなこと言ってなかった?親戚一族の態度を見たらとてもそうは思えなかったけど、でももしかしたらそれも最初はあったのかもしれないかもしれない。とおもうと姪っ子にまで手を掛けた定のことはちょっとかばえないかな...利生のフィアンセの手を掴んだ時は眉をひそめちゃった。キモい。無理。リチャード3世って「シェイクスピア全作中最も胸躍るピカレスクロマン」って言われてるんですって、なるほど、リチャード3世が下敷きになってる時点で定は真っ黒なんだっていうのがわかるんですよね。そっかーー。

定は桜木輝彦の時、どんなきもちでいたんだろ。みんなに邪魔者扱いされてた俺が、こうやってライト浴びてテレビに出て歌ってちやほやされてんだぜ、って満足したのかな。みんなを殺していって、そして誰もいなくなってしまった世界で、それでも歓声を浴びたかったのかな。教えてシェイクスピア。利生と肩を並べる存在であることに満たされてたのならよかったのに。あそこでハッピーエンドならよかったのに。FNSの録画見直して見たら、つらそうな表情をしていて、ああ、お芝居につながるんだな、って心がくるしくなりました。定ぅ...!

音楽劇と銘打ってるだけあって昭和歌謡が散りばめられた華やかな舞台でした。生バンドの演奏もやっぱり贅沢なきもちになれるからすき。コミカルな場面とかたぶんアドリブだろうなっておもう場面もあって、何度も声に出して笑ったし、思い出し笑いしそうになることもあったw鳩の出たドラマで共演したくだりとかおもしろくて、やっぱり思い出し笑いしてしまう。*1シェイクスピアがわかればきっともっとわかることもあるんだろうなっていういつものもどかしさを抱えて帰宅。前に新歌舞伎座行ったのは高橋一生くんの「フェイクスピア」だったなって思い出しつつ。

ところで年寄りなのでパンフレットの文字が読めません...ッ(泣いている)黒地に赤文字とかもうだめ...ぜんぜんなにも...見えな...い...畠山殿が引っ張ってきた中高年にもやさしくしてほしい...制作時は想定されてなかったのかな...ああ、大河出の中川大志ファンは永遠の新規って言葉を実感するぅ!*2

www.youtube.com

*1:アメリカ帰りのバイオリン弾きで鳩を飼ってる設定のやつ。

*2:大河出の中川大志ファン。わたしのすきな言葉です。